小4社会「郷土の発展に尽くす」(見沼代用水の開発)指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校主幹教諭・小髙正治
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
目次
目標
当時の世の中の課題や人々の願いなどに着目して、見学・調査したり地図などの資料で調べたりして、年表などにまとめ、地域の発展に尽くした先人の具体的事例を捉え、先人の働きを考え、表現することを通して、地域の発展に尽くした先人は、さまざまな苦心や努力により、当時の人々の生活の向上に貢献したことを理解できるようにする。
学習の流れ(10時間扱い)
問題をつくる(2時間)
○ 当時の人々のくらしや願い、60㎞にもわたる見沼代用水が造られた事実を関連付けて話し合い、学習問題をつくる。
<学習問題>
井沢弥惣兵衛は、どのようにして、見沼代用水を造ったのだろうか。
追究する(6時間)
○ 井沢弥惣兵衛の業績について調べる。
○ 用水の工事の様子について調べる。
○ 見沼田んぼの開発によって、当時の人々の生活の変化について調べる。
まとめる(2時間)
○ 地域の人々の願いや工夫、地域のよりよい発展について話し合い、学習問題に対する自分の考えをまとめ、話し合う。
導入の工夫
利根川からさいたま市見沼までの約60㎞にわたる用水を井沢弥惣兵衛が造ったことに焦点を当て、疑問に思ったことを話し合うようにします。
第1時: 見沼代用水の流れを白地図に着色し、用水の長さを捉える。見沼代用水の開発により、見沼ため井が見沼田んぼに変わったことに気付く。当時の人々の生活の様子や願いについて知る。
第2時: 見沼代用水を井沢弥惣兵衛が中心に開発したことを知り、疑問に思ったことを話し合い、学習問題をつくる。
見沼代用水は、利根川からさいたま市見沼までの約60㎞にもわたって造られた用水(農業のために造られた人工の川)なんだね。
井沢弥惣兵衛さんが中心となって、機械のない時代に見沼代用水を造りました。疑問に思ったことはありませんか。
どうやって造ったのかな。どれくらいの時間かかったのかな。
どんな道具を使ったのかな。
問題をつくる(1、2/10時間)
見沼代用水の流れを白地図に着色し、井沢弥惣兵衛が開発した用水の長さを捉え、疑問に思ったことを話し合い、学習問題をつくります。
学習問題
井沢弥惣兵衛は、どのようにして、見沼代用水を造ったのだろうか。
学習問題に対する予想をしてみましょう。
<どのようにして>
・人々で分担して造った。
・交代で造った。
・みんなの道具を集めて造った。などなど
調べる(5/10時間)
見沼代用水の工事の様子について、実物資料やゲストティーチャーを活用し調べます。
対話的な学びの工夫
見沼代用水の工事の様子について、子供が問いをもって「実物資料」や「ゲストティーチャー」を活用して調べられるように、問いを明確にしたり、時間と場を設定したりします。
用水の工事はどのように行われたのでしょうか。
イラスト/横井智美、佐藤雅枝
『教育技術 小三小四』2020年11月号より