カンタン無料のおすすめツールでプログラミング教育を今すぐ始めよう!

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本格的な実践が進みつつあるプログラミング教育。そのためのツールは、多くが無料で使うことができ、ネットにさえ繋がっていれば、面倒なインストール作業もなく、Webブラウザから簡単に使うことができます。

屋内活動が増えるこの季節、こっそりプログラミング学習指導の腕をみがいて、周りをビックリさせてみませんか?

Scratch画面

おすすめツール Scratch(スクラッチ)~プログラミング学習の主流を作った偉大なツール~

プログラミング教育と言えば、カラフルなブロックを組み合わせてプログラムを作っていく、というイメージを持っている人が多いと思いますが、その基本的なコンセプトを完成させたのがScratchです。MIT(マサチューセッツ工科大学)メディア・ラボが無償が公開しています。

他の初心者向けプログラミング学習ツールのほとんどは、このScratchを参考にして作られています。そのため、Scratchさえ覚えておけば、他のツールは難なく使いこなすことができる、と言っても過言ではありません。

Scratchウエブサイト
ScratchのWEBサイト。日本語化されています。

このサイトで上部メニューの「作る」を選ぶと、いきなりプログラムの作成画面になります。

無料でユーザー登録をすると、作成したプログラムの保存などが可能になります。またScratchは、ツール本体のプログラムファイルをダウンロードすることも可能で、ネット環境のないところでもプログラミングを楽しむことができます。

キャラクターにブロックで指示を与えていく、直感的な操作感

Scratch画面

これが、「作る」をクリックして開いた、Scratchのプログラム作成画面です。

Scratchの画面は大きく分けて3つの部分に分かれています。左側が、「動かす」「判断する」など、さまざまな制御や機能を行わせる「ブロック」を選ぶことができるブロックパレット。中央が、それらのブロックを並べてプログラムを作るためのスクリプトエリア。そして右が、そのスクリプトが関連付けられる、キャラクター(スプライト)と背景(ステージ)のエリアです。

Scratchでは、キャラクターや背景などといったプログラムに組み込まれる部品各々に対してどのような操作を行うか、ということをブロックで指示していきます。

このように、プログラムを部品たちの集まりと考え、「それぞれを操作することで全体が動く」という考え方を「オブジェクト指向」と言い、Windowsなどの高度なコンピュータ・プログラムも、このオブジェクト指向で作られています。見た目はとても可愛く簡単そうなScratchも、高度なプログラミングと通底する思想で作られているのです。

ブロックをつなげて、どんどんプログラムを作っていこう

Scratchではどのくらい簡単にプログラムを組めるのでしょうか? 編集部ではためしに、3匹の恐竜がかけっこをして、最後に審判が勝者を宣言する、というプログラムを作ってみました。

Scratchで作成したゲーム
この作品のプロジェクトページはこちらです。
https://scratch.mit.edu/projects/464584390/

3体の恐竜をそれぞれ画面左のスタート位置におき、ランダムな条件でそれぞれの恐竜が少しずつゴールに向かって進みます。画面右のゴール位置まで到達した恐竜が現れたら、その条件を審判に伝え、審判は「〇〇の勝ち!」と宣言します。

恐竜(ティラノサウルス)に割り当てたプログラムブロック。ブラキオサウルスとトリケラトプスにも、同様のプログラムブロックを割り当てています。
Scratchウェブページ
これは審判のプログラムブロックです。3体の恐竜それぞれの勝利条件をうけとり、勝者を宣言します。

初めてのScratchプログラミングでしたが、編集部ではわずか1時間たらずで、このプログラムを完成させることができました。簡単なプログラムでも、意図通りに動くと嬉しいものです。ぜひ、みなさんもトライしてみてください。

Scratchのウェブサイト
Scratchのサイトでは、世界中のユーザーの作品が公開されており、どのようなプログラムで動いているのか、参考にすることもできます。

Scratchを使った実践がいっぱいの本登場!

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即実践!小学校のプログラミング授業
千葉県柏市立手賀東小学校校長
佐和伸明/監修
柏メディア教育研究会、柏市教育委員会/編
定価1800円+税 小学館

構成・文/みんなの教育技術編集チーム

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