GW明けの対応術とほめ方・叱り方のポイント|新任教師のための学級経営講座 #2


初めて学級担任になった新任教師にとって、「学級経営」は不安なもの。そこで、学級経営の基本が学べる連載をお届けします。毎月の準備や進め方などをその月の学校行事なども絡めながら紹介。鳥取県の公立小学校で、若手教師の育成に尽力してきた友定章子先生が、新任教師でも分かりやすいように解説します。
執筆/元鳥取県公立小学校教頭・友定章子
目次
はじめに
始業式から1か月が経とうとしています。緊張感に包まれて始まった学級経営も、少しずつ慣れてきましたか? 子供たちとの時間を楽しめるようになりましたか? それとも、いろいろな子供がいて驚いていますか? これから始まるゴールデンウィークで少し肩の力が抜けるといいですね。
楽しい時間を過ごしたり、自分のペースで過ごしていた長期の休みが終わるとき、もう少し休んでいたいなぁ、学校なんて行きたくないなぁと感じている子供たちが多いものです(大人だってそう感じますよね)。今回は、休み明けの対応で気を付けたいこと、5月から本気で取り組みたいことについて整理してみます。
子供たちを注意深く観察しよう
朝の健康観察や休み時間に観察すべきポイント
担任業務に慣れてきたからこそ見えてくる子供たちの様子があります。朝の健康観察では、顔色や表情を観察すると同時に以下のようなことにも注意しましょう。
・顔を洗ってきているか
(口の周り、目の周りに注目して、生活リズムが乱れているかどうか確認)
・顔色や声の大きさ、声のトーンに変化はないか
(体調が悪いかもしれない)
・ずっと同じ服を着ていないか
(家庭での暮らしが垣間見える)
・暑くなっているのに、長袖で過ごしたりずっとフードを被ったりしていないか
(特別支援の視点)
学級開きから1か月が経って、子供同士の関係性もできてくるころです。休み時間などに子供の関係性も注意深く観察しましょう。
・休み時間、誰が誰とグループをつくって遊んでいるか
・1人ぼっちになっている子はいないか
・みんなと笑っているとき、急に真顔になることはないか
小さな変化があることや、変化していないことを観察します。
髪が伸びてきたね。
今日は暑くない? 毎日何を着ればいいか迷うよね
事実を見て、ただ声をかけます。このとき、「どうして?」や「なぜ?」とか、「こうしたら?」とは言わないようにします。私はあなたをいつも見ているよということを伝えるための声かけです。
学校に来れば先生が話しかけてくれる、見てくれていることを感じる程度にとどめます。子供が話してくれるまで家庭の様子を聞くのはタブーです。信頼は、小さな会話の積み重ねでしか得られません。子供の心が開いてきたら、きっと子供のほうから話してくれるので、焦らずに待ちましょう。
GW明けには「3文発表会」を開こう

ゴールデンウィーク明け、子供たちは全員登校していますか? 遅刻はありませんでしたか? 体調はどうですか? 楽しい家族旅行をしてきた子供は、「先生、聞いて。私、〇〇へ行ってきたよ」「家族でバーベキューしたんだよ」と、楽しかった思い出を話したい気持ちでいっぱいです。
そこで、1人3文程度でゴールデンウィークの思い出を語る発表会を開きましょう。
ただし、学級の中には、家族と一緒に過ごすことが難しいなど、家庭の事情が複雑な子供もいます。ずっと家でゲームしていた、家族でのイベントはなかった、みんなに話すことなんかないと思っている子供もいるでしょう。
そのため、最初は教師が話します。「私はお休みの間ずっと家にいて洗濯や掃除をしたよ。朝ゆっくり起きて、撮りためていたテレビのビデオを見て、漫画を読んでのんびり過ごしたよ。一人でのんびり過ごすのもいいなぁと思ったけど、学校に来てみんなに会ったらやっぱり学校がいいなぁと思ったよ」のように配慮するとよいでしょう。
話したくない子のハードルを下げるための3文です。「もっと話したい人は日記に書いてね」と伝えます。