小2国語科「ロボット」板書例&全時間の指導アイデア

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国語科 令和6年度版 新教材を活用した授業づくりー文部科学省教科調査官監修の実践提案ー
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文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
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文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小2国語科「ロボット」(光村図書)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、ワークシート例、1人1台端末の活用例等を示した授業実践例を紹介します。

 小二 国語科 教材名:ロボット(光村図書・こくご二下)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/京都府京都市立嵐山小学校教頭・吉田夏紀
執筆/京都府京都市立御所南小学校・金海 葵

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、文章の中の重要な語や文を考えて選び出しながら読み、ロボットについて感じたことや分かったことを伝え合います。

時間や順序を表す言葉に着目したり、何度も出てくる言葉に気を付けて読んだりすることで、ロボットにはいろいろな種類や働きがあることを知り、科学読み物等の読書に親しむ態度を養います。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元では、文章の中の重要な語や文に気を付けながら読み、感じたことや分かったことを伝え合うことを言語活動として設定します。

「ロボット」では、普段私たちが生活している中で見たり使ったりしているロボットについてのイメージを交流し、教材文のロボットを比較して読んだり、分かったことを表に整理したりすることで、重要な語や文を集め、「ロボット」についての自分の考えをつくっていくことができるようにします。
その上で、自分の選んだ本のロボットの働きや初めて知ったことを友達に紹介したいという意欲を高め、読書活動に取り組めるようにします。

4. 指導のアイデア

〈主体的・対話的で深い学び〉

お掃除ロボットや配膳ロボットなど、子供たちが日常生活の中で知っているロボットや見たことがあるロボットもあり、子供たちが興味をもつ話題だと考えられます。しかし、ロボットとはどういうものなのか、改めて考える機会は少ないでしょう。

そこで、単元の導入で「ロボットとはどういうものなのか」という「問い」を解決するために教材文を読むことを設定します。「どんなロボットがあるのかな」「人と同じようなことをしているのがロボットなのか」などと考えながら主体的・対話的に学ぶことができるでしょう。

5. 単元の展開(12時間扱い)

 単元名:「ロボット」とはどんなものなのかな。大事な言葉に注目して読んで考えよう。

【主な学習活動】
・第一次(1時2時
①② ロボットについて話し合うことを通して、どんなことに気を付けて読んでいくとよいかを考え、ロボットについて分かったことをまとめて伝え合うという学習活動の見通しをもつ。

・第二次(3時4時5時6時7時
③④⑤ 教材文「ロボット」を読み、重要な語や文を整理する。
⑥⑦ ロボットについて分かったことを友達と伝え合う。

・第三次(8時9時・10時11時12時
⑧⑨⑩ 学校図書館などにある本の中から自分が紹介したいロボットについて調べ、ノートや学習支援ソフトにメモする。
⑪ 自分が紹介したいロボットについてまとめたカードをもとに紹介し合う。
⑫ 教材文を読んだり、本を読んだりしたことを通してロボットについて考えたことを伝え合う。

板書例と全時間の指導アイデア

【1・2時間目の活動例 】

単元の導入では、私たちの生活の中にあるロボットを思い浮かべるところから始めます。お掃除ロボットや配膳ロボットなど、知っているロボットを出し合います。

そして、「ロボットとはどんなものなのかな」と問いかけ、「人みたいに働いてくれるのがロボットだと思う」「人のことを助けてくれるものだと思う」「自分で動くのがロボットかな」などとロボットのイメージを共有することで、「ロボット」という教材を読むとロボットのどんなことが分かるのかな、とこれから学習する教材への興味関心、課題をもてるようにします。

教材文を読み、どんなロボットが出てきたかを確かめると、「荷物を運ぶ」「案内する」「助けてくれる」など人と似た働きをしていることが多く出てくることが分かります。
そこで、「人と同じようなことをしている=ロボットなのかな」とさらに問いかけることで、「確かめてみたい」「人と同じところはあるのかな」と考えるよう促し、重要な語や文を選びながら読んでいこうとする意欲につなげます。

1時間目

みなさんは「ロボット」を知っていますか。

知っています。

大きなデパートで、案内してくれるロボットを見たことがあります。

テレビでよく見るドラえもんもロボットだと思います。

( 身の回りにあるロボットの写真を見せる )

あ! ぼくの家にもこのお掃除ロボットがあるよ。

このロボットはファミリーレストランで、食事を運んできてくれるよ。いつも家族で行くお店にあるよ。  

なるほど。みんなの家やお店にはいろいろなロボットがあるのですね。この学校にも、玄関のところに「ペッパーくん」がいますよね。

そうだ。「おはよう」って言うと、「おはようございます」って挨拶してくれるよね。

では、ロボットってどんなものなのでしょう。

ペッパーくんみたいに話すことができると思う。

ファミリーレストランでは、人みたいに食事を運んできてくれるから、人みたいに働いてくれるのがロボットだと思う。

人が忙しいときに掃除してくれるから、人のことを助けてくれるものだと思う。

なるほど。ロボットのイメージは一人一人少しずつちがうようですね。今日から学習するのは「ロボット」というお話です。

どんなロボットが出てくるのかな。

お話を読むと、ロボットのことがよく分かりそう。

お話を読んでどんなロボットが出てくるのか、ロボットはどんなものなのかを見つけられるといいですね。

気になる!

ロボットについて詳しく知っていきたいね。

今日、お話を読む前にロボットについて考えたことをノートに書いておきましょうか。そして、お話を読むうちに、考えたことを書き足していくようにしましょう。

( 子供たちがノートに、ロボットとはどんなものか、今の考えをメモする )

〈 ノートの例 〉

ノートの例

2時間目

イラスト/横井智美

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