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GIGAスクール構想スタート前に教員がすべきことは?

連載
坂本良晶の「学校ゲームチェンジ論」

元京都府公立小学校教諭、Canva Japan Canva Education Senior Manager

坂本良晶

ビジネス界のマインドや手法を教師の仕事に落としこむエッジの効いた発信で多くの若手教師に支持される、さる先生こと坂本良晶先生の連載。今回は、「GIGAスクール構想」が前倒しになった今、紙と鉛筆を使ってできる「教育観のアップデート」の必要性についてのお話です。

執筆/京都府公立小学校教諭・坂本良晶

GIGAの夜明け前にすべきこと 〜学びの最自然化〜
Pixabay

教育観をアップデートする

日本の教育界では、休校期間中の機能不全に対する反省から、GIGAスクール構想(※)の前倒しが進んでおり、来年度にはほとんどの学校において本格的に運用がスタートすることが予想されています。

しかし、教育に対する観が古いまま、新しいテクノロジーが学校にやってきても、本質的には変われないという問題が起こるのではないかと危惧しています。

今回は、「GIGAの夜明け前にすべきこと」というテーマで、「教科書とノートを使い、教育観をいかにアップデートしていくか」ということについて考えたいと思います。

GIGAスクール構想 …Global and Innovation Gateway for All。多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、子供たち一人一人に公正に個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる教育ICT環境を実現すること。

タブレット=新たな文具として

先日、とある学校におけるタブレットの活用に関する1枚の写真が話題を呼びました。

全員の子供たちがタブレットを使って板書の写真を撮っているという写真です。そこでは、教師が使い方を指示し、子供たちがそれに従いタブレットを操作しています。

ここには確かな「観のズレ」があるように思います。

よく、「タブレットを教具から文具へ」というのが、学校における本質的なICT化へのキーワードとして叫ばれています。

ここでの捉え方は、教具 = 教師が教えるためのツール文具 = 子供たちが主体的に学ぶためのツールというものです。

上記板書の例では、子供たちは極めて受け身的に、ただ板書を機械的に写すだけの道具としてタブレットを使い、新たな文具としての本質的な活用にはなっていないと言えます。

他の事例としては、算数の時間に一斉授業をした後、「今からタブレットでドリルの3番をやりましょう」と指示して、全員が同じ適用題に取り組むというパターンなどが挙げられます。

これも同じで、結局、紙のドリルがタブレットの画面に置き換わっただけであり、本質的にタブレットを活用できているとは言えないでしょう。

このように、観がずれたままタブレットが導入されても、「紙のノートが機械の板に置き換わっただけ」という状態になってしまいます。

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