次年度への積み残しゼロ!【小2国語・算数】つまずきポイント指導術

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宮城県公立小学校教諭

鈴木優太

年度末までに積み残しをゼロにして、次年度に送り出したいもの。二年生の国語と算数で子供たちがつまずきやすい単元の指導法に加え、子供たちのやる気をアップさせるアイデアも併せて紹介します。

執筆/宮城県公立小学校教諭・鈴木優太

【国語】非利き手 漢字テスト

利き手でない手は思うように動かないからこそ、気を付けて書こうとする気持ちが働きます。そこで、漢字の練習や漢字テストを「非利き手」で行ってみましょう。漢字を細部まで観察して、気を付けて書こうとする子供たちの姿が見られます。

利き手とは逆の手で漢字テストに解答する子供。

利き手だと経験や慣れによるバイアスから、さらさら書いてしまいがちです。あえて「非利き手」を使う「違和感」は、このようなバイアスを取り除く効果があります。

図工では、「非利き手」で自画像を描く実践にも取り組んでみてください。対象物に集中して観察して描くこと、作品に滲み出る味や自身と向き合うことの面白さを実感できます。

利き手と脳との関係が研究され続けています。自分も知らなかった新しい扉を開けることができるかもしれません。

【国語】小テスト 友達採点

漢字小テストを積み重ね、漢字を書ける力を実践的に育んでいくことが大切です。このとき、ペア同士で交換して採点し合います。書いて「すぐ」行うことがポイントです。つまずきポイントを見極める目と手が鍛えられます。

〈評価規準〉
◎…とめ・はね・はらいまでていねいに書けている
〇…書けている(バランスが悪くても大丈夫)
×…正しくない部分がある

低学年では、よかれと思って友達に厳しくしすぎてしまう子も見受けられるため、採点の規準をこのように予め明確に示すことが大切です。

「友達採点」の精度の高さが、学力向上にもつながります。教師は正しく採点できているかを確認しましょう。

隣同士で交換して友達の小テストを採点する子供たち。

参照:文化庁『常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)』

【国語】ナンバリングメモ

三年生に進級すると、メモをする学習の機会が飛躍的に増えます。二年生までほとんどやったことがない学習活動が増えるために「小三プロブレム」に陥ることも考えられます。そのため、「速記」や「ながら書き」の経験もとても大切です。

「NHK for School」の10分間の動画を見ながら、メモをとるトレーニングを積み重ねます。

〈進め方〉
①「ナンバリング」(番号付け)して、ノート(またはA4用紙など)に「メモ」する。
②メモを書けた「数」を挙手で確認する。
③メモの中から「なるほどベスト3」などを選んで赤丸を付け、ペアで伝え合う。

番号を付けるだけでメモの「量」が驚くほど増えます。「数」が可視化されることが学習の動機になるためです。メモというと「大切だと思ったキーワードを短く書く」ことを求めがちですが、これは実は高度な営みです。

関係なさそうなことでもOKです。聞こえたこと・見えたことをとにかく書き続けましょう

このような指示で、導入期は鉛筆を動かし続けることを求めます。

教師も子供たちと競い合うように、黒板や白板に本気でメモを書いてみましょう。脳が活性化し、ゾーンと呼ばれる集中状態に没入する感覚を味わうことができます。

動画を見ながらメモを取るトレーニングをする子供たち。教師も見本を示す。

多量のメモから自分にとっての「ベスト1」や「ベスト3」を決めるようにすると、それなりの「質」のものを子供たちは選びます。ノートを指差しながら、ペアで伝え合います。

このような学習経験を継続していくと、「質」の高いメモがとれるようになっていきます。校外学習やインタビュー、出前授業への取り組み方が変わります。

【算数】フラッシュ学習

〈進め方〉
①PowerPointなどのプレゼンソフトで、「〇〇フラッシュ」を作成(ダウンロード)。
②「〇〇フラッシュ」を大型提示装置に映し出し、教師がワイヤレスマウスでテンポよく切り替え、子供たちは画面に出た計算を斉読。
③授業冒頭の1分間、毎日続ける。

「かけ算フラッシュ」や「くり下がりフラッシュ」と検索すると、ダウンロードできるフリーのフラッシュ教材がヒットします。クラウドを活用した共同編集機能で、子供たちが手分けして作成することもできます。

算数の時間への導入で、繰り返し唱えます。テンポよく切り替わる画面に合わせて、全員で声を出すと、授業モードにスイッチが入ります。

一人1台端末を使って、ペアで問題を出し合う活動もおすすめです。毎時間のルーティンにしてしまいましょう。継続は力なりです。

モニターに映し出されるかけ算九九フラッシュの答えをみんなで斉読する子供たち。

【算数】5秒イラスト入り「オリもん」づくり

かけ算九九は唱えられるけれど、文章問題となるとどうでしょう?

問題場面の意味を読解することが難しく、立式につまずいてしまう子が見られます。

そこで、おすすめなのが、オリもん(オリジナル問題)づくりです。オリジナルの文章問題を自作する体験が、これらのつまずきを打破することに効果的です。

このときに、必ず「5秒イラストもセットで描くように求めます。

「一つ分の数」と「いくつ分」を具体的場面と結び付けて、作問ができるようにするためです。図を描くことに凝りすぎてしまう子も想像できるため、一つのイラストにつき5秒程度で描くことをルールとします。

今日は教科書3のようなマネもん(モノマネ問題)を5秒イラスト入りで1問以上つくることができたらAです。さらに、オリもんをつくることができたらSAです

「クラスが盛り上がる! ゲーム・ICTを取り入れた授業アイデア【小2国語・算数・生活・図工】」の記事で紹介した「マネもんづくり」の実践から発展させ、子供たち同士が学び合う授業にチャレンジしてみてください。

子供が考えた九九の6の段のオリジナル問題の一例。

低学年の場合には「先生関所」(先生が一度見る)を設けることで、安心して学べる子も多いようです。日本語表記や単位など、生活経験に伴う日本語力が求められるものは、教師がためらわずに教えることも必要です。

【国語・算数】パーフェクトチャレンジ

テストなどで点数を取りこぼさない「学び方」を身に付けることも大切です。黒板に黄色のチョークで描いた「栄光のトロフィー」に名を刻める、ただそれだけなのですが、子供たちは……燃えます! 

単元テストを次のように行うことで、うっかりミスが激減し、学級の平均点は95点前後になりました。

〈進め方〉
①単元テストは、解答に示された目安時間で取り組む。
②早く解き終えたら、「見直し」→「解き 直し」→「書き直し」をする。
③満点の自信がある場合には、教師に一足早く採点してもらうパーフェクトチャレンジに挑む。
④表裏満点の場合のみ、黒板に描いた「栄光のトロフィー」に名を刻む(名前マグネットを貼ることも可能)。

目で見るだけの見直しや頭で考えるだけの解き直しでは、なかなかミスは減りません。答えを指で隠し、欄の横にもう一度解答を「書き直し」する確かめ方が効果抜群です。うっかりミスがあった子には、次のように言います。

「他人にやさしく、自分にきびしく、ね」

黒板のトロフィーの絵に、テストで満点の子のネームプレートを貼ってくれる教師。

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小一小二』2022年2/3月号より

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