小6国語「君たちに伝えたいこと」「春に」指導アイデア

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教材名:「君たちに伝えたいこと」「春に」 東京書籍

指導事項:C読むこと オ、カ
言語活動:イ

執筆/千葉大学教育学部附属小学校教諭・宮本美弥子
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈 千葉大学教育学部附属小学校副校長・大木圭

小6国語「君たちに伝えたいこと」「春に」指導アイデアのイメージイラスト

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元は、二つのテキストを読むことを通して、自分の思いや考えを深めることをねらった単元です。今回は、医師の故日野原重明さん、詩人の谷川俊太郎さんの文章をテキストに用います。

言葉のもつ力や筆者のメッセージを受け取り、理解したことを自分の考え方と照らし合わせたり、言葉にならなかった自分の思いをテキストを読むことで理解したりする資質・能力を育てます。

②言語活動とその特徴

「君たちに伝えたいこと」では、時間を人のために使うことやその意義、また、どんな自分も大切な自分であることが述べられています。「春に」では、節目の時期に感じる高揚感や不安感・孤独感などが綴られています。二つのテキストを今の自分と重ね合わせながら読んでいきます。

その後、今の自分となりたい自分を見つめ、未来の自分へ手紙を書く活動を言語活動として設定します。文章にする前に、自分を取り巻く時間・人に視点を当ててイメージ図を描き、人のためにどんなことをしたいかを考えていきます。

自分が大切にしたい思いや人を明確にすることにより、これからの自分に思いを馳せ、自分の生き方について考えを深める姿を目指します。

単元の展開(5時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①教師が作った言語活動の見本を見て、これからの学習の見通しをもつ。
・教師自身の未来の自分への手紙を見本として作っておき、学習のゴールの具体を示す。

【学習課題】未来の自分へ手紙を書こう

○教材文「君たちに伝えたいこと」「春に」を読み、二人が伝えたいことを読み取り、考えたことを伝え合う。
→アイデア1

第二次(2~4時)

②今の自分となりたい自分を書き出し、イメージ図を作る。
→アイデア2
・自分について見つめ、時間をどのように、誰のために使いたいかを考えられるようにする。

③手紙の冒頭部分を書き、交流する。

・未来の自分に語りかけるようなつもりで冒頭部分を書き、交流することで筆者の伝えたいことを再度読み取っていく。
→アイデア3

④未来の自分へ手紙を書く。
・手紙の内容は未来の自分に宛て、今の率直な気持ちとともに、筆者のメッセージを受け取って考えた、前向きな気持ちを書くようにする。

第三次(5時)

⑤内容を読み返し、考えたことを表せたかどうかを振り返る。
・手紙の中身を交流するのではなく、自分の思いを読み返してどうだったか感想を共有する。封筒に封をして宛名を書く。

アイデア1 「君たちに伝えたいこと」、「春に」を読み、感じたことを伝え合う

テキストを読む前に、「筆者の言葉から、気になったフレーズを見つけながら読もう」と投げかけておきます。読んだ後、選んだところを出し合いながら、なぜ気になったのか、感じたことを伝え合う活動を行います。

「君たちに伝えたいこと」、「春に」を読み、感じたことを伝え合う

「フレーズを選ぶ」ことで、筆者の伝えたいことを考えながら主体的に読むことをねらいます。共感だけでなく、気になるところの理由を問うことで、葛藤しながらも未来に思いを馳せるきっかけにもなると思います。

「ほかの人のために自分の時間を使うということは、損をすることではない」というところが、自分にはまだよく分からないけれど、特別な喜びで心がいっぱいに満たされるなんて素敵だなと思いました。

「つらいときや悲しいときの自分も大切にしなければなりません」というところは、なかなかそうはできないけれど、自分もそうなれたらいいなと思いました。

アイデア2 今の自分・なりたい自分をイメージして図に表す

第2時は、「自分は何のために、誰のために時間を使いたいか」を考えながら、イメージ図を作っていきます。手紙を書く前に考えをイメージ化することにより、今の自分を見つめ、未来の自分へのおぼろげな思いを整理することがねらいです。

今の自分の気持ちや考えていることを書き出した後、こうありたい未来の自分を想像しながら、イメージを作っていきます。下のイメージ図の例では、物語を捉える際に用いる人物関係図、時間軸を表す帯グラフを使い、自分を取り巻く人を意識して表しています。

自分にとって大切な人を明確にし、そのために何をしたいかを考える過程で、「時間をどのように使うのか」という問いをもち、筆者の本文を読み返すようになります。

▼イメージ図(例)

イメージ図(例)

アイデア3 未来の自分に語りかけるつもりで手紙の冒頭部分を書き、交流する

第3時は、第1時で気になったフレーズを用いて手紙の冒頭部分を書き、自分の考えたことを文章に表していきます。引用したところから何を感じ、考えたのかを明確にするために、未来の自分に語りかけるような口調で書き、冒頭部分を友達に聞いてもらうことを知らせます。

未来の自分に語りかけるような口調で書き、冒頭部分を友達に聞いてもらうことを知らせます。

途中で交流を行うことにより、友達の文章を聞きながら筆者の伝えたいことを知るために、テキストを読み返したり、友達の考えを自分の考えと比較したりしながら、自分の思いや考えを深め、明確にしていくことにつなげます。

未来のあなたは、前向きに生きていますか? 6年生の私は、おちこみやすく、どうせ私なんてと思い、嫌な気持ちになることがあります。

でも、「地平線のかなたへと歩きつづけたい/そのくせこの草の上でじっとしていたい」という言葉から、今は立ち止まっていても、変わりたいという気持ちがあればいいんだと言ってもらえたような気がしています。

知らない世界に飛び込みたいけれど、今の場所が心地いいって感じがして、どっちも大切にしたいけれどそうはいかない。でも、前向きに進みたい感じが伝わってくるね。

イラスト/畠山きょうこ 横井智美

『教育技術 小五小六』2020年3月号より

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