小3社会「事故からくらしを守る」指導アイデア
執筆/東京都公立小学校主任教諭・生沼夏郎
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都教育庁指導部主任指導主事・秋田博昭
目次
目標
施設・設備などの配置、緊急時への備えや対応などに着目し、見学・調査や資料で調べることを通して、関係機関や地域の人々の関連や従事する人々の働きを考え、警察署などでは、地域の安全を守るために、相互に連携して緊急時に対処する体制をとっていることや、関係機関が地域の人々と協力して交通事故の防止に努めていることを理解できるようにするとともに、学習したことを基に自分たちにできることを考えようとする態度を養う。
学習の流れ(7時間扱い)
問題をつくる(2時間)
○ 交通事故現場の写真、豊島区内の交通事故の発生状況などの資料を基に話し合い、学習問題を設定する。
<学習問題>
事故などから私たちのくらしを守るために、だれが、どのような取り組みをしているのだろう。
○ 学習問題に対する予想を基に、学習計画を立てる。
追究する(3時間)
○ 交通事故が起きたときの連絡の仕組みや関係機関との連携体制を調べる。
○ 警察署で働いている人たちの仕事の様子や工夫・努力を調べる。
○ 事故や事件を防ぐために、警察と協力している関係団体や地域・学校の人々の取り組みを調べる。
まとめる(2時間)
○ 調べて分かったことを関係図に整理し、学習問題に対する自分の考えをまとめる。
※「学校の授業以外の場での学習が可能と考えられる学習活動」として設定することも可能です。
○ 調べたことを基に、交通事故や事件を防ぐために、自分たちにできることは何かを話し合う。
導入の工夫
交通事故現場の写真や交通事故の発生件数のグラフを基に話し合うことで、関係機関が連携している様子やいまだに多くの人が交通事故にあっていることに気付き、事故から人々を守るために働く人々の仕事に関心をもって主体的に追究できるようにします。
第1時
交通事故の発生状況が分かる資料から、私たちのくらしを守る人たちの様子について、気付いたことを話し合いましょう。
車がガードレールにぶつかっていますね。現場に来ている人たちは、事故が起きたことをどうやって知ったのかな?
奥のほうにはパトカーが見えます。警察は、事故現場にやってきて、どのようなことをしているのだろう?
車の周りでは、消防士が何か作業をしているように見えます。事故現場には、どのような人たちがやってきて、何をしているのだろう?
平成30年の豊島区内での交通事故件数 649件
1年間で649件ということは、豊島区では1日約2件の交通事故が起きているということになります。どうすれば事故を減らせるのかな?
こんなに多くの人が交通事故にあっているのに驚きました。交通事故が起きないようにするために、何か取り組みをしているのではないかな?
大人が事故にあっている件数が多いけれど、子供も事故にあっています。私たちは、どういうことに気を付ければよいのかな?
問題をつくる(1・2/7時)
イラスト/横井智美、佐藤雅枝
『教育技術 小三小四』2020年12月号より