小6らくらくUnit 6「Save the animals.」①【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のNEWスライドde外国語」。2024年度の教科書改訂に合わせて、パワーポイント教材をリニューアル。
今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 6「Save the animals. ~生き物のためにできることを発表し合おう」第1時(外国人にはどんな風に動物の鳴き声が聞こえるのか聞いてみよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 6「Save the animals. ~生き物のためにできることを発表し合おう」全8時の1時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
〇単元目標
生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所や直面する問題、生き物のためにできることについて、聞き取ったり伝えたりすることができる。また、それらについて、例文を読んだり、例文を参考に書いたりすることができる。
○単元のゴール
生き物のためにできることを発表し合おう。
○本時の目標
外国人にはどんな風に動物の鳴き声が聞こえるのか聞いてみよう。
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・Let’s save 〜. Where do 生き物名 Live? 〜 is a big problem. We can 〜. およびその関連語句について、理解している。
〈技能〉
・生き物が暮らす場所と直面する問題についてのスピーチを聞いて、話の内容を聞き取ることができる。
●思考・判断・表現
・生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所と直面する問題、自分達の身近でできることについての短い話を聞いて、内容を聞き取っている。
●主体的に学習に取り組む態度
・生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所と直面する問題、自分達の身近でできることについての短い話を聞いて、内容を聞き取ろうとしている。
【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
・Let’s save 〜. Where do 生き物名 Live? 〜 is a big problem. We can 〜. およびその関連語句について、理解している。
〈技能〉
・Let’s save 〜. Where do 生き物名 Live? 〜 is a big problem. We can 〜. およびその関連語句を用いて書かれた文で、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現を読んで、理解することができる。
●思考・判断・表現
・生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所と直面する問題、自分達の身近でできることについて、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現で書かれた文の意味を理解して、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
・生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所と直面する問題、自分達の身近でできることについて、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現で書かれた文の意味を理解して、声に出して読もうとしている。
【話すこと】(やりとり)
●知識・技能
〈知識〉
・Let’s save 〜. Where do 生き物名 Live? 〜 is a big problem. We can 〜. およびその関連語句について、理解している。
〈技能〉
・生き物が暮らす場所について、Let’s save 〜. Where do 生き物名 Live? 〜 is a big problem. We can 〜. およびその関連語句を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合うことができる。
【話すこと】(発表)
●知識・技能
〈知識〉
・Let’s save 〜. Where do 生き物名 Live? 〜 is a big problem. We can 〜. およびその関連語句について、理解している。
〈技能〉
・生き物が暮らす場所と直面する問題、自分たちが身近でできることについて、Let’s save 〜. Where do 生き物名 Live? 〜 is a big problem. We can 〜. およびその関連語句を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合うことができる。
●思考・判断・表現
・生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所と直面する問題、自分達の身近でできることについて、簡単な語句や学習した表現を用いて、考えや気持ちなどを話している。
●主体的に学習に取り組む態度
・生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所と直面する問題、自分達の身近でできることについて、簡単な語句や学習した表現を用いて、考えや気持ちなどを話そうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・生き物が暮らす場所と直面する問題を伝えるために、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現を理解している。
〈技能〉
・生き物が暮らす場所と直面する問題を伝える文を、例文を参考に書くことができる。
●思考・判断・表現
・生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所と直面する問題、自分達の身近でできることについて、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現を用いて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
・生き物への理解を深めるために、生き物が暮らす場所と直面する問題、自分達の身近でできることについて、音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や学習した表現を用いて、例文を参考に書こうとしている。
本時の流れ(例)
- 挨拶
- 教科書 Small Talk
- 動物の鳴き声クイズ
- 単元の流れ、本時のめあての確認
- 動物の鳴き声(英語)
- 鳴き声伝言レース
- 動物の鳴き声の歌を歌う
- 外国人には日本の動物の鳴き声はどう聞こえる?
- Let’s Listen
- ライティング
- 絵本(Bark, George)
- ふり返り
- 教科書 Sounds and Letters
各活動の流れ
①挨拶
元気に明るく挨拶をして、授業をスタートしましょう。
②教科書 Small Talk
教科書 p.60の Small Talk のトピック What animal do you like? で児童同士がやり取りを行います。犬が好きと言う場合、“I like dog.” でなく、“I like dogs.” と言います。詳しい説明はこちらに詳しく記載してありますので確認してください。s がつくかつかないかで大きな違いがありますね(笑)。しかし、このような違いを児童が理解しやすいように教えることで、児童の興味関心はとても高まります。
※本時の授業では「動物の鳴き声」について扱います。昨年度までの教科書では動物の鳴き声についてのリスニングがありましたが、新しい教科書では扱っていません。しかし、この授業は、児童も日本語と英語での動物の鳴き声の違いに関心をもち学習している姿が見られました。授業のご紹介という意味も含めて1時目に設定させていただきました。先生方も楽しみながら授業ができると思います。
③動物の鳴き声クイズ
動物の鳴き声から何の動物かを考えさせる活動です。グループで活動させるとよいでしょう。
最初に、「鳴き声しか聞こえない動物園」と題して、7匹の動物が同時に鳴き声をあげる音声を流し、何の動物かを考えさせます。そして、ワークシートを配付し、My Picture Dictionary を参考に7匹の動物名を英語で書き写させましょう。何度か聞かせてから答え合わせをします。
dog, cat, tiger 以外は My Picture Dictionary に載っていないので、答え合わせのときに書き写しをさせるとよいでしょう。
答え合わせの後に、「日本ではブタはどういう鳴き声ですか」を英語で質問し、その後に、校長先生(もしくは、教頭先生、学年の先生など)が英語で答えている動画を流します(事前に動画を撮影しておきましょう)。
Kocho sensei, what does a pig say?
A pig says ブーブー.
ここで先生にぜひトライしてほしいリアクションがあります。「ブーブー。そうだよね。ブタの声はブーブーだよね」と動画の後に大袈裟に言います。それに対してALTには、「What? No! No! No!」というような「それは違うよ!」というジェスチャーをしてもらいましょう。児童はそれを見ながら「なんで?」と首をかしげるでしょう。
「ブタはブーブーと鳴きます」の動画を、教頭先生や学年の先生などの、校長先生以外のものも流し、教師とALTは同じリアクションをとりましょう。児童はこの段階では、ALTがなぜ「違うよ」というリアクションを繰り返しているかは理解していませんが、「何か違うのだろう」と推測はしていると思います。そこから、本時のゴールへとつなげましょう。
(ALTに)What does a pig say?
A pig says “oink oink”.
オインク?
そのようにしてから、④のめあてを提示しましょう。
【ダウンロード】7匹鳴き声クイズワークシート
(記事の最後でダウンロードできます。)
④単元の流れ、本時のめあての確認
単元の流れと本時のめあてを確認しましょう。動物の鳴き声が言語によって違うことを扱う本時の授業は、児童が興味をもって取り組むことでしょう。文化の違いなども含め、母国の日本と外国の言葉の違いは、児童にとっても興味深いようです。
⑤動物の鳴き声(英語)
③の活動(日本語のブタの鳴き声「ブーブー」に教師が「そうだよね。ブタの声はブーブーだよね」と言い、ALTが「What? No! No! No!」とリアクションする)の逆パターンを行います。
ALTの家族などに「ブタの鳴き声は英語で言うと~」の動画を事前に録画してもらったものを流します。ALTの家族は英語のブタの鳴き声を「A pig says “oink oink”.」と言います。それに対してALTには、「That’s right. A pig says “oink oink”. 」と満足気にリアクションをとってもらいます。そこで今度は先生が「え? oink oink?」と不思議そうなジェスチャーをしましょう。
数年前にこの授業を行ったときに、当時いっしょに働いていたALTの家族(アメリカ在住)に「ブタの鳴き声」を録画して送ってもらいました。今は簡単に動画のやり取りができるようになったとはいえ、アメリカの家族にまで頼んで録画してもらったことは、ALTに感謝しかありません。そのときは、ALTとT1がいっしょに授業をつくりあげる感覚があり、ALT自身もこの授業をとても楽しんでくれました。
黒板には、動物のイラストと日本語での鳴き声、英語での鳴き声が視覚的に分かるように色分けされたカードを貼っていきます。
O.K. So, a pig says “ブーブー” in Japanese.
と言って、ブタのイラストカードのすぐ下(日本語カードの列)に貼ります。
A pig says “oink oink”.
と言って、「ブーブー」のカードの下(英語カードの列)に貼ります。
この後の指導の流れは、以下のように行いましょう。
What animal is this?(動物の鳴き声を流す。例:ニワトリ)
What does a rooster say in Japanese?
コケコッコー!
That’s right. A rooster says “コケコッコー” in Japanese.
コケコッコー? What? No! No! No!
この大袈裟なやり取りが、「英語ではどういう表現なんだろう?」という「聞きたい」という気持ちを児童にもたせることができます。総じてALTはリアクションが上手なので、ぜひチャレンジしてみてください。
What does a rooster say in English?(動画があるのでそちらを活用してもOKです)
A rooster says “cock-a-doodle-doo”.
コッカドゥドゥルドゥ?(笑)
That’s right. Let’s say it together. “Cock-a-doodle-doo”.
Cock-a-doodle-doo.
Let’s say it together. 「コッケコッコー!」
コッケコッコー!
Which color is for “cock-a-doodle-doo”?
Green!(黒板に貼られたカードの色)
児童に、英語の音からどのスペルかを考えさせましょう。
①動物の鳴き声を音声で聞かせ、何の動物かを当てさせる。
②その動物の鳴き声を日本語ではどう言うかを聞く。
③動画で、英語ではどう表現するのかを視聴する。
④発話をしてみる。
⑤英語の音からスペルを推測する。
以上のような流れで7つの動物の鳴き声を確認していきましょう。
【ダウンロード】アニマルサウンズシート
(記事の最後でダウンロードできます。)
⑥鳴き声伝言レース
英語での鳴き声の言い方を知ったので、次に、個別で発話できるように伝言レースを行います。
一番後ろの児童を廊下に連れて行き、英語の鳴き声のカード(例えばブタの鳴き声の oink oink)を見せます。このとき、小声で発話を確認します(心配な場合は、個別で1人ずつ発話させます)。発話の仕方を確認したら、教室内の自席に戻り、小声で前の席の友達に “oink oink” と伝えます。先頭の児童まで伝言したら、教師かALTに伝えます。教師とALTは、ホワイトボードなどに各列の伝言のメモを取りましょう。全部の列の伝言が終わった段階で、正解を発表します。途中でウィンクウィンクに変わってしまったり、少し違った表現になってしまったり、楽しく活動できるでしょう。もちろん、先頭の児童に伝言された内容を発表させてもよいでしょう。
1レース目が終了したら、座席を移動させます。私の場合は、レースごとに、1つ後ろの座席に移動させました。
1レース目が oink oink でスタートしたら、徐々に長い動物の鳴き声にするなど工夫しましょう。また、レース後半は2つの動物の鳴き声を伝言させるなどすると、児童は意欲的に活動すると思います。BGMとして動物の鳴き声の英語の歌を流しておくと、次のリスニングの活動につながります。
⑦動物の鳴き声の歌
伝言レース中に意図的に流していた英語の歌の歌詞を、スライドを使って確認していきます。
教師は、What animal is this? や What does a dog say? のように、児童とやり取りをしながら歌詞を確認していきましょう。ネズミだけは本時で扱っていないので、ここでネズミの鳴き声を日本語、英語で確認します。
What does a mouse say in Japanese?
“チューチュー”
What does a mouse say in English?
“squeak squeak”
授業のはじめにALTとやり取りしたようにして進めるとよいと思います。
⑧外国人には日本の動物の鳴き声はどう聞こえる?
日本語の動物の鳴き声が、外国人にはどのように聞こえるかを、ALTの知り合いを通して、アメリカの小学生に聞いてもらいました。日本ではアヒルはどんな鳴き声で表現するかを録画したビデオを送信し、アメリカ人の小学生に見てもらうと、クラス全員が笑っていました。
アメリカの小学生のリアクションを見て、児童に「なんで笑っているのかな?」と考えさせてもいいですね。何人かの児童に発表させ、全体で共有しましょう。
⑨Let’s Listen
本時の復習としてリスニングを行います。何の動物の鳴き声かを考えさせます。教科書には記入スペースがないので、ワークシートを用意しました。ダウンロードして活用してください。
【ダウンロード】Let’s Listen ワークシート
(記事の最後でダウンロードできます。)
⑩ライティング
これまでに学習してきた動物の鳴き声の表現を “なぞって” 真似して書いてみる活動です。薄く印刷しておき、児童に単語をなぞらせます。
ここでの指導のポイントは、教師が机間巡視をしながら What does a (動物名)say? と個別に発話させてみることです。ここで確認したいことは、音声と文字の一致です。児童が指示された英語をすらっと言えたとしたら、その児童の音声と文字の認識ができはじめていると評価することができます。逆にここで読むことができない場合は、教師自身の指導をふり返り、インプットやアウトプットが足りなかったと捉え、改善するための判断材料となります。
私は、児童がなぞっている間はワークシートにある英語をできるだけ多く読ませ、私とALTで評価しています。また、文字を読むことが不安な児童もいるので、教師が What does a (動物名)say? と聞き、児童が oink oink と発話したら、すかさず Very good. A pig says “oink oink”. と大きな声でその英文を言います。それはその子に対しての支援ではなく、他の児童に聞かせるためでもあります。なぞりの活動のときこそ、机間指導が重要です。ぜひ同じように指導してみて、自身の指導のふり返りの時間としてみてください。
【ダウンロード】アニマルサウンズなぞり書きワークシート
(記事の最後でダウンロードできます。)
⑪絵本(Bark, George)
私の大好きな絵本の1つ「Bark, George」の読み聞かせを行います。
「Bark, George」
著/Jules Feiffer
動物の鳴き声が何度も出てきて、児童が楽しみながら読み聞かせをすることができます。ALTと役割を分けて行うとよいでしょう。最後の結末が……あえて何も言わずに読み聞かせを終えましょう(笑)。
1人で行う場合は、動物の鳴き声を1人2役行うのは大変だと思います。YouTubeに読み聞かせの動画がいくつかありますので、それを活用するのもよいでしょう。
⑫ふり返り
本時のふり返りを行いましょう。日本語と英語で動物の鳴き声が違うことに関しての感想を全体で共有することができると思います。
⑬教科書 Sounds and Letters (p.68)
教科書 p.68の Sounds and Letters です。Unit 6 の Sounds and Letters では、2つの文字で表す音、本時は ch の音を扱います。(1)~(4)まで順番に学習を進めましょう。デジタルブックの音声で児童が難しいと感じているようであれば、教師やALTが再度ゆっくり繰り返し発話しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
6年Unit6-1パワーポイント(49スライド)、ワークシート(4点・3ファイル)
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構成/本田有紀子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子