名古屋市教育委員会インタビュー:連絡網アプリ【きずなネット】を活用して教職員の業務削減を実施!【PR】

自治体の教育委員会と企業が手を取り合い、学校や先生をサポートしていく好事例として、名古屋市教育委員会と中部電力株式会社の取組をご紹介します。中部電力が運営・サービス提供している学校連絡網アプリ【きずなネット】を使った先生方の業務削減アイデアや、企業と教育委員会との連携の様子など、参考になる事例がいっぱいです。

PR/中部電力株式会社

<お話を伺った方>
名古屋市教育委員会事務局 新しい学校づくり推進課
課長補佐 中本圭亮さん (写真中央)
 
名古屋市教育委員会事務局 新しい学校づくり推進課
主事 碓井真世さん (同左)

中部電力株式会社 事業創造本部
データプラットフォームユニット
副長 諸隈卓也さん (同右)

名古屋市の学校における働き方改革の取組

中部地方の中心都市として、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校を合わせて約400校の学校を設置している名古屋市教育委員会では、教職員が心身ともに健康に働くことができる環境を構築するとともに、 子どもの学びの充実に向けた働き方改革を推進するため、 令和6年3月に「名古屋市学校における働き方改革プラン」を策定し、 令和6年度〜10年度の5年間を計画期間として取組を進めていくこととしています。

名古屋市が取り組んでいる「学校における働き方改革プラン」

現在、学校を取り巻く状況が大きく変化する中で、学校にはより多くの対応が求められ、教職員の業務が積み上がっています。名古屋市では、”時間外在校等時間の上限である1ヶ月45時間を超えて勤務している月がある、または1年間で360時間を超えて勤務している教職員の割合”は、令和4年度において54.3パーセントとなっていました。このような現状をふまえ、教職員の時間外在校等時間の縮減は緊急性の高い課題であると判断し、取組に力を入れていくことになったのです。

この「学校における働き方改革」を推し進めている、名古屋市教育委員会事務局の新しい学校づくり推進課は、企業と連携した革新的な取組にも意欲的です。担当の課長補佐・中本圭亮さんにお話を伺いました。

▶︎名古屋市教育委員会 新しい学校づくり推進課 課長補佐 中本圭亮さん 

中本さん:働き方改革において、時間外在校等時間の縮減は欠かせません。 それに加えて、学校をすべての教職員にとって、安心して チャレンジのできる場所にしていくという視点も重要です。そうした考えから、私たちは働き方改革を進める先の目指したい学校の姿として、『子どもと大人の笑顔のために教職員みんなで対話し、チャレンジできる学校』をプランで掲げています。その実現のために、学校とだけでなく企業とも連携していくことが大切だと思っています。中部電力さんとも、以前から課題感や目標を共有させていただき、関係性を築いてきました」

DXにより教職員の業務を削減し、同時に地域活動の活性化も実現!

名古屋市が教職員の時間外在校等時間の縮減のために着手したのは、チラシ配付業務のDXでした。子ども向けイベント等のチラシを配付することは、教職員の業務の1つとされている学校が少なくありません。しかし、たくさん届く紙のチラシを、毎回クラス別に分けて配る業務は、手間と時間がかかります。

そのため名古屋市では、チラシをデジタル化して、市のウェブサイトに集約することで解決しようとしていました。ですがこれに「チラシがウェブサイトに掲載されたことを保護者に周知させるのが難しい」という新たな課題があったのです。

「学校の業務を少しでも楽にしたい。しかし一方で保護者への周知もしなければならないーー」。そんな中本さんらの悩みを聞きつけた中部電力株式会社の担当者・諸隈卓也さんから、ある日学校連絡網【きずなネット】のアプリ上で、チラシも一緒に閲覧できるようにしたら、先生の業務短縮も叶えながら、保護者にも見ていただけるようになりませんか?と提案がありました。

すでに名古屋市では【きずなネット】を平成27年から導入し、学校からの緊急連絡や災害時の情報など、即時性の高い情報を保護者にお届けするための手段として利用していました。また、児童生徒の欠席・遅刻の連絡機能や、お便りやアンケートが届くなどの学校側の機能だけでなく、突発的な雨などのお天気情報や愛知県警と連携した不審者情報共有など地域に密着した機能も備わっており、保護者にとって便利なアプリとなっていました。

そんな学校連絡網アプリ【きずなネット】ならば、保護者は学校からの通知を見るために日常的に開きます。そこにチラシを見る機能もつけて、学校からの連絡を見るついでにチラシも見てもらおう!というわけです。

さっそく【きずなネット】の機能拡張の開発がスタートし、わずか数ヶ月後の今年7月にはチラシが見られる機能が新たにプラスされたのです。

連絡網アプリ【きずなネット】内の「地域情報」タブを介してデジタルチラシの閲覧が可能になった

【きずなネット】学校連絡網とは?(外部リンク)

企業と対話することで、今までできなかったことができるようになる

中本さん:教職員の時間外在校等時間の縮減については、こういう小さなことの積み重ねが大事だと思います。”チラシを配る”。ただそれだけを聞くと、大したことのない業務のようにも感じますが、そんな小さなことが積み重なって、長時間勤務に繋がってしまいます。

ですから、小さな一部分でも具体的に削減されることが、実際の時間の縮減、負担の軽減につながるのではないかと思います。

今回、諸隈さんたちと対話することによって、企業と手を組むことで、学校だけでは考えつかない新しいアイデアが生まれるということを実感しました。中部電力さんからのご提案を聞いたときは『すごい!』と職場で喜び合ったんですよ!

学校だけでは解決できない課題に対して、企業と対話し、情報を共有し、リレーションシップを結んで、解決していく。そんな協力体制が、今後さらに必要とされていく時代です。学校が外部組織と関わっていくことが、もっと当たり前になっていけばいいなと感じさせるエピソードですね。

中本さんと共に新しい学校づくり推進課で改革を進める碓井真世さんはこう語ります。

▶︎名古屋市教育委員会事務局 新しい学校づくり推進課 主事 碓井真世さん

碓井さん:正直、この仕事をするまでは、学校現場がこんなに大変だとは知らなかったので、驚きました。チラシが何百枚も届いて、それを各クラスに分けて配付するなど、先生たちの労力には頭が下がります。できるだけ早急な対応が必要との思いで、チームで協力した結果、今回は中部電力さんからご提案いただいてから、数ヶ月での実装となりました。課題解決にはスピードも大切ですね。

「知ること・知らせること」から全てが始まります。仕事の課題はひとりで抱え込まずホウレンソウ、周りに情報共有することが大切と言われますが、学校という単位でも同じことが言えるのかもしれません。学校の課題も、対話することで、協力者が見つかるかもしれません。必ずしも学校だけで解決しなくてもよいのです。

スタート直後で結果は上々! 今後のビジョンは?

こうして今年7月10日より、中部電力が提供する【きずなネット】を通して、デジタル化したチラシを閲覧できる仕組みが始まりました。提案者でもある中部電力株式会社 事業創造本部 副長の諸隈卓也さんによれば、スタート直後の結果は早くも上々とのことです。 

▶︎中部電力株式会社 事業創造本部 副長 諸隈卓也さん

諸隈さん:7月10日にスタートしたデジタルチラシの掲出ですが、20日間でデジタルチラシのページ自体は約4万人に閲覧されました。この閲覧数は、他のページと比べても非常に良い数字です。

紙のチラシだと、一度見て捨ててしまうかもしれませんが、デジタルなら何度でも確認できるという利点もあります。今後、実際にチラシの開封率が上がり、イベントへの集客率も上がっていけば、地域企業さんにも喜んでいただけると思いますので、引き続きアプリのUIUX改善なども頑張っていきたいと思います」

最初は中本さんたちも「保護者の皆さんに使ってもらえるだろうか」「情報が確実に届くだろうか」といった心配をもっていましたが、実際には予想以上の反響が。保護者が見るアプリとして、さらに便利なものになるよう、今後も学校現場の声を反映し、中部電力と連携しながらアップデートは続く予定です。

すでに名古屋市立の学校で数多く活用されているこの【きずなネット】、今後さらなる広がりも期待できますし、アプリを通じて学校・家庭・地域がより強く柔軟につながる未来を期待できそうです。

中本さん:「この他にも、働き方改革の取組としては、デジタル採点システムを昨年度9月から名古屋市立の全中学校・高等学校で導入しています。テストの解答用紙をスキャンして、システムに取り込み採点をするもので、これを利用することで採点にかかる時間が半減したとの声も学校から聞いています。

今後も、学校の自己決定を主体としながらも、私たちもその思いに寄り添い、今回のように企業さんとも手を取り合って、新たな挑戦を続けていきたいと思っています」

名古屋市教育委員会事務局の今後の展望としては、「個々の学校による取組に質の差が出ないよう、なるべくどの学校にも広められるよう周知をしていきたい」とのこと。

また中部電力も、「地元企業として、電力や学校連絡網という既存の枠にとどまらず、子育て世代に寄り添う取組を広げていきたいと考えている。今後も、社会課題の解決に一緒に取り組んでいきたい」と、両者の思いはひとつ。子育てに関する記事が読める「よみもの」も今後拡充させていくという。

連絡網アプリ【きずなネット】内の「よみもの」タブから子育てに関するさまざまな記事が読める

参考リンク:きずなネットの「よみものWeb」子育てに関わる人々を応援するよみものが満載のWebメディア

このような連携により、より多くの学校でデジタルツールの利用と平準化が進めば、先生方の負担軽減とともに豊かな教育環境・子育て環境ができることで、学校の先生と子供たちの笑顔を増やすことになるでしょう。今回ご紹介した名古屋市と中部電力のようなコラボレーション事例が、全国の他の地域へも広がっていくことが期待されます。

取材・構成/田口まさ美

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