実りある1年間を過ごすために―学級開きで行う9つのコト―【ストレスフリーの教室をめざして #48】

学級開きの目的は、子どもたちがこれからの1年を安心して過ごし、学び合える土台を整えることにあります。新年度は、期待と同じくらい不安も大きい時期です。だからこそ学級開きでは、子どもが「この教室なら大丈夫」と感じられる環境と関係を丁寧につくることが大切です。今回の記事では、すばらしい1年間を過ごすための学級開きについてまとめました。
執筆/埼玉県公立小学校教諭・春日智稀
目次
学級開きで大切にしたいこと
筆者は、学級開きには次の3つの意義があると考えています。
1 安心して過ごすことのできる教室を立ち上げる
新しい人間関係や環境の変化で緊張している子どもが、「困ったときに助けを求められる」、「受け止めてもらえる」という雰囲気と仕組みを整えます。
2 学級で大切にしたい価値観や約束を共有する
何を大切にする学級なのか、どんな行動がみんなの安心につながるのかを、子どもと一緒に確認していきます。特に、「いじめは絶対に許さない」「人権を尊重する」など、先生自身が「これだけは許さない・認められない」という絶対的なボーダーラインについては、はっきりと明言しておきましょう。
3 関係づくりを行う
子どもは「仲良くしましょう」と言っただけでは、意味は分かってもその方法までは分かりません。そこで、学級開きで行う様々な活動を通して、体験的に子ども同士や先生との関係づくりを進めていきます。
学級開きの具体的活動例
安心して過ごすことのできる教室を立ち上げるための活動
①学級のルールづくり
きちんとしたルールがあり、それが守られていることが子どもの安心につながります。逆に一人でもルールを守らない子がいれば、そこから学級は乱れていってしまいます。子どもに守られるルールの原則は、分かりやすく合理的であることです。複雑すぎたり、形骸化してしまったりするルールは守られません。ですから、一度ここで決めたルールを絶対とせず、柔軟に見直しをしていくことも大切です。また、教師が一方的にルールを決めることも好ましくありません。子どもたちを対話をしながら、子どもたちが納得した形でルールを決めましょう。
学級びらきで決めておきたいルールの例
- 人とのかかわりについて(人を傷つけない、差別をしないなど)
- 授業中のことについて(勝手に出歩かない、話している人の方を向くなど)
- 生活のことについて(共有物の使い方、ロッカーの使い方など)
- 提出物(宿題やプリントなど)の出し方について
- 自主学習の進め方について
- こまったときについて(体調が悪いときはすぐに先生に伝える、悩みは信頼できる大人に相談するなど)
- タブレットの使い方について(学習に関係のない使い方はしない、毎日充電するなど)
②係や当番決め
学校や教室はよく「小さな社会」にたとえられます。社会人になったら多くの人が仕事をもつように、学級の中でもそれぞれが役割を担います。係は「なくてもよいが、あるともっとよくなるもの」、当番は「なくてはならないもの」と理解するとよいと思います。立ち上げの段階では、子どもと一緒に「どんな係や当番が必要か」について話合い、合意形成のもとに決定するとよいですね。実際に係や当番の仕事が始まったら、適切に仕事ができているかを教師と子どもの両方でチェックしましょう。
③避難経路の確認
災害はいつ起きるか分かりません。なるべく早めに子どもたちに避難経路を伝え、できれば一緒に避難場所までの経路を確認しておくとよいでしょう。また高学年であれば、万が一に備えAEDの置かれている場所も確認しておくとよいでしょう。

学級で大切にしたい価値観や約束を共有するための活動
④教師の語り
始業式での担任発表後の学級活動で、教師と子どもの最初の出会いが訪れます。ここでの最初の教師の語りが、この1年間を決めると言っても過言ではないでしょう。先生の自己紹介、先生が大切にしていること、これだけは守ってほしいこと(いじめや差別は絶対に許さない)などについて、長すぎず短すぎず伝えます。どちらも緊張しているでしょうから、まずは教師が肩の力を抜いて、リラックスして臨むことが大切です。
⑤学級目標の作成
子どもと教師みんなの想いがつまった「学級目標」を作成します。作成の仕方はいろいろとありますが、最も大切なことは「形骸化しない」ことです。ただの掲示物にならないよう、いつでもこの目標に立ち返ることができる内容にしましょう。次に大切なのは、「いつでも見られること」です。教室のどこかに目立つように掲示しておき、いつでも目に入るようにしておきましょう。具体的な文言は、学級会などで意見を集め、みんなの合意のもとに決定しましょう。自分たちで決めた目標だからこそ、価値が生まれます。
⑥めあてカードの作成
今年1年間、または今学期の目標についてのカードを作成します。作成したカードは、掲示してみんなの目に入るようにしましょう。

関係づくりのための活動
⑦自己紹介カードの作成と交流
自分の好きなことや休みの日の過ごし方などについて、一目でわかる自己紹介カードを作成します。年度が始まって一番初めの掲示物として掲示するのもよいでしょう。また作成が終わったら、それぞれのカードを手元に持ち、お互いに自己紹介をする活動をしてみましょう。

⑧1年間よろしくねの会
学級が始まって最初のお楽しみ会です。学級会などで子どもと計画を立て、楽しく遊びましょう。内容は、なるべく全員が均等に、対等に参加できるものを選ぶとよいでしょう。
⑨先生クイズ
先生のことをよく知ってもらい、子どもたちとの関係をよりよいものにするために先生クイズを行います。以下のような内容で考えてみましょう。
- 好きな食べ物
- 好きな給食のメニュー
- 好きな教科
- 子どものころ苦手だった教科
- 先生が得意なこと
- 先生が小学生のときによくやってしまった失敗
- 先生が苦手なこと などなど
