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子どもの評価と保護者の評価のギャップを使った保護者会【ぬまっち流】

2020/2/12

子どものやる気をグングン引き出すカリスマ教師「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生が、低学年の自主性を育む実践を紹介。
今回は、自己評価と他者評価のギャップを使った、保護者も子どもも幸せになる保護者会のアイディアです!!

イラストAC

学年末の振り返りは、自己&他者による「価値付け」

年度末は、学習・生活面の両方で一年間を振り返り、来年度に向けて前向きな気持ちを盛り上げていきたいものです。

ボクが一年間の振り返りをする時には、子どもたちができるようになったことを、自分たちだけでなく、他者にもきちんと価値付けしてもらいたいと思っています。そのほうが自分で気づかないうちに身に付いていた力や成長した点に気が付き、さらに、他者は自分のどんな点に注目し、認めてくれたのか、他者の視点に目を向けるきっかけになるからです。

そこで三学期に、保護者会の直前の授業で、子どもたちと一年間を振り返る活動をしてみました。

まず、子どもたちに自分がこの一年間でできるようになったことや、成長したと思うことを発表してもらい、黒板の左側に書き出しました。そして、その日の午後の保護者会で、保護者の皆さんにその板書を見てもらいました。

保護者は子どもたちのコメントを見て、「あれはうちの子だわ」「こんなこと書いている!」と大盛り上がり。さらに保護者からも、自分の子どもが一年間で成長したと思うことを一人ずつ発表してもらい、黒板の右側に書き出しました。

翌日、子どもたちにその板書を見せてみました。子どもたちも「あれはうちのお母さんだ!」「僕のできるようになったことと全然違うよ~」と、喜んだり、がっかりしたり、大騒ぎになりました。

他者との評価のギャップをつなぎ、期待を膨らませる

この振り返り活動には大きく二つの意義があると感じています。下の板書の写真を見ると分かるように、子どもが自分自身でできるようになったと感じていることと、保護者が自分の子どもについてできるようになったと感じていることにはギャップがあります。この活動には、そのギャップをつなぐ効果があります。

板書例
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人は誰でも自分が頑張ったことを評価されたいものです。だから子どもは「前回りができるようになった」とか、「なわとびが上手になった」ことを周りの人にも保護者にも認めてほしいし、ほめてほしいのです。しかし、保護者の視点は少し違います。家庭で、子どもにもっとこうしてほしい、こうなってほしいと願っていることが少しずつ改善されることを評価しようとします。

子どもたちの自己評価
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子どもたちから挙がった、自分たちが一年間でできるようになったこと。「字がきれいになった」「サッカーが上手くなった」「おかわりをたくさんできるようになった」ことのほか、「虫探し」「折り紙」「ぬまっちと話せるようになった」という意見も!

保護者からの評価
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保護者会で挙がった、自分の子どもができるようになったと思うこと。「一人で起きられる」「学校でトイレができる」「みんなとお話できる」など、保護者が家庭生活や学校生活で期待していることや、そこでの不安が解消されたことを喜ぶコメントが多かった。

こうしてお互いの評価を比べることで、保護者は「本当はこんなことをほめてほしかったのだな」と分かるし、子どもも「こんなことを見てくれているのか」と気づくことができ、家庭での会話もより有意義なものになるでしょう。

もう一つのよい点は、活動全体がポジティブなワードで埋め尽くされていること。テーマが「できるようになったこと」なので、悪いコメントは出てきません。よいところだけに目を向けているので、前向きな話合いになり、気持ちも明るくなります。こうした振り返り活動を通して、来年への期待が膨らみ、学年末を気持ちよく終えることができるでしょう。

沼田晶弘先生
沼田晶弘先生 撮影/下重修

沼田晶弘先生●1975年東京生まれ。国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に、『one and only 自分史上最高になる』(東洋館出版社)等がある。

取材・文/出浦文絵

『教育技術 小一小二』2020年2月号より

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