小6国語「プロフェッショナルたち」指導アイデア
教材名:「プロフェッショナルたち」他(東京書籍)
指導事項:C読むこと ウ、オ、カ
執筆/千葉県公立小学校教諭・石井桃子
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、千葉大学教育学部附属小学校副校長・大木圭
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元は、テキストを読むことを通して自分の生き方を考えることをねらった単元です。このような単元を構想するとき、用いられるテキストは、主に「伝記」です。しかし、今回の教材は、通常の伝記とは一線を画します。
本文の中に、プロフェッショナルたちの生き様だけではなく、プロフェッショナル自身の生き方に対する思いや考えが綴られているからです。子供がそれらを受け止め、自分自身の生き方や理想の生き方について考える姿を目指します。
②言語活動とその特徴
自分が憧れるプロフェッショナルの生き様を、ポスターでPRする活動を言語活動として設定します。ポスターには、選んだ人物の写真とともに、生き様を示す「キャッチコピー」と「あなたにとってプロフェッショナルとは?」というインタビューに対する答えを、文章から書き抜いたり、読んで想像したりして書いていきます。
様々なプロフェッショナルたちの生き様を読み、その中から憧れの生き様を選んで端的に表現する活動を行う中で、子供は自然と自分の生き方を省みたり、理想の生き方を考えたりすることができると考えます。
単元の展開(8時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①教師が作った言語活動の見本を見て、これからの学習の見通しをもつ。
・教師自身のプロフェッショナルPRポスターを見本として作っておき、学習のゴールの具体を示す。
【学習課題】お気に入りの人物を見つけて、プロフェッショナルポスターを作ろう。
・教材文「プロフェッショナルたち」を読み、どの人物の生き方が気に入ったかを視点に感想を書かせる。
→アイデア1
第二次(2~7時)
②③プロフェッショナルPRポスターの作り方を確認し、同じ人物を選んだ3人グループでポスターの内容を考え、作る。
・ポスターの内容として(1)その人物の生き様を表すキャッチコピー 、(2)インタビューに答える内容、 (3)人物の写真について話し合う必要があることを確認する。
④作成したポスターを見合う。
・単元の途中で交流をはさむことで、様々な読み方があることを知り、次の活動で生かせるようにする。
→アイデア2
⑤⑥他の伝記や自伝等を読み、自分がPRしたい人物のポスターをグループで作る。
⑦作成したポスターを見合う。
第三次(8時)
⑧子供自身のPRポスターを作る。
・様々なプロフェッショナルたちの生き方を参考にしたり、これまでの自分自身の生き方を振り返ったりして、自己PRポスターを作る。
→アイデア3
アイデア1「プロフェッショナルたち」を読み、3人の内から気に入った一人を選ばせる
初めて学級全体で教材文を読んだ後で、「3人の中で誰の生き方がいちばんかっこいいと思った?」「なんでそう思うの?」というように子供に投げかけ、それを表現させていきます。「一人を選ぶ」という目的が明確になり、主体的に読む姿勢へと変わります。
また、「お気に入りの生き方を選ぶ」という視点で読むことを通して、自然と子供はプロフェッショナルたちそれぞれの生き方を読もうとし、本来もっている読みの力を発揮することができます。本時の最後に何人かと交流をさせることで、感じ方の違いにも気付いていきます。
イラスト/畠山きょうこ 横井智美
『教育技術 小五小六』2020年2月号より