コロナ下の給食でも「望ましい食習慣」の指導を!
毎日楽しみにしている子供も多い給食の時間。コロナ禍の今、机の向きや会食のしかたに制限が多いのではないでしょうか。そんな「できないこと」をあきらめるのではなく、捉え直すことで子供たちに望ましい食習慣が身に付くように取り組んでいきましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵
目次
「できないこと」から自分たちの問題に気付く
本来であれば、給食中は友達と和やかに話をしながら食べることが多いものですが、今年度は感染症予防のため「給食中に話をしない」という約束を設けてきたと思います。子供たちも意識して取り組んできたと思いますが、最近はどうでしょうか。
まずは、この「給食中に話をしない」という約束から、給食中のマナーについて問題意識をもつようにします。
その際、実際の給食の様子をビデオや写真に撮って見せたり、食べ方などのマナーの内容を確認したりすると、子供が普段の様子をふり返りやすくなります。
解決策を話し合い、自分のめあてを決める
事前の活動で気付いた一人ひとりの問題について、学級活動の時間にみんなで話し合い、解決するための自分のめあてを決めます。話合いの際に養護教諭に来てもらい、給食中に話をしないことや手洗いの大切さについて専門的な立場から説明をしてもらうと、子供がより切実感をもってめあてを考える手立てとなります。
教師の説明や学級での話合いを基に、自分の課題解決に向けて、自分が取り組むめあてを決めます。
めあてを実践してふり返る
本時で決めためあてを1週間ほどの期間を決めて実践します。給食中にも自分のめあてを意識することができるように、教室に各自のめあてを掲示しておくとよいでしょう。自分だけでなく、友達のめあてを確かめることができ、認め合いにも生かすことができます。
また、めあてが達成できたかどうかをふり返るカードを用意すると、子供が意欲的に活動に取り組むことができ、有効です。
実践後は、学級全体でふり返りの場を設け、取り組んだ感想を共有し、互いのがんばりを認め合います。
活動後も取組を続けることの大切さを伝え、家庭でも実践できるように学級だよりなどで保護者に協力をお願いするとよいでしょう。
学校でも家庭でもマナーを意識して食事をする習慣が身に付くようにすることが大切です。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年11月号より