小1国語科「かたかなのかたち」全時間の板書&指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小1国語科「かたかなのかたち」(光村図書)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。
監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/相模女子大学学芸学部 子ども教育学科専任講師・成家雅史
執筆/東京学芸大学附属竹早小学校・曽根朋之
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
平仮名と形が似ている片仮名と、形が似ている片仮名に気付き、文の中で正しく使うことを身に付ける単元です。
平仮名と片仮名を比較したり、形の似ている片仮名同士を比べたりすることを通して、形が近いところを理解し、細かい違いをはっきりさせるとよいでしょう。
指導する際には、理解した違いがはっきりと分かるように書き順やとめ・はね・はらいなど基礎的なことも確認するとよいでしょう。
2. 単元の評価規準
3. 言語活動とその特徴
〇 間違いやすい片仮名が含まれる「間違い文」を書く
この単元では、「間違いやすい片仮名が含まれる『間違い文』を書く。」という言語活動を設定します。
まずは、教師の提示する「間違い文」で間違い探しをすることを通して、平仮名と形の似ている片仮名や、形が似ている片仮名に気付けるようにします。その片仮名が含まれる言葉を集め、文を作り発表し合います。
正しい言葉を丁寧に書くことも取り入れ、間違いやすいポイントを意識しながら「片仮名の形」に気を付けて書けるようにします。
4. 指導のアイデア
〈主体的な学び〉 正しい片仮名と間違った片仮名を比較し、気付きをもてるようにする
「片仮名の形」の特徴に気付くために、教科書の139ページにある表を見て比較する時間をとります。
教師から「片仮名の形」の違いを伝えるだけでなく、このような比較によって、児童自らが平仮名と形の似ている片仮名や、形が似ている片仮名に気付けるようにします。自分の気付きをいかして、文を書く活動につなげる見通しをもたせるとよいでしょう。
〈対話的な学び〉 言葉遊びで間違いやすい語を探し合う
自分で「間違い文」を作るために、間違いやすい語を探します。間違いやすい語を見つけるためには、語彙が豊かである必要があります。
教科書に掲載されているように、間違いやすい語は主に2種類です。
1種は、平仮名と似ている形「かとカ」「きとキ」「せとセ」「もとモ」など、もう1種は、他の片仮名と似ている形「ソとン」「アとマ」「シとツ」などです。
ペアやグループでしりとり遊びなどをしながら、それらの語がつく言葉を集めるとよいでしょう。
〈深い学び〉 意図した「間違い文」を作る
まず、教師の提示した「間違い文」に取り組み、間違いやすい「片仮名の形」を理解します。その後、自分で意図した「間違い文」を作る活動を通して、間違いやすい片仮名の理解を深めていきます。自ら作る活動を通して、多くの「片仮名の形」に注目できるようにするとよいでしょう。
5. 単元の展開(3時間扱い)
単元名: かたかなのかたち
【主な学習活動】
(1時、2時、3時)
① 文の間違い探しを通して、平仮名と形の似ている片仮名や、似た形の片仮名に気付く。
② 間違いやすい片仮名を使う言葉を集める。
③ 間違いやすい片仮名を使う言葉を使って文を作り、発表し合う。
全時間の板書例と指導アイデア
● 主体的な学び
「片仮名の形」の特徴に気付くために、教師が児童にとって比較しやすい片仮名を使った文を示します。その際に、意図的に誤った使用例も示します。日常生活で文字に触れる機会が多い児童たちは、容易に気付くかもしれません。
しかし、こうすることで児童はより主体的に誤りに気付くことができ、間違えないようにしようと意識できます。
さらに、教科書139ページにある表を見て比較する時間をとることで、児童自身が平仮名と形の似ている片仮名や、形が似ている片仮名に気付けるようにします。
今から、ある「間違い文」を読み上げながら見せます。どこが間違っているかを見つけてみましょう。
――「①モっているツールを見せた。」を読み上げながら提示する。――
「モっている」の「モ」が片仮名になっています。
「シール」が「ツール」になっています。
↓令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデアを、続々公開中です!
イラスト/横井智美