教科ごとの特性に合わせたICT活用のアイデア|樋口綾香のGIGAスクールICT活用術㉖

Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生による人気連載! 今回は、教科ごとの効果的なICT活用法について教えていただきました。
執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香

目次
はじめに
「GIGAスクール時代の授業のあり方」1~3回はこちら!
➡GIGAスクールのICT活用㉓~GIGAスクール時代の授業のあり方①板書の役割~
➡GIGAスクールのICT活用㉔~GIGAスクール時代の授業のあり方②教師の役割~
➡GIGAスクールのICT活用㉕~GIGAスクール時代の授業のあり方③ノートとタブレットの使い分け~
私の勤務校では、昨年の11月には1人1台のタブレットが行き渡り、「毎日授業内で使うこと、毎日タブレット課題を出し、持ち帰ること」を学校全体で実践してきました。「タブレットに慣れよう」という時期は過ぎ、今は「効果的に」「選択的に」、方法を見極めながら、タブレットを使った授業を行っています。
この1年間での研究授業を通して私は、「板書には何を残すか」「教師の役割に変化はあるか」「ノートとタブレットはどう棲み分けるのがよいか」「教科の特性とICTの特性は、どのように関連するか」といったことを考えてきました。
今回は、教科の特性とICT活用についての私の考えを述べたいと思います。
めざしたい子供の姿
情報活用能力が身についた子供たちは、自分で工夫をしながら、効果的にタブレットを活動に取り入れることができるようになります。今では、係活動、委員会活動、学級活動などで、活発にタブレットを使っている子供たちの姿を見ます。
例えば、私の勤務校では、計画委員会が学校のゆるキャラをつくることを企画し、計画委員の子供たちは募集するための動画を作成して、全クラスで上映してもらいました。ゆるキャラは紙に描いてもらって集めます。計画委員会で1学年1作品まで絞り込み、出揃った6つのゆるキャラの中から全校児童による投票で1つに決定します。この投票には、ロイロノートのアンケート機能が使われました。アンケートカードも子供たちが作成したものです。
このように、子供たちは自分たちの学校生活をよりよくするために、これまでに学んできた知識や技能を生かして、活発にタブレットを使用しています。
教科学習においても、子供たちが主体的に学習の方法を選択し、学びやすいような環境をつくっていけるのが理想的です。そして、それぞれの教科の特性に合った、効果的なタブレットの活用法があるはずです。
ここでは、日々の授業や今年度見た研究授業の様子から効果的だと感じたICT活用について、『GIGAスクール構想対応 実践事例でわかる! タブレット活用授業』(田中博之著/学陽書房)で示されている、タブレットの教育機能「可視化機能・個別化機能・共有化機能・深化機能・活性化機能」の5つのうち、「可視化機能・個別化機能・共有化機能」を中心にご紹介します。