高学年の係活動を活性化させる6つのポイント
学級の生活を楽しく豊かにしていくために、二学期は、係活動を活性化させましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・杉本竜也
目次
係活動と当番活動
係活動において、低、中学年では、当番的な活動が入ることもありますが、高学年においては、当番活動と係活動を区別しましょう。
当番活動の中で常時必要なものに関しては、輪番制で行うようにしましょう。また、配付物などは、担当を決めてするのではなく、自分たちで気づいて自主的に行えるようにしていくことも大切です。
係活動は、学級生活の充実と向上のために、子供が創意工夫をして取り組むものです。子供が自主的、実践的に進めたり、自分のよさを生かせる係に所属したりして、継続的に活動できるようにしましょう。
係活動を活性化させよう
①係の種類を決める
学級会で話し合い、自分たちの学級がよりよく豊かになるような係を決めます。中学年までの経験を生かして係を出し合うことも大切ですが、それだけにならないようにします。
次のような工夫をして活動の視野を広げていけるようにしましょう。
係の種類を増やす工夫
- 他の学年や学級を取材させる。
- 教師の経験からアイデアを紹介する。
- 保護者に相談するように促し、アイデアを持ち寄らせる。
②所属する係を決める
係の種類が決まったら子供の希望を尊重しながら所属を決めます。子供たちが自分のよさを生かして活動できるような係を選ぶことができるようにしましょう。
その際、同じ係に人数が偏った場合には、2つに分けたり、子供が自主的に譲り合ったりしてできるように指導します。「やりたい係になれた」「この係で学級を盛り上げたい」と思わせることが大切です。
③活動時間を設定する
係活動は学級活動の時間だけで行うものではありません。
係での話合いの時間や活動時間を確保する工夫をしましょう。
係活動を行う時間をつくる工夫
- 朝の活動の時間や帰りの時間に係活動の時間を位置づける。
- 係活動のメンバーで給食を食べる日をつくり、打ち合わせや相談ができるようにする。
- 係活動ごとに座席配置を行い、空いた時間に話し合えるようにする。
④係活動コーナーをつくる
係の活動計画や係からのお知らせを掲示できる係活動コーナーをつくって活用しましょう。
⑤発表の機会を与える
学級活動で「係活動発表会」をしたり、係活動の特色を生かせるような集会活動を行ったりすることで、係ごとの特色を意識した活動ができるようになります。高学年では、係同士のコラボレーションを企画させることも係活動を活性化させる上で有効です。
企画した係から他の係に手伝いを依頼したり、企画した係への協力を提案したりして係同士のつながりを持たせることも、高学年では積極的に行いましょう。初めは、1つの係の企画に対して教師から他の係との関わりを持たせるように促すことも必要です。
⑥振り返り、見直す
活動中に課題が見つかることや、活動が停滞することもあります。係活動を振り返り、見直す時間をつくりましょう。そして、学級生活をよりよくすることを意識して子供たちが創意工夫をしつづけることができるようにしましょう。
高学年向きの係活動
アルバム係
休み時間の様子や学級活動の様子をカメラで写真に撮り、タイトルを考えたり、吹き出しをつけたりして学級のアルバムをつくって思い出を残していく。
映像制作係
学級のテレビ番組を考えたり、劇の台本をつくったりしたものを、映像にとって紹介する。タブレットPCなどを活用する。
学級情報係
学級のみんなにアンケートをとってランキングにまとめたり、グラフをつくったりして自分の学級の情報を発信していく。
イラスト/菅原清貴
『教育技術 小五小六』2020年10月号より