小6算数の授業づくり「立体の体積」編【動画】
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【トモ先生の算数チャンネル】第12回
小学校の算数の授業づくりをお手伝いする『トモ先生の算数チャンネル』。今回は、6年生の「立体の体積」編です。つまずきやすい円柱・三角柱・四角柱も、ココさえ押さえれば大丈夫! トモ先生こと髙橋朋彦先生が、学習指導要領に基づいた授業のポイントを解説します。
このシリーズでは、小学校高学年の算数を専門とする髙橋朋彦先生が、小ネタや道具に頼らずに、基本を大切にした質の高い授業づくりができるアイデアをお届けしていきます。
目次
縦×横×高さ⇒「底面積×高さ」と捉え直す!
今回は、6年生の「立体の体積」です。
学習指導要領にはこのように書かれています。
ア 知識及び技能
(ア)角柱及び円柱の体積の求め方角柱、円柱の体積については、第5学年で指導した立方体、直方体の場合の体積の求め方を基にして、これらの立体の体積も計算によって求めることができることを理解することが大切である。
小学校学習指導要領解説 算数編(H29年7月告示)より
直方体の体積は、一辺が1cmの立方体を基にして(縦)×(横)×(高さ)で求めてきたが、ここでは、(底面積)×(高さ)と捉え直していく。
そのことを基にして、角柱や円柱の体積は、(底面積)×(高さ)で求めることができることを理解できるようにする。
ここでキーワードとなるのが、底面積×高さです。
![底面積×高さ](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/08fb142bd92502f5b0506bc02aaeda52-1024x573.jpg)
5年生の頃には、立方体や直方体を使って、「縦×横×高さ」で立体の体積を求めていました。
これが子供たちには難しくて、どれが縦だっけ、どれが横だっけ、とこんがらがってしまうことがあります。
![どれが縦!? どれが横!?](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/ec12147a144e276c50284b1123f3b021-1024x573.jpg)
確かに平面図で見る斜めの線は縦っぽくないですよね。
だから子供たちは迷ってしまうのですが、5年生では、「縦×横×高さだよ」と子供たちに定着させてきました。
しかし、6年生では、縦×横としていた部分を底面積と捉え直して考えていきます。
キーワードは「底面はどこ? 高さはどこ?」
では、なぜ、「底面積×高さ」なのでしょうか?
それは、いつでも使える方法だからです!
5年生のときに学習した「縦×横×高さ」は、直方体や立方体だったからできたのです。
立方体は一辺×一辺×一辺でわかりやすいですが、円柱・三角柱・四角柱の場合は、どれが縦で、どれが横か、というのが簡単にわかりません。
そこで、底面積×高さと捉え直すと、いつでも使うことができます。
そのときのキーワードは、「底面はどこ? 高さはどこ?」です!
![今回のキーワード:底面はどこ? 高さはどこ?](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/53cc74867d2acddd8077cb30493795b7-1024x573.jpg)
子供は底面がどこか、よくわからなくなってしまうので、常に底面はどこかを意識させ、次に高さを意識させます。
つまり、底面と高さをセットで考えさせるのです。
授業の進め方:円柱・三角柱・四角柱
では、図を例にして見ていきましょう。
円柱の場合
![円柱の底面](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/0a1e183c2c60f88da442cce3fc0cae0d-1024x574.jpg)
「底面の形はなに?」
「円!」
「円の面積の求め方はどうするんだっけ?」
「半径×半径×3.14」
「そうだね。高さはどこ?」
「ここ!」
![円柱の高さ](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/696992f88257f7c85e540fb517986f07-1024x575.jpg)
このようにして、底面と高さを意識させていきます。
三角柱の場合
![三角柱の底面](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/9e3343070178a596e1cad728ef05896f-1024x574.jpg)
円柱の場合と同様に、
「底面はどこ?」
「三角形の面積は?」
「底辺×高さ÷2、そうだね!」
「高さはどこ?」
⋯というようにして、これも「底面積×高さだね」と進めていきます。
四角柱の場合
![四角柱の底面](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/4d7731ea117e82077c169ac7a09ff6b9-1024x571.jpg)
四角柱も同じです。
「底面はどこ?」
「四角形の面積の求め方ってどうするんだっけ?」
「え、わからない」
「四角形は半分に切って三角形二つ分だね」
と、わからない部分があれば、補足や復習をしながら、
「よし、ではそれに高さをかけてみよう!」
というようにして、「底面積×高さ」で体積を求めていきます。
![](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/c8ff8a0eb1d7b93857f9ad7f3a150dbb-1024x574.jpg)
子供がつまずく「倒れた立体」
そして、意外とつまずくのが、下の図のような形です。
図が倒れた瞬間に高さがどこかわからなくなってしまうのです!
![倒れた三角柱](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/49257831754b400d0e89b432bfd22277-1024x574.jpg)
三角柱の場合は、この図のピンク色の部分を底面と捉えてしまって、
「底面積は長方形で計算できるけれど、高さが三角形だからわからない。どうやって計算するんだろう?」
と悩んでしまいます。
なので、この三角柱を立てる、という操作をしなければなりません。
![立てる!](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/a1dcd2ac23bb18919a666cb440ed562b-1024x573.jpg)
ところが、図を立てるという発想は、頭の中だけでは難しいので、教科書を回転させたり実物を見せたりして、倒れている三角柱・円柱・四角柱を立てた形を見せてあげることが大切です。
![教科書を動かしたり](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/fde7313a2e9dd61117e3c3f0f9886185-1024x574.jpg)
そうすると、底面積が三角形、高さはここ、円柱の場合は立てると底面が円、高さはここ、とわかります。
このようにして、底面積×高さを意識させていきます。
まとめ
ということで、6年生の「立体の体積」の授業づくりでは、
底面はどこ? 高さはどこ?
をキーワードにして、底面積×高さを意識させていくことがポイントです!
![底面積×高さを意識させていく!](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2021/08/a850889f83374d0c9d4a66d03f9c8209-1024x573.jpg)
子供たちがつまずきやすい円柱や角柱の体積も、「底面」と「高さ」を意識することで既習の学習とつながり、悩みの壁が突破できますね! 子供たちに定着するまでキーワードを繰り返し、捉え方を身に付けられれば、みんなが得意な単元にもできそうです。
6年生算数の授業づくりはこちらもチェック!
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●Part1『主体的な学び』編 ⇒ 学習指導要領のポイント①『主体的な学び』は5ステップ!
●Part2『対話的な学び』編 ⇒ 学習指導要領のポイント②『対話的な学び』のポイントは3つ!
●Part3『深い学び』編 ⇒ 学習指導要領のポイント③『深い学び』のキーワードはコレ!
![髙橋朋彦先生](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2020/08/69e68371cd3693364f9116f7190eaf10-1.jpg)
髙橋朋彦●1983年千葉県生まれ。第55回わたしの教育記録特別賞を受賞。教育サークル「スイッチオン」「バラスーシ研究会」に所属。共著に『授業の腕をあげるちょこっとスキル』『学級づくりに自信がもてるちょこっとスキル』(共に、明治図書出版)がある。算数と学級経営を中心に研究中。
Twitterアカウントは @tomotomoteacher https://twitter.com/tomotomoteacher
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