【特別支援教育】連携③「関係機関の活用」指導のポイントとアイデア

元文部科学省調査官監修による、特別支援教育の指導のポイントとアイデアです。今回は、〈連携③「関係機関の活用」〉を紹介します。子供の支援について、医療機関や専門家との連携をどのようにすればよいのかというポイントをお届けします。
執筆/北海道教育大学札幌校准教授・山下公司
監修/元文部科学省特別支援教育調査官・加藤典子
白百合女子大学人間総合学部初等教育学科教授・山中ともえ
目次
特別支援教育 年間執筆計画
04月 児童理解①児童の状態の把握
05月 児童理解②個別の教育支援計画と個別指導計画の作成・活用
06月 児童理解③児童への具体的な対応
07月 学級経営①多様性を尊重する学級
08月 学級経営②学級内での人間関係づくり
09月 学級経営③集団指導と個別指導
10月 授業づくり①ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた授業
11月 授業づくり②合理的配慮についての工夫
12月 授業づくり③ICTの活用
01月 連携①保護者との関係づくり
02月 連携②校内連携
03月 連携③関係機関の活用
解説編
連携は、学校だけではなく様々な機関と行っていくことが大切です。近隣の関係機関を見直していきましょう。
〇医療機関の役割を理解する
教員の専門性として、学校生活における日常の様子を把握していることから、子供一人一人の学習面や集団活動面でのアセスメントができることが挙げられます。学校で把握した子供の状態を基に医療機関と連携を図るようにします。医療機関からは、医学的側面からの障害の状態や服薬の状況を聞くとともに、医療的に配慮する点などの助言がある場合もあります。また、機関の体制によっては、子供本人や保護者にカウンセリングを実施している医療機関もあります。子供や保護者が利用している医療機関がどのような支援や治療を行っているのかを理解しておくことも大切です。
〇対等な立場で連携する
学校として、保護者の了解を得た上で、主治医に相談する場合もあるでしょう。その場合、相手の専門性を尊重し、子供のことを考える対等な立場で連携を図るようにします。学習面で配慮が必要な子供や集団活動で困難さを感じている子供に対して、子供の状態をよく把握している教員が教育の専門家として、積極的に医療機関と連携を図るようにすると、子供にとっても、保護者にとっても大きな支援となります。
〇専門家を活用する
医師以外にも、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)、心理士などの専門家が活用されることも増えています。医療機関で雇用されている場合や自治体の教育委員会に配置されている場合、また、教育委員会が専門家に委嘱を行い、学校(特別支援学級や通級指導教室)へ巡回相談する場合などがあります。子供によっては、これらの専門家と連携して支援を行うことが効果的な場合もあります。教員にとっても、子供理解や指導の工夫において、専門家からの助言は大いに役立ちます。
子供が、すでに医療機関などで専門家からの支援を受けている場合があります。その場合は、医療機関との連携を通し、情報を共有することができます。また、その情報を基に、どのような支援を行うかということついて助言を得ることも可能です。さらに、専門家から環境調整の提案を受ける場合もありますが、子供にとっての必要性をよく理解したうえで実際の学校生活で実践していくことも大切です。
専門家と連携していく際には、保護者や本人の同意が必要となります。手順を踏んで、子供にとってよりよい連携を行うことができるようにしたいものです。様々な視点で、子供を多面的にとらえていくことにより、子供のよさや強みを伸ばすとともに困難さの改善につながります。
〇福祉機関(放課後等デイサービス等)との連携
放課後等デイサービスを利用する子供も増えてきています。学校として、福祉サービスについて理解しておくことが必要となります。可能ならば、放課後等デイサービスでの様子を見学に行き、子供の様子を把握しましょう。また、放課後等デイサービスの職員にも学校での様子を見てもらうようにします。場面が異なると、子供の様子も変化します。それらを共有することで、それぞれの支援する内容が明確になってきます。場合によっては、放課後等デイサービスの職員にケース会議などに参加してもらうことも効果的です。施設によっては、長期休業中の子供を支える役目を担うところもあります。それぞれ特色のある活動を実施しているので、学校での子供の指導の参考にすることもできます。

