小2算数「たし算のひっ算」指導アイデア(3/10時)《繰り上がりのある2位数+2位数の計算》
執筆/福岡教育大学附属小倉小学校教諭・川原雅彦
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏
目次
本時のねらいと評価規準
[本時 3/10]
ねらい
数量の関係に着目し、具体物の操作や式に表して考える活動を通して、2位数+2位数で一の位に繰り上がりのある加法の計算の仕方を考えることができる。
評価規準
繰り上がりのある計算が同じ位どうしを合わせることで、それまでの計算と同じように計算できることを、具体物の操作や式を用いて考えている。[数学的な考え方]
問題場面
どんな問題ですか。
本がはじめに34冊あって、28冊増えました。全部で何冊かという問題です。
そうですね。では、この問題に合った式をノートに書きましょう。
34+28
これまでの計算と今日は違うところがあります。
どこが違うのでしょう。
一の位の4と8を合わせたら12になって、10より大きくなります。どうやったらよいでしょう。
本時の学習のねらい
一の位が10より大きくなるときの筆算の計算のしかたを考えよう。
見通し
①50冊より超える。
②同じ位どうしをたす。
全部で何冊になると思いますか。
50冊を超えると思います。
どうして50冊を超えると思うのですか。
34の30と、28の20で50冊になり、 それよりも大きくなるからです。
どのように計算したらよいでしょうか。
「ひっ算は同じ位どうしを合わせて計算 する」なので、34+12と同じよう、位を揃えて書いて、一の位どうし、十の位どうしを合わせたらよいと思います。
自己解決の様子
A つまずいている子

一の位にそのまま12と書き、処理ができない。

十の位への繰り上がりをしていない。
B 素朴に解いている子

既習の思考を基に、一の位の4+8、十の位の30+20 をし、同じ位どうしを合わせて計算している。
C ねらい通りに解いている子

一の位は1が(4+8)で12、十の位は10が(1+3+2)で60であることを捉えている。
学び合いの計画
本時では、前時の問題「34+12」(繰り上がりのない計算)と比べて考え、位取り表を用いながら、計算棒の操作を基に、式と半具体物の操作を関連付けながら、具体的に理解をさせていきましょう。また、1や10の単位に着目し、同じ位どうしの数を足すというように、繰り上がりのない計算と同じように考えていることをおさえましょう。
ノート例
全体発表
前に学習したことで使えることはありませんか。
34+12のときにした、「同じ位どうしを合わせる」が使えると思います。
34+12を、計算棒を使って説明できますか。

このように、一の位の4と2を合わせて6、十の位の10の
まとまりが3と1を合わせて4と、同じ位どうしを合わせて、計算したことを使えばよいと思います。
34+28の、一の位の4と8を合わせた12は、どのようにしたらよいでしょう。

一の位の12は10と2で、一年生で学習したように、十の位に一つ繰り上がるので、十の位の1と3と2を合わせて6としたらよいと思います。
なるほどね。10のまとまりが6つあるので、十の位は60になるから「6」と書いたらよいですね。
本時のまとめ

①一のくらいは4+8=12
十のくらいに1くり上げる。
②十のくらいは、くり上げた1とで、1+3+2=6
•同じくらいどうしを合わせ、十のくらいに1くり上げればよい。
評価問題
次の計算を見て、正しいものには○、まちがっているものには×をつけましょう。また、何がまちがっているのかを説明しましょう。

解答例
①×
・くり上げた1を十の位に書き、7が百のくらいになっている。
②○
③×
・十の位にくり上げた1をたしていない。
感想例
- 前と同じように同じ位どうしを合わせ、十の位にくり上げればよいことがわかりました。
- 十の位がくり上がるときは、百の位にくり上げたらよいのかな。
イラスト/コダシマアコ、横井智美
『教育技術 小一小二』 2019年5月号より