小3理科「植物を調べよう」指導アイデア
執筆/埼玉大学教育学部附属小学校教諭・塩盛秀雄
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、埼玉県公立小学校校長・引間和彦
目次
単元のねらい
身の回りの生物について、探したり育てたりする中で、これらの様子や周辺の環境、成長の過程や体のつくりに着目して、それらを比較しながら、生物と環境とのかかわり、植物の成長のきまりや体のつくりを調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見いだす力や生物を愛護する態度、主体的に問題解決しようとする態度を育成する。
単元の流れ(四次 総時数8時間)
一次 たねをまこう(3時間)
①② たねの観察とたねまき
③ めが出たあとのようす
二次 どれくらい育ったかな(2時間)
① 植物の育ち方
② 植物のからだのつくり
三次 花がさいたよ(1時間)
① 花のようす
四次 実ができたよ(2時間)
① 実のようす
② 植物の育ち方
単元デザインのポイント
目的をもった観察をする
植物の種子と成長して花を咲かせた姿を比べることで、どのように成長するのかという問題意識を高め、学習の見通しをもてるようにします。
また、継続して観察を進める中で、いつでも観察カードを書けるように用意したり、クリアファイルやクリアフォルダーに挟んでつないで見られるようにしたりすることで、変化を実感できるようにするのもよいでしょう。
一人ひとりが育てる
自分が決めた植物の種子をまき、育てていくことで、植物の成長のきまりや体のつくりを調べるだけでなく、水やりなどの日々の栽培活動を通して、枯れずに大きく成長する様子を喜ぶような、生物を愛護する態度を涵養できるようにします。
単元の導入
前単元(しぜんかんさつをしよう)で確実に!
虫めがねの使い方
① 絶対に太陽を見ない。
② 見たい物を動かす。
③ 動かせない場合は虫めがねを目に近付けたまま、見たい物に近付いたり遠ざかったりする。
観察カードのかき方
色・形・大きさ・見付けた場所を書く。図鑑の調べ方も指導するとよいでしょう。
同じ物を観察しよう!
「観察はよく見ることから」
観察したあとにそれぞれの記録を見比べると、同じ物を見たはずなのに、描かれている様子が違っていることがよくあります。
そんなときは改めて同じ物を指定してみんなで観察することで、観察のしかたに着目して活動に取り組むことができるようにします。
活動アイデア
~資質・能力の育成をめざして~
さまざまな種類の種子を観察し、育てたい種子を選ぶようにすることで、それぞれの種子がその後どのように成長していくのか考えることへつなげます。種子から花が咲く姿までをつなぎ、さまざまな植物がどのように成長するのかを考えることで、今後、観察する中で気を付けることを決めていくことができ、生物を愛護する態度や主体的に問題解決しようとする態度といった資質・能力を育成しましょう。
授業の展開例
イラスト/たなかあさこ、横井智美
『教育技術 小三小四』2020年4/5月号より