次年度への積み残しゼロ!【小1国語・算数】つまずきポイント指導術

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宮城県公立小学校教諭

鈴木優太

学力の基盤となる低学年の学習。すべての子供が自信をもって次年度に進級できるよう、年度末までに苦手箇所をしっかりフォローすることが大切です。一年生の国語と算数で、子供たちがつまずきやすい単元の指導法を解説します。

執筆/宮城県公立小学校教諭・鈴木優太

【国語】緩急読み

音読やスピーチなどにおいて、一年生では「ゆっくり・ていねい」と指導する場面が多いでしょう。当然、大切なことです。

しかし、二年生に向けて「緩急」をコントロールできることが肝要です。

・3秒間10字(一言)
・5秒間20字
・10秒間2文  
・20秒間4文
・30秒間5文程度 など

このような音読スピードの感覚を毎日の学習を通して磨いてきましたか? 

例えば、4文程度の文章を20秒間で音読ができたとします。同じ箇所を10秒間でぴたり賞をめざすようにすると、スピーディーに読む「テキパキ音読」の力が育ちます。同じ箇所を30秒間でぴたり賞をめざすようにすると、間を取って読む「ていねい音読」の力が鍛えられます。

教師が音読のスピードを指示し、それに合わせて音読する子供たち。

指定した時間「ぴったり」に読み終えるように意識することで、「緩急」をコントロールできる表現力が育っていきます。文章を目で追って読める力も育まれます。

時間を意識することは、「速記」や「ていねい書き」にも応用できます。一年生から、時間を意識して学習活動や生活場面での行動を積み重ねていく体験が大切です。

そのためにも、教室には「10秒」ボタンがある『10秒刻みデジタルタイマー』を常設しましょう。20秒間の音読をするのに、20回ボタンを連打したり長押ししたりするのでは、テンポのよい授業をつくるのは困難だからです。

【国語】Scratchでカタカナマスター

インターネットでScratch(スクラッチ)を開きます。

検索ボックスに「カタカナ」と入力すると、世界中の人たちが作ったさまざまな「カタカナ」に関するゲームやプログラムを無料で楽しむことができます(算数の「たし算」や「ひき算」でも同様で、優秀な学習ゲームがすべて無料で使用可能です)。

私のおすすめは「カタカナかきじゅん」(tomohilo0223作)や、「ひらがなとカタカナV02」(mediac-ninomiya_T作)などです。

中には、うまくプログラムされていないものもあります。「カタカナの力を伸ばすにはこれ!」というものを、教師だけではなく、子供たちも見付けて紹介し合えるとよいでしょう。

一人1台端末に慣れ親しむためにも、「遊んでみる時間」をたっぷりと確保しましょう。

一人1台端末(タブレット)を使って、カタカナの書き順を学習する子供たち。

Scratchは「中を見る」を選択することで、プロジェクトを開き、どのようにプログラミングされているかを見ることができます。プログラミング学習にも触れる体験となります。開いたプロジェクトは、好きなように修正をして保存することもできます。

例えば、キャラクター画像(スプライト)を変更するだけでも、オリジナルゲームを作った達成感が味わえてしまいます。情報モラルとして、原作者へのリスペクトを学ぶ機会にもなります。

【算数】10までいくつ・20までいくつ

教師がコールした数字に、たすと10になる数を手拍子のリズムに合わせて、レスポンスするゲームです。はじめは全員座って取り組みます。失敗しても気にならないからです。失敗しても声を出して言い続ける」雰囲気をつくるように取り組みます。

〈チャッ・チャッ・チャッ〉さん!

〈チャッ・チャッ・チャッ〉「なな!」

〈チャッ・チャッ・チャッ〉ろく!

〈チャッ・チャッ・チャッ〉「よん!」

※ 〈チャッ・チャッ・チャッ〉 は手拍子を表しています。

慣れてきたら、全員立ってゲームを始めます。言えなかったり言い間違ったりした人は座ります。ゲーム性が増しますが、座っても「言い続ける」ことがポイントです。10回ほど続けたら、最後まで立っていた人たちに大きな拍手を送ります。拍手を活動の区切りとして、本時の算数の授業を始めます。

〈チャッ〉の手拍子の回数を3回→2回→1回と減らしていくことで、答えを考える時間が短くなるため、難易度がアップします。

〈チャッ・チャッ〉はち!

〈チャッ・チャッ〉にっ!

さらに慣れてきたら「20までいくつ」に取り組みます。つまずく子が多い、くり上がりやくり下がりを身に付けることにつながります。

〈チャッ〉じゅうさん!

〈チャッ〉なな!

「20までいくつ」のゲームをする子供たち。教師が言った数字に、いくつたすと20になるかを、手拍子のリズムに合わせて答えていく。

また、「17までいくつ」や「23までいくつ」などにすると、中学年や高学年でも難しいほどです。先生と・ペアで・グループで……無限にアレンジができます。

算数のはじまりに毎回続けていたら、授業開始時刻に遅れてくる子がいなくなりました。

【算数】オリジナルくり上がり&くり下がりカード

〈進め方〉
①カードサイズに裁断した厚紙を36枚配付。
②子供たちが、カードに36パターンのくり上がりの式を書く。
③子供たちが、カードの裏にその答えを書く。
※くり下がりのカードも同じように作る。

・20までのくり上がりのあるたし算は、36パターンだけです。
・同じく20までのくり下がりのあるひき算も、36パターンだけです。
・計72パターンを暗記する。

くり上がりのあるたし算とくりあがりのあるひき算の一覧表

この「72パターン」を暗記できていない子が、以降の学年の算数でとても苦労している場面を、経験のある先生ほどたくさん見てきているはずです。

この後、二年生で暗記する九九の「81パターン」よりも少ないのです。九九の前哨戦として、暗記してしまうのが近道です。

そのためにも、例えば、カードなどの教材は子供たち自身で「手作り」することがポイントです。そして、九九と同じように……

・毎日唱える(聞いてもらうと効果大)
・書いて覚える
・かるたゲームのように遊ぶ
・問題を出し合う など

このような学習のしかたを体験することが、二年生の九九の学習にも生きてきます。ゴールデンエイジと呼ばれるこの時期の子供たちの脳は、適度な負荷のかかる暗記が大好物です。

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小一小二』2022年2/3月号より

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