小5国語科「漢字の広場①」全時間の板書&指導アイデア

特集
1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」

文部科学省教科調査官の監修のもと、小5国語科「漢字の広場①」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される子供の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小五 国語科 教材名:漢字の広場①(光村図書・国語 五)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/東京都西東京市立田無小学校校長・前田元
執筆/東京都葛飾区立渋江小学校・竹株陽香

1. 単元で身に付けたい資質・能力

この単元では、第4学年までに学習した漢字を使い、学校図書館の利用方法を説明する文を作る活動をすることで、第4学年までに学習した漢字を確実に定着させることをねらいとします。
教科書の挿絵にある学校図書館の本の場所や使い方の場面を参考にしながら、実際に学校図書館の利用者になったつもりで文を作り、既習の漢字を文章の中で活用できるようにします。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

この単元では、学校図書館を舞台に既習の漢字が散りばめられています。公共の場でよく用いられる表現が多く、児童にとっては身近に感じることができる場面設定です。
しかし、使いこなすことが難しい熟語も見られます。そこで、実際の学校図書館の画像を活用し、学校図書館司書の人になりきって配架や利用の仕方について説明する文を書く活動を設定します。
p70に示されている楽しい絵の中に表された場面と言葉をきっかけにして、学校生活の中にある語句に意識を向け、語彙を広げていく学習になるように展開していきます。
友達と二人組のペアを作り、学校図書館司書の役と学校図書館の利用者の役を分担して、作成した文を読み合ったり、感想を伝え合ったりします。役割を分担して互いの気付きや感想を伝え合うことによって、生活語彙にない言葉の理解を深めることができたり、間違った漢字や文法を指摘し合ううちに、文を整える力を高めたりすることができます。
5年生になると委員会活動が始まります。学んだことを生かして、図書委員は、学校図書館の利用方法を案内するポスター作りなどに発展させていくのもよいでしょう。
今回の活動だけで終わらせず、普段の生活の中でも習った漢字を使えるように導いていくことが大切です。

4. 指導のアイデア

学習の導入では、日常の学校図書館の利用方法について考える時間を設定します。
学校図書館司書の方と連携し、「学校図書館の使い方を確認しておいてほしい」と依頼をしていただき、学習のきっかけにします。
5年生のこの時期に改めて学校図書館の使い方を確認するために、教科書p70の挿絵や言葉を用いて学校図書館の使い方を説明する文を作ることを伝えます。学校図書館司書の方の依頼を生かして、普段は利用者側だった児童が、本単元では管理側の立場に立って利用方法を説明することを確かめ、学習の見通しをもちます。
また、図書委員や学校図書館司書の方に教えてもらったことなどを自由にやり取りしながら、使う言葉のイメージをふくらませていきます。例えば「何冊借りてよいか教えてもらった。」と児童から発言があったら、「教科書p70にある漢字を活用して説明できないかな。」などと投げかけることで、漢字を用いて説明するイメージがもちやすくなります。依頼をもとに、児童の経験を具体的に生かしながら、主体的な取り組みにつなげていきます。
文を作るときは、あらかじめ撮影しておいた学校図書館の画像を活用します。共有ドライブに画像を保管しておき、児童が教科書p70を参考にしてイメージした文に合う画像を選び、手書き入力で文を入力していきます。
文を作ることができたら、クラスの共有ドライブに作品を保存し、友達と確かめていきます。
このとき、学校図書館の使い方を説明する文であることを改めて確認し、読み合うようにします。
友達と二人組を作り、お互いの作品を管理側と利用者側の視点から読み合います
書いた文の中で漢字が正しい意味で使われているか、説明の仕方が分かりやすいかなどを確認していきます。文を読み合い、確かめる際には、4年生での学習を生かし、国語辞典や漢字辞典を教室に準備しておきましょう。書いた文が説明に適さない場合は、正しい言葉の活用方法を考えたり、違う言葉を使用したりすると、語彙を増やしていくことにつながります。
友達が使っている漢字とその説明の仕方を知ることによって、同じ使い方や違う説明の仕方に気付くことができます。また、同じ漢字を使っていても、違う説明の仕方を考えることもできます。

5. 単元の展開(1時間扱い)

 単元名: 漢字の広場①

【主な学習活動】
第1次(1時
① 教科書p70の漢字の読み方と意味を確認する。
② <例>を活用して、漢字を使った文作りの仕方を確認する。〈 端末活用 〉
③ 挿絵の漢字を参考にして、これまでに学習した漢字を生かして図書館の使い方を説明する文を作る。
④ 作った文を確かめる。
⑤ 完成した文をGoogleドライブに保存し、学級全体で確かめる。

全時間の板書例と指導アイデア

【1時間目の板書例 】

イラスト/横井智美

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