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化学って何だ?小6ラスト、カードゲームで中学の理科に触れる授業

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多くの小学校では、カリキュラムを終えた卒業の時期に、中学の勉強を体験する取り組みを行います。 東京都小金井市立前原小学校6年1組では、中学の理科がどのようなものかを体験する授業が行われました。今回は、その授業の模様をレポートします。

カードゲームで中学の理科を先取り

6年のうちに中学の勉強に触れさせたい

蓑手章吾教諭
蓑手章吾教諭

6年1組担任の蓑手章吾教諭は、「元素」をテーマにしたカードゲームを使った化学の授業をゲストティーチャーを呼んで行うことにしました。そのねらいをこう話します。

「卒業前のこの時期には、中学校との接続を考えた授業を行っています。小学生が中学校に入学して感じるハードルの1つは勉強が難しくなることです。遊びを取り入れて中学の勉強に触れることによって、そのハードルを低くすることができればと考えました」

中学の勉強にアクセスするものはないかと探していたときに出合ったのが、「元素」をテーマにした「アトモン」というカードゲームです。店頭で購入し、実際に自分で遊んでみたら「おもしろい!」と思い、学級の子供たちにやってもらうことにしたというわけです。このカードゲームを製作している会社が出張授業を行っていると知り、ゲストティーチャーとして同社の森本佑紀さんに授業を行ってもらうことになりました。

アトモン

アトモンとは……化学を学べるバトルカードゲーム。この世界をつくっている目には見えない存在=元素を目に見えるようにキャラクター化し、元素同士を合体させて化合物をつくっていく。 原子量や分子量が戦闘力となるなどバトル要素を盛り込んでいる。 (発売:tanQ株式会社

身の回りの化学を知ろう

ゲストティーチャーのtanQ社・森本佑紀さん(左)を紹介する蓑手先生。
ゲストティーチャーのtanQ社・森本佑紀さん(左)を紹介する蓑手先生。

森本佑紀さんプロフィール
ニックネームはモリソン。神戸大学経営学部卒業。広告会社勤務の後、2014年にtanQ株式会社を創業。子供のおもちゃになるのが得意。全国を回り、毎年1000人以上の子供たちに、伝道師”モリソン”として、遊びを学びに変える”tanQ”を届けている。

ゲストティーチャーの森本さんは、「私は化学や歴史をゲームにするのを仕事にしています。モリソンと呼んでください!」 と自己紹介した後、授業に入りました。

授業は化学への興味喚起につながるクイズから始まりました。

森本さん「一番最初に空を飛んだのは、飛行機ではないことを知っていますか?」

子供たち「えーっ」

森本さん「答えは気球。気球や飛行船はヘリウムガスや水素ガスを入れることで飛びますね。当時の飛行機のプロペラ機はよく墜落したので、飛行船のほうが活躍しました。ちなみに化学では、ヘリウムはHe、水素はHで表します。ただし、水素には引火しやすい性質があります。」

ここで、水素を充填したビニル袋を火に近づけると爆発する動画を紹介。飛行船が爆発する事故が起きたことにより、飛行船での旅行は廃れていったと説明しました。

次は、子供たちが着ている服に注目させました。

森本さん「みんなが着ている服は何でできているかな?」

子供たち「ポリエステル100%って書いてある」

ポリエステルの原料はポリエチレンで、化学式は(C2H4)nであることを示しました。

さらに、「入浴剤ロケット」の実験動画を紹介しました。フィルムケースの中に発泡入浴剤と水を入れてふたを閉め、すぐにふたを下にして置くと、炭酸がフィルムケースの中に充満して、フィルムケースがロケットのように飛んでいくというものです。スライドでバブロケットの化学式2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2を見せ、現象を化学式で表すことができ、CO2(二酸化炭素)が発生することを示しました。

ここまでの導入で、子供たちは身の回りにあるものはすべて元素の合体や化学式で表すことができることを学びました。

化学を学べるカードゲームで遊ぶ

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