小3算数の授業づくり「あまりのあるわり算」編【動画】

【トモ先生の算数チャンネル】第11回
小学校の算数の授業づくりをお手伝いする『トモ先生の算数チャンネル』。学習指導要領に基づいた指導アイデアシリーズ、今回は、3年生の「あまりのあるわり算」編です。
このシリーズでは、小学校高学年の算数を専門とする髙橋朋彦先生が、小ネタや道具に頼らずに、基本を大切にした質の高い授業づくりができるアイデアをお届けしていきます。
目次
最初は『包含除』で「まとまり」をイメージしよう!
小学校3年生のわり算について、学習指導要領には、以下のように書かれています。
ア 知識及び技能
(ア)除法が用いられる場合とその意味除法が用いられる具体的な場合として、大別すると次の二つがある。
小学校学習指導要領解説 算数編(H29年7月告示)より
一つは、ある数量がもう一方の数量の幾つ分であるかを求める場合で、包含除と呼ばれるものである。
他の一つは、ある数量を等分したときにできる一つ分の大きさを求める場合で、等分除と呼ばれるものである。
最初のうちは、包含除から学習を進める場合が多いです。
それは、幾つ分、つまり「まとまり」で考えることで、わり算のイメージがしやすいからです。

たとえば、教科書にこのような問題があります。
13個のあめを1袋に3個ずつ入れていきます。何袋できて何個あまりますか。
式にすると、13÷3です。
ここで、「なぜ13÷3になるのか?」ということを理解しなければならないのですが、式をイメージで把握させる指導を、私たち教師は忘れがちです。
そこでオススメは、図やブロックを使ってイメージさせる方法です。
図の活用法

13個のあめがあり、3個ずつに分ける⋯といって図を丸で囲んでいきます。これで、3個ずつ分ける、というイメージができます。
すると、1個あまるので、「13÷3=4 あまり1」になります。
「この『4』て、どういうことだろう?」というのは、「3個入りの袋が4つだね」と、式を図と結びつけながらイメージさせていきます。
ブロックの活用法

教科書では、ブロックの絵を使っていることもあります。
ブロックは並べやすいので、「まとまり」で考えやすいです。
ブロックを並べ替えると、13÷3は、「3のまとまりが4つあり、1つあまる」ということがわかります。
単元の最初は、教師用のブロックを用意して黒板に貼りながら説明するのもよいと思います。
ブロックは、1、2年生で使うので、「えー! 今さらブロック!?」と思うかもしれませんが、単元の最初は具体物や半具体物を使い、黒板で教師が操作する様子を見せながら「まとまり」を意識させていくことが大事です。

そして、包含除の考え方が意識できるようになったあと、教科書では等分除の問題も出てくるので、同じように図などを使っていくとよいでしょう。
「まとまり」が意識できると、かけ算をもとに確かめ算ができる!

このように「まとまり」を考えさせると、確かめ算もしやすいです。
この場合は、
(3のまとまりが4つ分だから)3×4=12
(あまりの1を足して)12+1=13
⇒(13÷3の『13』だから)合っている!
と考えることができます。