小4理科「天気と気温」指導アイデア
執筆/埼玉大学教育学部附属小学校教諭・関根達也
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、埼玉県公立小学校校長・引間和彦
目次
単元のねらい
気温に着目して、天気の様子と関係付けて、天気の様子を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ(一次 総時数5時間)
一次 1日の気温と天気(1日の気温の変化)(5時間)
① 1日の気温の変化のしかたについて話し合う。(1時間)
「晴れの日には、時間が経つにつれて気温が変化しているのではないか」という問題意識をもって、自分の生活経験を基に気温の変化のしかたを予想できるようにします。そのために、晴れた2日間の写真を用意して問題意識を高めます。(導入時に写真提示)
② 1日の気温の変わり方についての予想を立て、実験の計画を立てる。(1時間)
③④ 温度計を使って、気温(晴れの日、雨の日、曇りの日)を測定する。(2時間)
⑤ 観察した記録を基に、気温の変化のしかたを折れ線グラフに表して変化のしかたをまとめる。(1時間)
観測する期間を1週間として記録を増やすことで、結果を整理するときに、天気ごとの傾向が捉えやすくなります。
晴れと言っても雲も出ていることがありますよね。空の様子が分かるようにするためにはどうすればよいかな?
タブレットなどで写真を撮っておくと、空の様子も分かりやすくなると思います。
単元の導入
単元の導入までにしておくこと
□棒温度計の数
□児童用の記録カード
□折れ線グラフの用紙(算数での学習を確認しながら)
□記録温度計や百葉箱(使い方を確認しておきましょう)
子供に気温を調べる必要感を!

日中は半袖だね。
同じ晴れの日なのに、時間帯によって服装が違うよ。 どうして、半袖になったのかな?
午後になると暑くなるからだと思うよ。時間が経つと、気温が上がっているのかな。
1日の気温の変わり方を調べよう!
活動アイデア
~資質・能力の育成をめざして~
1日の気温の変化を調べるために、温度計を使います。温度計の読み取り方や観測時の注意点などの指導を大事にすることで、観察、実験を正確に行う意識を高めましょう。気温を調べるときに、調べた時刻と気温だけでなく、空の様子を写真に撮っておくことで、気温の変化の仕方を雲や太陽など空の様子と関係付けて考えることができるようになります。
授業の展開例 天気と気温 第⼀次 2〜5時
【問題】
天気によって1日の気温の変わり方には、どのような違いがあるのだろうか。
【観測の結果】

晴れの日は気温がどんどん上がっているね。
晴れの日の気温の変化を表したグラフは、山のような形になっているね。
曇りや雨の日は、あまり気温は上がらないね。
単元デザインのポイント
観測について、子供自ら調べることで実感を伴った理解をすることができます。また、連続して気温を測るために、記録温度計を活用することもできます。

複数の観測記録から、気温の変化の仕方とそのときの天気に着目し、晴れや雨、曇りの日の気温の変化の仕方が捉えられるようにします。

算数で学習した折れ線グラフを基に気温の変化の大きさを読み取ります。折れ線グラフに表すよさを感じられるようにしましょう。他教科と連携を図ることができます。
【考察】
晴れの日は、だんだんと気温が上がり、午後からだんだん気温が下がっていく。曇りや雨の日の気温は時間が経ってもあまり変わらない。
【結論】
1日の気温は、朝と夕方が低く、日中が高いことが多い。晴れの日の気温の変化は大きく、曇りや雨の日は変化が小さい。
【獲得した知識の活用場面】
提示されたグラフ(1日のなかで気温が不規則に変化したもの)について、どんな天気だったのか説明する。

どんな天気だったか分かりますか?
あれ? 午前中は気温が上がっているけど、お昼前から少し下がって、また上がっているよ。
はじめは晴れていたけど、お昼に雨が降って、午後からまた晴れたと思うよ。
イラスト/たなかあさこ、横井智美
『教育技術 小三小四』2020年4/5月号より