一人ひとりがキラキラリーダーに!中学年のトリセツ
心や体が大きく変化し、ギャングエイジとも呼ばれる時期真っ只中の中学年。 そんな中学年の子供たちの特徴や、子供たち同志の交流が活発化するアイデアを紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・佐々木陽子
目次
中学年の特徴
ギャングエイジとも呼ばれる時期です。低学年の頃は、何かと担任に頼ることが多かったのに、担任や保護者よりも友達を大切にする傾向が表れます。友達付き合いも増えて行動的になっていきます。
行動範囲を広げていくことや、自分の主張が強くなっていくことは成長の証ではありますが、誤った方向に突き進んでいくこともあります。手は離しても目は離さず、しっかり見守りながら指導をしていくことが大切です。
また、身体の発達に個人差、男女差が表れ、少しずつ大人の階段を登り始めるのもこの時期。
特に、心や体が大きく変化してくるので、子供によっては悩みや心配事などが増えてきます。保護者とも連携を図り、子供の成長を支えていくことが大事です。担任が常にアンテナを張り、情報を共有しながら対応していきましょう。
誰もがキラキラリーダー!
素直になんでもやりたがる中学年では、キラキラ輝くリーダーを育てることを意識しましょう。学年や学級、少人数グループなど、あらゆる集合体の中で、誰でもリーダーになれる温かな雰囲気の学級経営をしていきたいものです。
学級には、言われなくてもリーダーになりたい子もいれば、おとなしい性格でみんなの中心になって活動することが苦手な子もいます。
誰もがリーダーシップを発揮できるようにするためにも、リーダーを体験する活動や、学習面や生活面において子供たちが交流しやすい場の設定や工夫をしましょう。植物を育てていくことに似ていますが、水や肥やしをあげて地道にリーダーの花を育てていくのです。
中学年でリーダーとして活躍した経験は、高学年で必ず生きてきます。この時期に、やりたいことにどんどん挑戦させてあげましょう。
「キラキラリーダー大集合!」
いつでもどこでも自分がなりたいリーダーになることができます。朝の会や帰りの会にリーダー宣言をして活動をスタートします。仲間も募集できるので、活動が楽しくなります。係活動と似ていますが、「〇〇リーダー」の「〇〇」に入る活動は自分たちで考えることになります。やりたいことを各自が考えて計画し、実行します。始めるときも辞めるときも自分次第です。
- お掃除リーダー「掃除の時間だけでなく、5分休憩などに床に落ちたゴミを拾う」
- お笑いリーダー「明るいクラスを目指して考えたお笑いをみんなに披露する」
- 遊びの企画リーダー「昼休みにクラス全員で遊ぶ企画を考える」
- あいさつリーダー「元気のよいあいさつを率先して行う」
- 読書リーダー「本棚の整理整頓をしたり、お薦めの本を紹介する」
- 音楽リーダー「お気に入りの歌を歌って披露する」
など、どんなリーダーがあるとよいか、子供たちに投げかけるとおもしろいリーダーが出てきます。クラスで自分の得意分野を生かしたり、一緒に楽しむ友達を募ったりすることは、充実した学校生活を送るうえで大事な要素です。
子供たちを交流させる工夫
学習面での工夫
どの教科もみんなの思いや考えをスムーズに伝え合うことができる工夫をしておきます。
⑴ホワイトボードの活用
意見を書いたり、消したりして共有できるよう、ホワイトボードなどを準備します。
⑵教科ごとにチームをつくる
チームで座席をつくり、交流を深めます。
⑶ワークシートの活用
友達の意見や考えを交流させるワークシートの工夫をします。ワークシートの中に自分や友達の考えを書くスペースを確保します。
生活面での工夫
子供たちが主体的に活動できる教室環境を整えておきましょう。
⑴遊びや教材の共有コーナーをつくる
子供たちが自由に使える遊びや教材用具のコーナーを準備します。
⑵記録メモの活用
当番や係で話合いができる、記録メモを用意。壁にメモをかけておくと使いやすいでしょう。
⑶伝達コーナーの活用
みんなの考えやお知らせを伝達できる場を設けます。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年4/5月号より