5年生「魚のたんじょう」&「植物の実や種子のでき方」|学びがつながる!子どもの問題解決能力を引き出す理科授業【理科の壺】

5年生の生物単元では、植物と生き物とを対比させて考えることがあります。それは植物と生き物のサイクルが似ているからです。今回は、その似ているサイクルを活かして、「受け身の授業」を「子どもたちが主体的に取り組む授業」に変える実践ついて紹介します。既習事項を使って問題を見いだしていく、子どもにとっても想起しやすい事例です。優秀な先生たちの、ツボをおさえた指導法や指導アイデア。今回はどのような“ツボ”が見られるでしょうか?
執筆/新潟市公立小学校教諭・中浜愛美子
連載監修/國學院大學人間開発学部教授・寺本貴啓
子どもが主体的に取り組む理科授業へ
「今日はどんなことをするの?」
理科の授業が始まる前に、目を輝かせながら聞いてくる子どもがいます。そんな子どもに出会って、「理科を楽しみにしてくれているんだな」とうれしく思う反面、観察や実験することを受け身で待っていることも伝わってきて、複雑な気持ちになったことはありませんか。
子どもの問題解決能力を育てるためには、自ら観察や実験の必要性を感じ、主体的に取り組む授業にしたいものです。そのためには、子どもが分からないことや疑問点から問題を見いだすことと、子どもが仮説の設定や結果の予想をすることで見通しをもって観察・実験に臨むことが大切です。
これらについて、第5学年「植物の実や種子のでき方」を取り上げて紹介します。
1.子どもが問題を見いだすきっかけとなる「場づくり」
第5学年の理科の大きなテーマは生命の誕生です。「植物の発芽と成長」「魚のたんじょう」「植物の実や種子のでき方」「人のたんじょう」といったように、生命の誕生に関する学習がたくさんあります。それらの間には共通点が多くあり、それが考える手がかりになります。
そこで、これらの学習内容のつながりを可視化できるようにします。
例えば、理科室または教室の一画に「生命のひみつラボ」など、子どもがワクワクするような名前をつけたコーナーを設けます。そこでは、①メダカの水槽やメダカの卵、顕微鏡、子どもが発芽させたいと考えて持ってきた種子、発芽して成長した植物などを置き、自由に観察することができるようにし、②生命の誕生や成長についての気付きや学んだことを「研究成果」として写真や文で掲示し、子ども同士で共有できるようにします。

「研究成果」の掲示には、魚と植物の学習で見いだされた共通点(子葉の養分と子メダカの腹の膨らみの養分、種皮を破って発芽する様子と、受精卵の膜を破って生まれる子メダカ、背丈が高くなっていく植物と体長が長くなるメダカなど)を入れるようにします。
これにより、生き物の種類は違っても共通点があるのだという視点を子どもにもたせることができ、魚と植物の有性生殖の共通点を考えることにつながります。
