小1国語「じどう車くらべ」指導アイデア
教材名:「じどう車くらべ」(光村図書 一年下)
指導事項:C イ、エ
言語活動:B ウ
執筆/東京都公立小学校主幹教諭・市川明日香
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、東京都公立小学校校長・河村祐好
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
事柄の順序を考えながら読み、大事な言葉を書き抜く力を身に付けます。また、文と文の繋がり方を理解して読む力を身に付けます。さらに、それを生かして、繋がりのある文章を書くことにも取り組ませます。
②言語活動とその特徴
本単元では、「一年○組じどう車クイズ大会をしよう」の言語活動を設定します。子どもたちは「うみの かくれんぼ」で学んだ「問い+答え」の構成を生かし、「しごと」と「つくり」の観点を認識できれば、それを取り出して、再構成しながら自分の好きな自動車について調べて書くことができるでしょう。
教室内に図鑑を置いて、常に触れられるようにしたり、視聴覚機器を使って、様々な自動車の動画などを見せたりして興味関心を高めるのもよいでしょう。様々な自動車の「しごと」に合った「つくり」を調べる中では、二つの情報の整合性も考えさせたい単元です。
クイズを出すためには、正しく情報を取り出さなければなりません。そこで、子どもたちは学んだことを生かして読み、大事な言葉を書き抜いて、クイズづくりに取り組んでいきます。
単元の展開(12時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①様々な自動車の写真や映像を見て、興味・関心をもつ。教師の出す「じどう車クイズ」でゴールイメージをもち、学習課題を設定する。
→アイデア1 主体的な学び
第二次(2~6時)
②「じどう車くらべ」を音読し、「問い」と「答え」を考える。
③④バスやじょうよう車の「しごと」と「つくり」を確かめ、叙述を色分けする。
⑤トラックの「しごと」と「つくり」を確かめる。
⑥クレーン車の「しごと」と「つくり」を確かめる。
第三次(7~12時)
⑦⑧前時までの読みを生かして、はしご車の「しごと」と「つくり」を考える。
→アイデア2 対話的な学び
⑨図鑑や本からクイズにしたい自動車を選ぶ。
⑩ 二次で読んだことを生かし、選んだ自動車の「しごと」と「つくり」を考えて、クイズカードをつくる。
⑪クイズを読み返し、修正をする。絵や写真をヒントカードにする。
⑫「クイズ大会」を行い、感想を交流する。
→アイデア3 深い学び
アイデア1
学習教材を読む必要性をもたせる。
単元の導入として、自動車の「しごと」と「つくり」に着目したクイズを教師が出します。子どもたちは、クイズが大好きなので、「じどう車」への興味関心が高まります。自分でも出してみたいという意欲が出てきます。
ぼくも先生みたいなクイズをつくってみたいな。
私は、救急車について調べてみようかな。
アイデア2
挿絵を使って対話しながら、大事な事柄や必要な情報を確かめる。
読んできたことを生かして、「はしご車」について、ペアやグループで対話させて「しごと」と「つくり」を考えさせます。挿絵から大事な事柄が取り出せているか、また、「しごと」に合った「つくり」が理解できているかを確認することができます。
一人では気付くことができなかったことも友達との対話で発見することができ、学びが広がります。
▼はしご車
「しごと」は何だろう。梯子が伸びるね。
消防車の仲間だから、火事のときに仕事をするのかな。高い所にいる人を助けるんだ。
タイヤの数も多いから、丈夫だね。支えもあるよ。
本当だ。支えは、気付かなかったよ。それが「つくり」になるのかな。
個人→友達との対話→学級全体 という流れで学習を行います。
まずは自分の考えをもたせるために、一人で考える時間を確保します。その後でペアやグループで対話させ、たくさんの「しごと」や「つくり」に気付かせます。最後に学級全体で「しごと」に合った「つくり」になっているかを確かめ、教科書の本文のように「そのために」を使って文章にまとめます。
アイデア3
読んで学んだことを生かして、クイズをつくる。
イラスト/やひろきよみ 横井智美
『教育技術 小一小二』2019年11月号より