「二学期の保護者会」準備と7つの工夫

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大阪府公立小学校教諭

岡本美穂

今年度の後半、円滑な学級運営を行うためにも、保護者との良好な関係づくりが大切。日々の取り組みを保護者に納得させる「保護者会」について、その準備と工夫を考えます。学校によっては、今年度、最初の保護者会を行う場合もあるはずです。そのとき、どのような準備を行い、どのように実施をしていけば、保護者の信頼が得られる保護者会になるのでしょうか。大阪府の小学校で担任をしている、岡本美穂先生に工夫の7つのポイントを聞きました。

執筆/大阪府公立小学校教諭・岡本美穂

「二学期の保護者会」準備と工夫

1 保護者会の意味を見直そう

今年に限って言えば、懇談会は行って、子供のことについて個別に話はするけれども、保護者会を行わないという学校もあるはずだと思います。もちろん、それは各地域や学校の状況によることでしょう。しかし、懇談会で一人ひとりの子供の状況について話したうえで、保護者会も開く場合には、なんのために保護者会を行うのかという意味を見直してみることが必要だろうと思います。

保護者会は学級の様子について直接自分の言葉で伝え、安心してもらう機会だと私は考えています。

個人の懇談会は、子供のことについてじっくりお話しをしているはずです。ですから、保護者会では学級の様子について伝えることが重要だということです。

自分は、こんなことを大事にしながら子供たちを育てていこうと考えています。そのために、こんな見通しをもって、こんなふうに取り組んできています。その結果、今、子供たちはこのように成長していますということを直接、先生の口で伝えることが大事です。

それによって、保護者の信頼を得ていくとともに、安心していただくわけです。

ですから、若い先生が万が一、今の学級の状態に自信がないとか、自分の口で伝えきれるかどうか心配だという場合には、学年の先生と相談をして、話す内容を決め、必要に応じて学年だよりを作って配付することなどで伝えてよいと思います。

学年の先生と相談

2 教室の環境を見直す

保護者会は子供たちの学級の様子を伝える場ですから、その場である教室がきちんとその意図に沿った状態になっているかどうか、この機会に見直すことが大切です。

担任の先生がどんな学級にしたいのかという意図は、学級の姿を見れば、他の学級の先生にもすぐ分かるものです。保護者は先生のような教育の専門家ではありませんが、それでも教室の様子から敏感に感じ取ります。

例えば、子供たちの作品の掲示が雑で剥がれかけているものがあるとか、子供によって掲示数に差があるといったことも、きっと目につくはずです。机やロッカーが整頓されていないとか、ゴミが落ちているといった初歩的なことは言うまでもありません。

そういう視点でもう一度、自分のクラスの教室環境を見直して、整理し直してみるとよいと思います。

ただし何かを取り繕うように、急に思いつきで新しい掲示を始めるようなことをしてみても大変ですし、保護者に見透かされてしまうものです。ですから今まで、自分が取り組んできたことを整理して見直すきっかけとする、という程度でよいと思います。

教室の環境を見直す

3 連絡帳で伝える

保護者は忙しいため、学級通信など紙で伝えるだけでは十分に伝わらず、学校に来られない方も少なくないかもしれません。

そこで日々の連絡帳などを通じて、「何日、何時より保護者会を行いますので、ぜひご参加ください」と伝えるのがよいと思います。

連絡帳で伝える

近年、保護者会の参加率が下がっているとも言われたりしますが、連絡帳のような、日々目にするものを活用すれば、参加してくださる保護者も増えるはずです。実際に私の学級では、「連絡帳で見たので来ました」という保護者もいました。

また保護者会当日に話す内容についても、先生から聞きたいことや保護者同士で話し合いたいことなどを事前に聞いておくと、当日の会に生かすことができます。

4 保護者同志をつなぐ機会にする

保護者会は、まず自分の考えを伝え、子供の様子を伝え、保護者に安心してもらうことが重要です。しかし同時に保護者の方にも、自己紹介をしてもらい、保護者同士をつなぐ機会にするとよいと思います。

例えば、自己紹介をしていただき、「誰々の親です」というだけでなく、何かひと言、言ってもらうのです。

それは「この学年になって、お子さんはどんな様子か教えてください」でもいいですし、「子供が今、はまっていること」でもいいですし、「保護者自身が今、はまっていること」でもいいと思います。

事前にいくつかパターンを用意しておいて、その場で保護者の様子を見てお話しをしてもらうと、保護者同士も互いを知ることができ、関係がつくりやすいと思います。そうした関係も安心につながるはずです。

もちろん「お話ししたいこと、困っていることをお話ししてください」と、言ってもいいと思います。

ただし、それは学級がうまくいっている場合に限ります。若手の先生で、学級経営に不安を感じている場合は、かえって場を難しくする危険性もあるので、注意が必要です。

あと、何か言いたいことを抱えている保護者もいらっしゃいますから、少し早めに懇談会を終わるようにして、「何かお話しがあれば、個別にお話しをしてください」と言うとよいでしょう。「みんなの前で話をすることにはプレッシャーがあって、話しにくい」という保護者もいるので、必ず残って話しをしに来られる方があるはずです。

5 授業体験(ICT)をしてもらう

保護者に安心してもらうための方法の一つとして、実際に子供たちが行っている学習(授業)を体験してもらうということがあります。特にGIGAスクール元年の今年度なら、電子端末を使った授業を体験してもらってみるとよいでしょう。

実際に子供たちが使っているノートパソコンやタブレット端末を使い、実際の授業などで子供たちがどのように使っているのかを体験してもらうのです。

もちろん、「もう参観日にタブレットを使った授業の様子を見てもらっています」という先生も少なくないかもしれません。

しかし、見るのと実際に体験するのとでは違いますから、この機会に体験してもらえば、それだけでも保護者は楽しいと思います。

私の地域もそうですが、家庭への持ち帰りが許可されていれば当然、活用のしかたや危険性について、保護者の方にも配慮してもらう必要があります。

だからこそ、実際に授業を体験し、どのように子供たちが使っているのかを体験してもらったうえで、お話しをするとよいでしょう。

もちろん家庭で使用するうえでは、各学校でルールが決められているはずです。しかし、今後、家庭での活用が増えていくと、多様な問題が生じて、新たなルールづくりが必要になる場合もあるでしょう。そのときに新たに協力をお願いするうえでも、この機会に体験をしてもらうことが必要だと思います。

授業体験(ICT)をしてもらう

6 子供の学校生活の様子を紹介する

もし余裕があれば、コロナ禍の中で日々、子供たちがどのように過ごしているのかを、動画で見てもらうことで、安心してもらうというのもよいと思います。例えば、給食の様子や掃除の様子、休み時間といった、普段の様子を見てもらうのです。

子供の学校生活の様子を紹介する

動画でもよいとは思いますが、編集が大変になって先生方の負担を増やしても意味がないので、日々の子供の姿を写真に撮ったものをスライドにして流す形で見てもらう程度でもよいと思います。

例えば、子供たちがしっかり前を向いて黙食している様子や黙々と掃除をしている様子など、あまり学級通信で紹介することはないと思います。

あるいは本校の場合、プール授業も行ったのですが、子供たちが黙ってやっている様子なども見てもらえるとよいでしょう。

それは、日々の子供たちのがんばる様子を知ることになりますし、安心につながることにもなります。特に中学年くらいになると、あまり学校のことをしゃべらなくなる子もいます。ですから、子供の姿を見て、先生の話を聞いて、ホッとされることでしょう。

7 感染予防策を説明する

この夏にコロナの感染者が非常に増え、心配をしている保護者も少なくないと思います。そこで具体的に、学校でこんな感染対策をしていますよということを、しっかりお伝えすることが大切です。

それは、先に紹介をした動画やスライドなどと併せて行ってもよいと思います。

子供たちは日々、本当にルールをしっかり守って感染対策を行っています。それを知ってもらうことは何よりの安心につながるものだと思います。

感染予防策を説明する

取材・文/矢ノ浦勝之 イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2021年10/11月号より

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