小5理科「植物の発芽と成長」指導アイデア

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執筆/福岡県公立小学校教諭・鈴木寛人
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、福岡県公立小学校校長・古澤律子

小5理科「植物の発芽と成長」指導アイデア
写真AC

単元のねらい

植物の育ち方について、発芽、成長の様子に着目して、それらに関わる条件を制御しながら、植物の育ち方を調べることを通して、植物の発芽、成長とその条件についての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に予想や仮説を基に、解決の方法を発想する力や生命を尊重する態度、主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ(三次 総時数11時間)

第一次 発芽の条件(5時間)

① 植物の発芽
② 発芽の条件(水)

水、空気、温度の3つの条件を同時に行うことも可能ですが、解決の方法を発想する際必要な「条件制御」について学ぶ5年生最初の単元なので、まずは、「水」の条件だけに着目し、丁寧に調べるようにします。

③④ その他の条件(空気・温度)

種子の発芽に水が必要かどうか調べるための実験を想起させ、実験を行うときには、調べる条件を1つだけ変えて、それ以外の条件を同じにすることが大切であることを確認します。さらに、そのことを踏まえて、種子の発芽に「空気」や「温度」が関係しているかを調べる実験方法を考えることができるようにします。

⑤ 結果と考察

種子の発芽に必要な条件を調べる

第二次 発芽と養分(2時間)

①② 発芽に必要な養分

第三次 植物の成長の条件(4時間)

① 成長の条件(日光・肥料)

植物の成長の条件を調べる際に、たくさんの苗が必要なので、事前に種子を多めに準備し、発芽させておくとよいでしょう。

② 結果と考察
③ 発芽と成長のまとめ
④ 学んだことを生かそう

植物の成長の条件を調べる

単元の導入

これは、去年の秋にとれた〇〇の種子です。どうして、冬の間はずっと芽が出なかったのに、春になると、発芽するのでしょう。
これまでに、種子を植えたときのことを思い出してみましょう。
過去には、2000年も前の種子が発芽したという例もあります。どの植物にも共通して言えることは何でしょう。

春になったら発芽したということは、温かさが関係あるのかな?

種をまいた後に水やりをするから、水も必要だと思うよ。

【空気に関係しているという意見が出ない時】

それでは、みんなが出した条件がそろえば、例えば,(空気がない)月でも種子は発芽するということかな?

活動アイデア

前時で、これまでに種子を発芽させた経験を想起することで、発芽の条件(根拠のある予想)を子供から引き出します。そのうえで、まずは「水」の条件に絞って考えることで、変える条件と変えない条件を区別し、条件を制御しながら解決の方法を発想する力を育成しましょう。

授業の展開例 発芽の条件(水)

自然事象への関わり

問題
種子が発芽するために、水は必要だろうか。

予想

種子が発芽するのに、「水」は必要だと思う。なぜなら、種子を植えた後、必ず水やりをしていたから。

これまでの種子を発芽させた経験を想起させると、共通していたこととして、土に植え、水やりをしていたことが挙げられます。

解決方法の立案

変える条件は、「水」だから、水をあげる種子と水をあげない種子の2つを準備したらいいよね。

水に浸した種子(空気なし)とそのまま置いた種子(空気あり)

実験方法はこれでいいかな。

でも、これだとⒶは、水があって空気がないし、Ⓑは水がなくて、空気があるから、2つの条件が変わってしまいます。

単元導入時に、必要な条件について十分に話し合いましょう。「土」にこだわる子供がいるようなら、「水」の実験後に行うことを確認しておきます。

観察、実験

湿らせた脱脂綿の上に置いた種子と、乾いた脱脂綿の上に置いた種子

Ⓒは湿らせた脱脂綿の上に種子を置いて、Ⓓは乾いた脱脂綿の上に置いているから、これだと「水」以外の条件は同じになるのではないかな。

実験方法を考える際に大切なことは、調べる条件を1つだけ(この場合は水だけ)変えて、それ以外の条件を同じにすることです。それを視点に実験方法を見直すようにしましょう。

結果

実験結果一覧

発芽の条件がそろっていても個体差や発芽率などの問題もあり、すべての班の結果が同じになるとは限りません。そこで、自分の班の結果だけでなく、できるだけ多くのデータから判断できるようにするため、各グループのデータを一覧掲示し、より妥当な考えへと導いていくようにしましょう。

考察
予想通り、種子の発芽に、「水」は必要だった。でも、土も必要だと思っていたけど、土はなくても発芽することがわかった。

「水あり」の中にも発芽する種子としない種子がある。しかし、「水なし」で発芽する種子はないため、少なくとも発芽するには、必ず水が必要なことがわかります。

結論
種子が発芽するためには、水が必要である。


イラスト/佐藤雅枝、横井智美

『教育技術 小五小六』2020年6月号より

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