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3年生の探究学習が始まる!<探究のすすめ方・小学校3年生アドバンス指導編>

連載
探究のすすめ方 ~小学校・中学校・高校対応~

仲野 純章

探究学習にお悩みの先生方必見! 本連載では小学校の探究学習の実践例として、独自の探究的な授業カリキュラムを実践している奈良育英グローバル小学校の取り組みを、四天王寺大学教育学部の仲野純章先生監修のもとに紹介します。同校では、1年生の探究的授業を「ベーシックアドバンス」、2年生から4年生までを、これを発展して「アドバンス」と呼びます。ご紹介する連載は、1年生の探究学習「ベーシックアドバンス」と3年生の探究学習「アドバンス」の2本立て。
こちらの【連載】探究のすすめ方/小学校編 <アドバンス・3年生>では、渡邊紀志江先生のクラスに密着して、取り組みを追っていきます。

執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章

渡邊紀志江先生のクラス
渡邊紀志江先生のクラス

◆指導の基本となる1年生の実践、【連載】探究のすすめ方/小学校編 <ベーシックアドバンス・1年生>も併せてご覧ください。

アドバンスについて

1年生の『ベーシックアドバンス』という授業は、2年生以降、『アドバンス』という授業に接続・発展します。これら一連の学びの中で、とくに1、2年生では「広く浅く」学習・経験することが重視され、3年生以降は、それらを整理し、つなげていくことで体系立った知識にしていき、考えや行動を広げていくことがねらいとされています。

このうち、3年生のアドバンスは、とくに社会科要素の強い内容の授業となっており、週3時間設定されています。児童は、理科や社会などあらゆる教科が混在したベーシックアドバンスで「周りのものをしっかり見るトレーニング」をしてきましたが、社会科要素の強い3年生のアドバンスでは、それらを社会科という「教科」を意識しながら整理していくこととなります。そのため、教員の年間指導計画に基づいて進めることが大事になり、実際、下記のような年間指導計画が用意されています(表1)。

なお、3年生のアドバンスでは、「教科」を意識しながら整理していきますが、「情報の収集」や「整理・分析」「まとめ・発表」など、探究的な学びの過程で求められる各種要素を組み込みながら授業が展開されます。

単元行事 見学 ゲストティーチャーなど
4学校のまわり・市の様子(地図記号・東西南北・地図の読み取り)県庁見学・学校のまわりのまち探険
5奈良市柳生のくらしの様子山の学校
6はたらく人とわたしたちのくらし(農家の仕事)柳生の農家の仕事・大和茶(お茶農家)
7スーパーマーケットの仕事スーパーマーケット見学・お店の人にインタビューする
7~8夏休みの課題 「家のまわりの地図作り」家の近くのお店や農家の人にインタビューする
9「家のまわりの地図作り」発表大阪、京都、奈良の様子・お店の工夫を知る
10佐保川の歴史・150年前の「川路桜」秋の遠足(佐保川の源流探険)
11「くらしを守る」警察の仕事・消防の仕事警察官のお話・消防署や消防団の見学
12地域の祭り「おん祭り」福音館発行「おん祭り」
12~1冬休みの課題「昔の道具調べ」祖父母宅などにある昔の道具調べ
1市のうつりかわり(変わってきた人々のくらし・七輪を使っていたころのくらし)七輪で火おこし体験(おもちを焼く)
2大仏鉄道・豆比古神社福音館発行絵本「イナヅマごうがやってきた」・トトロの木(巨木)探険
3100~150年前のくらし・昔のあそび低学年集会で「昔の遊び集会」・ならまち探険(火吹き竹・蓄音機体験)
〈表1〉3年生の年間指導計画

1学期のはじまり:ある日の授業

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