ペア・グループ学習の学びを深める「座席配置」の工夫【学ぶ意欲と力を育てる 学習指導の極意①】


子供たちの学ぶ意欲と力を育てるためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に学級経営の本流を踏まえて、学習指導の基礎基本を解説します。第1回は、ペア学習、グループ学習でのポイントについて解説します。
執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
城西国際大学兼任講師
日本女子大学非常勤講師・稲垣孝章
「ペアやグループ学習」は、様々な教科等で活用されている学習方法です。この手法をより効果的なものにするためにはペアやグループ学習の「座席配置」に配慮することも大切な視点の1つです。いつも同じ座席配置ではなく、学習のねらいや学習内容等を踏まえて隊形を工夫することが求められます。
そこで、ペアやグループ学習の「座席配置」を指導するにあたって、3つのキーワード「ペア学習の座席の工夫」「グループ学習の座席の工夫」「グループ編成上の配慮点」でチェックしてみましょう。
目次
CHECK① ペア学習の座席の工夫
ペア学習は、互いに意見を出しやすく、交流を図りやすい学習形態です。一般的には、その座席配置は、「横並びの隊形」で行うか「向かい合う隊形」で行うことが多くみられます。しかし、次のような「L字の隊形」についても、積極的に活用していくと効果的な学びの手立てのひとつになります。
「L字の隊形」も効果的に活用します

ペア学習の座席として「横並びの隊形」「向かい合う隊形」のほかに「L字の隊形」を取り入れていくことも効果的です。この「L字の隊形」は、教育相談等のときの座席配置としても活用されています。視線を合わせたり、外したりしやすい座席配置のため、話しやすいというメリットがあります。ペア学習としてのねらいや学習内容等を踏まえ、適切な座席配置を工夫できるようにしていきましょう。
CHECK② グループ学習の座席の工夫
グループ学習は、各教科等の様々な学習に活用されています。一般的には4名程度でグループを構成することが多く見られます。少人数であることから一人一人が発言しやすいというメリットがあります。座席配置としては、机を挟んで4人が向き合う隊形が一般的ですが、その他の隊形についても工夫しながら活用していきましょう。
「T字隊形」「L字隊形」も効果的に活用します

グループ学習の座席として机を挟んで「向かい合う隊形」のほかに「T字の隊形」も活用することができます。また、ペア学習でも活用している「L字を活用した隊形」(風車型や手裏剣型と呼んでいるクラスもあります)を取り入れていくことも効果的です。これらの隊形は、ペア学習と同様に、学習のねらいや学習内容等を踏まえ、適切な 活用方法を選択し、積極的に活用していきましょう。