小５らくらくUnit ３「Can you play dodgeball?｣③【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のNEWスライドde外国語｣。2024年度の教科書改訂に合わせて、パワーポイント教材をリニューアル。

今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit ３「Can you play dodgeball?～できることを伝え合おう～」第３時（Can you ～? の表現を使って、友達と簡単なやり取りをしよう）の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント（スライド）教材１つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ！

執筆／福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修／拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学５年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit ３「Can you play dodgeball?～できることを伝え合おう～」全８時の３時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント（スライド）を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント（スライド）を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで１時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。

• クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
• デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

〇単元目標
自分のことを話したり、友達のことをよく知るために、できることを聞き取ったり伝え合ったりすることができる。アルファベットの文字の形に注意しながら書くことができる。

○単元のゴール
「できることカード」を使って、友達とできることを伝え合おう。
○本時の目標
Can you ～? の表現を使って、友達と簡単なやり取りをしよう。

本時の流れ（例）

1. 挨拶
2. 単元のゴール、本時のめあての確認
3. 教科書 Let’s Chant
4. 教科書 Watch and Think
5. インフォメーション・ギャップ（前半）
6. 中間指導
7. インフォメーション・ギャップ（後半）
8. 教科書 Sounds and Letters
9. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? などの質問をしてみましょう。

②単元のゴール、本時のめあての確認

③教科書 Let’s Chant

教科書P28に載っているチャンツです。I can dance well. Can you swim?の２つのチャンツを行いましょう。朝の時間や帰りの会など、授業以外の時間に行うと効果的です。

④教科書 Watch and Think（P29）

「ベーカー先生が自分のできることについて話しているよ。映像を見て、質問に答えよう」

教科書のWatch and Thinkの問題を行います。映像を視聴する前に、イラストのスポーツの単語を確認してから始めましょう。

１時目の Who am I? クイズや２時目の絵本「SWING!」の読み聞かせなど、様々な学習を通して本単元で扱うcanの表現のインプットを行ってきました。児童には徐々にcanの文の意味を推測する力が付いてきています。

動画を視聴させる場合も、いくつか工夫して進めることができます。最も考えたいのは、児童とやり取りをしながら進めることです。

単元の構成を考えるときに、学習のつながりをもたせること、スパイラルに学習していくことが重要です。児童が「この英語の音、どこかで聞いたことあるな。見たことあるな」と内言や独り言が出ることが大切です。そのために教師は意図的に単元の構成を考えていきましょう。

最後の表現が It’s your turn. What do you like? What can you do?となっています。Watch and Thinkでは、スポーツについて扱っているので、Do you like sports? とか What sports do you like? など、児童と話をすることもできるでしょう。

さらに「ベーカー先生に伝えたいあなたのできることを考えよう」のYour Planを記入させて、全体で共有することもできます。

また、次のインフォメーション・ギャップにつなげるため、以下のイラストについて、児童とやり取りを進めることもできるでしょう。

Can you play the piano? などを全員で発話したり、児童に Yes, I can./No, I can’t. と答えさせたりしてみましょう。また、Can you cook? の質問は少し深掘りして、What can you cook? と問えば、５年生が自分で作れるものを答えてくれるでしょう。教師がまず自己開示をして例を見せると、スムーズにいくと思います。

ある児童が以前、I can cook インスタントラーメン. と自信満々に言っていたことがあります。料理ではないですが、学習している内容を使って表現していました（笑）。もちろん、学級は和やかな雰囲気になりました。

⑤インフォメーション・ギャップ（前半）

インフォメーション・ギャップは小学校でも中学校でもよく行われる活動で、実際に実践されている先生方も多いかと思います。

１．児童は、カード（ワークシート）の一番左の列の中から、どのキャラクターになりきるかを決める。そのキャラクターに赤で○をする。
２．友達とじゃんけんをする。勝ったほうが１つだけ質問をする。
３．友達が何のキャラクターになっているか Are you ～? を使って質問する。
４．友達がなりきっているキャラクターを当てることができたら、カードを友達からもらう。
５．カードをたくさん集めた児童の勝ち。

＜例＞
Can you play baseball? と質問して、相手が Yes, I can. と答えたとすると、Mr.Simon、Baby Simon、Simon Dogのいずれかになっている可能性があります。

私が行う場合は、じゃんけんで勝った児童のみ質問することができ、その質問は１つまでと制限しています。２、３問すると友達がどのキャラクターになっているかすぐに分かってしまいます。ちょっとしたゲーム性も取り入れて行うと、楽しみながら活動をすることができます。最初にALTとデモンストレーションを行って見せると、児童も簡単に理解できるでしょう。この活動は Unit 1 でも行っているので、スムーズに行えると思います。

【ダウンロード】
インフォメーション・ギャップカード
（記事の最後でダウンロードできます。）

⑥中間指導

中間指導では、上手に行っている児童同士や、ALTと児童で行うとよいでしょう。挙手をしてボランティアを募る場合は、当てることができたらカードを１枚与えるようにすると、うまくいきます。たくさんの児童がやりたいと手を挙げてくれると思います。

また、この活動をすると必ず、単語のみで答える児童が出てきます。あえてよくないデモンストレーションを見せ、児童に何がよくないのかを発表させることもできます。その動画をスライドに入れてあるので見せてみてください。

同じようにALTとデモンストレーションして、よい例との違いを気付かせる機会としましょう。

⑦インフォメーション・ギャップ（後半）

後半の活動では、教師は児童の活動を見取ります。 この授業では、児童が中間指導で気付いたことをアウトプットできているかをチェックしてみましょう。前半の活動と後半の活動で児童の姿がどのように変容したか、もしくはしなかったか、児童の姿を見て自己の指導をふり返る機会とすることができます。

多くの児童に変容が見られれば、中間指導の指導効果があったと自分自身を称賛し、１つの成功例としましょう。逆に変容があまりなかった場合は、自己の指導方法の何がよくなかったのかをふり返ればよいのです。その真摯な取組の積み重ねで、授業の指導技術は必ず向上していきます。

⑧教科書 Sounds and Letters　大文字と小文字のペア（P36）

教科書に載っている Sounds and Letters の問題です。本時は、大文字と小文字で形が似ているけれど、少しだけ違うアルファベットを、児童が考えることができるように指導していきます。大文字と小文字の似ているアルファベットは全部で８つありますが、本時はそのうちの４つを扱い、残りの４つは次時に扱います。

教科書を開いてしまうとどんな文字か分かってしまい、「なぞる」だけの活動になってしまうので、教科書は開かせずに、児童が思考できるように進めましょう。

まずはモニターに以下のパワーポイントを提示します。

形が似ている大文字・小文字なので、スライドの下の部分で、C c や O o のように形のまったく同じ大文字・小文字ではないことを伝えます。英語で行う場合は以下のように進めてみてはいかがでしょうか。

と言ってクリックして、「 F 」を表示させます（Ｆは、青いパネルの部分以外をクリックしても最初に開くようになっています）。

児童が黒板に「 ｆ 」と書いてからクリックして「 ｆ 」を表示させます（ｆは、青いパネルの部分以外をクリックしても開くようになっています）。

と言って児童同士で考える時間を与えましょう。

そして、児童に発表してもらい、該当するアルファベットの色のパネルをクリックして、答えを表示させます（教師は、教科書P36を手元に開いておき、どのパネルの下にどのアルファベットがあるか、把握しておきましょう）。本時では、アルファベット４つだけ扱い、残りは次時にとっておきましょう（本時で扱ったアルファベットをメモしておき、次時のパワポを調整してください）。

左上「Ｆ, f」の青いタイルは、スライド上のどこをクリックしても順番に開きます。それ以外のパネルは、パネル自体をクリックすると開くようになっています。

黒板にアルファベットを書かせて発表させる方法もできると思います。実態に合わせて行ってください。

⑨ふり返り

本時の学習をふり返り、感想を全体で共有します。ふり返りは⑧の前に行ってもよいと思います。

居村啓子（いむらけいこ）
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得｣、｢フレーゾロジー｣。

本好利彰（もとよしとしあき）
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。

パワーポイント（スライド）ダウンロード

５年Unit３-3パワーポイント（26スライド）、ワークシート（１点）

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構成／浅原孝子　イラスト／畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 　アニメーション／鶴岡信治　歌・チャンツ／本田有紀子