高学年の学級集会活動のポイント

学級会で話し合った集会活動の計画に基づいて、みんなで役割を分担し、協力して実践します。計画、準備、話合い、実践、振り返りまでの一連の学習過程を大切にし、より充実した活動になるようにします。

執筆/福岡県公立小学校教諭・中村雅司

高学年の学級集会活動

ねらいの明確化

「提案理由」や「めあて」について

子供たちが楽しむだけでなく、めざす学級像の具体化に向けた活動であることを意識できるようにします。準備、実行、振り返りまでの活動全体を見通して、「提案理由」や「めあて」を考えることができるようにします。

実践への期待感について

集会活動を通して、お互いのよさを生かし、信頼し、支え合う学級になっていくことを実感できるようにします。

活動の見通し

集会活動の計画、準備から振り返りまでの手順を次のように明確にしておきます。

  1. 話し合ったことをもとに活動計画を立てる。
  2. 活動計画に沿って活動に必要な係を設置する。
  3. 係の仕事を学級全員で分担する。
  4. 係に必要な用具を準備する。
  5. プログラムに沿って集会を行う。
  6. 活動の振り返りを行う

全員で役割分担

子供たち一人ひとりに何らかの形で、集会活動に貢献できるようにします。役割を果たすことで、責任感や満足感が得られることにつながります。

  • 集会活動ごとにリーダーを代えて交代で進めることで、できるだけ全員がリーダーを経験することができます。
  • 別の係と連携し、よりよい集会活動につなげることができます。
話し合う様子

指導のポイント

集会活動では学級集団への所属感や連帯感を高めることができます。誰もが役割を担い、一人ひとりが自分のよさを発揮し、友達のよさを認めることが大切です。

集会活動の指導

事前の活動

「何のために集会活動を行うのか」など、目標を明確にして、学級全体で共通理解を図ります。

学級会

「何を」「どのように」「どんな役割分担で」行うのかなどについて詳しい計画を立てます。

実践

学級全員で役割を分担し、みんなが楽しみ、仲が深まるような活動を行います。活動後は片付けを全員で行います。

振り返り

発達の段階を考慮し、活動計画に照らし合わせて、準備、話合い、集会活動などの全体について振り返りを行います。次の活動や学級生活の改善に生かすことができるようにします。

高学年の集会活動の例としては次のように例示します。

集会活動の例

お楽しみ会的な集会活動ゲーム集会
クイズ大会
学期頑張ったね集会
スポーツ的な集会活動 大繩跳びチャレンジ集会
学級オリンピック
文化的な集会活動学級音楽会
読書コンクール
新聞コンクール
劇の発表会

学期ごとに次のようなポイントを意識することで、よりよい集会活動につなげることができます。

1学期のポイント

  • 進級をお祝いするような集会を計画する。
  • 自己紹介や新しい友達と知り合ったりする場をつくる。
  • 多くの友達と関わる場を持つようにする。
  • 係は協力し、助け合って活動するようにする。
  • 年間を見通して、継続できる活動を考えることもできる。

2学期のポイント

  • 係のリーダーを多くの子供が経験できるようにする。
  • 自分の得意なことを生かせる係を分担したり、友達と相談しながら協力して取り組んだりする。
  • 集会後、自分の頑張りや友達のよかったところを振り返る場を設定する。
  • 実践意欲を高める教師の言葉かけを行う。
教師の言葉かけ

3学期のポイント

  • 一人ひとりの頑張りが学級生活の充実につながったことを意識させるために、自分や学級の成長を感じるような発表会的な集会が考えられる。
  • 1年間を振り返り、お互いに賞賛したり、感謝の気持ちを伝え合ったりする活動が考えられる。
集会

活動の振り返り

  • 自分たちで見通しを持って計画を立て、仲間と協力して実践する。
  • 学級の一員であることを意識して、学級みんなのために責任を持って行動する。
  • 全員が参加し、集会活動の内容を創意工夫する。

イラスト/菅原清貴

『教育技術 小五小六』2020年10月号より

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