小4社会「伝統文化を今に伝える埼玉県」指導アイデア
執筆/埼玉県川口市教育委員会生涯学習課副主幹・佐野純也
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
目次
目標
秩父夜祭について、歴史的背景や現在に至る経過、保存や継承のための取組などに着目して調べ、人々の願いや努力を考え表現することを通して、秩父夜祭は地域の人々が受け継いできたことや、人々の願いが込められていることを理解できるようにするとともに、地域社会の一員として自分にできることを考える態度を養う。
学習の流れ(10時間扱い)
問題をつくる(2時間)
○県内に残る文化財や年中行事について調べる。
○秩父夜祭の過去と現在の様子について話し合い、学習問題をつくり、予想し、学習計画を立てる。
<学習問題>
秩父夜祭は、だれが、どのようにして続けてきたのだろう。
追究する(5時間)
○歴史的背景や現在に至る経過について調べる。
○保存や継承のための取組について調べる。
○祭りに関わる人々の願いについて調べる。
まとめる・生かす(3時間)
○これまでの学習を年表にまとめ、学習問題の結論を導き出す。
○地域の祭りについて調べ、文化財や年中行事の保存や継承のために自分たちにできることを考える。
導入の工夫
昔と今の祭りの様子を比べることで、秩父夜祭が何年も続いていることに気付かせ、伝統文化について関心を高められるようにします。
第1時:県内に残る文化財や年中行事について調べるとともに、秩父夜祭に関心をもつ。
第2時:秩父夜祭の過去と現在の様子を比べて話し合い、学習問題をつくる。
2枚の写真を比べて、どのようなことに気付きますか。
今も昔も大勢の人でにぎわっているね。
どちらにも大きな山車が写っているよ。
ほとんど変わっていないように見えるな。
ずっと大切にされてきているのだと思うよ。
疑問に思ったことを話し合い、学習問題をつくりましょう。
300年前から同じように続いているのかな。
どのような人たちが続けているのかな。
どうして続けているのかな。
続けていくために、どんなことに取り組んでいるのかな。
問題をつくる(1、2/10時間)
秩父夜祭について、来場者数や年数、日本三大曳山祭や文化遺産としての価値などを調べることで問題意識を高め、学習問題をつくります。
学習問題
秩父夜祭は、だれが、どのようにして続けてきたのだろう。
まとめる・生かす(8・9・10 /10時間)
秩父夜祭について調べたことを年表にまとめる。また、文化財や年中行事を保存・継承するために自分たちにできることを選択・判断します。
選択・判断の工夫
イラスト/横井智美、佐藤雅枝
『教育技術 小三小四』2020年10月号より