デジタルによる学びを定着化させるために――日常にデジタルを取り入れ、子供自身でアプリを選択できる授業アイデアとは?〈デジタル×深い学び〉
「デジタル×深い学び」の連載も、今回で13回目。タブレットやデジタルツールを活用した授業実践について少しずつ理解が深まってきたのではないでしょうか。今回は、もう一段階、さらに深い学びの実践をめざした「デジタルの日常使いに取り組ませていく」「子供たちが自分でアプリを選び、使いこなせるようになる」ことを目的とした授業デザインについて解説していきます。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の13回目です。記事一覧はこちら
目次
日常からデジタルを取り入れることで、より深化する学び
デジタル活用に日常的に取り組むことで、子供たち自身がデジタルを使いこなし、学びをより主体的に進めていくことができるようになっていきます。「デジタルを使うのは、授業のときだけで十分」と捉えるのではなく、学習効率の向上を踏まえて、家庭学習や自主学習などでも子供たちが自らデジタルを使いこなせるようになる必要があります。多様な学びが展開できるように、教師もデジタルの日常使いを意識した授業をデザインしていきましょう。
授業をデザインするうえで意識したいポイントは、以下の3点です。
●一人1台端末の活用を大前提に授業をデザインする。
(東京都教育教育委員会「デジタルを活用したこれからの学び 活用ガイド」より)
●様々なアプリを使う経験を蓄積し、機能や使いどころを子供自身がつかむことができるよう、指導を計画する。
●子供自身が、活動のゴールを意識し、どのアプリをどのように使い学び進めるかを自己決定する(紙ベースでの学び全てを否定するのではないが、デジタルを活用する良さを理解できるよう指導する必要がある)。
子供自身が学びに応じたアプリを選択できるようになるためには、「アプリの操作方法(情報収集・情報共有・共同編集など)」と、「情報共有する仕組みの構築、子供との共有(チャットなど)」が必要不可欠です。
デジタルの日常使いにおいては、PCを使い始める初期段階に重点をおいて指導することが有効です。例えば、調べ学習をする際などに、「○○を使いましょう」と教師がアプリを指定するのではなく、「自分で選んだアプリで学習してみましょう」と声をかけましょう。子供自身が自らの学びに応じてアプリを選択する経験が、主体的な学びを支える力になります。
東京都教育委員会「とうきょうの情報教育」では、情報活用能力の体系表である「情報活用能力#東京モデル」が公開されています。発達段階を踏まえた、ステップごとに育成したい資質・能力が示されており、情報活用能力の計画的な育成の参考になります。
最初は「基本的操作部分」に重点を置いた授業デザインを計画してみましょう。とくにタイピングは、デジタルを活用した学習では必須のスキルであるため、丁寧なプロセスを経て、子供が確実に習得できることをめざしましょう。
デジタルの日常使いにおける授業デザイン事例
デジタルの日常使いを意識した取組や、子供自身がアプリを選択して学ぶ授業デザインにはどのようなものがあるのでしょうか。先進校の授業デザインの実践例とあわせて紹介します。
デジタルの日常使いを意識した取組
ゲーム感覚で取り組める「タイピング」学習
第3~6学年 タイピングタイム
(台東区立上野小学校)
台東区立上野小学校では、毎週火・金曜日の朝の時間に、タイピング力を育む「タイピングタイム」を実施しています。子供たちは複数のタイピングアプリの中から、自分の好きなアプリを選んで取り組みます。ゲーム感覚で練習を進めることで、楽しみながら主体的に挑戦することができ、タイピングのスピードや正確さもぐんぐん伸びていきます。
