小1 国語科「あいうえおで あそぼう」全時間の板書&指導アイデア

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1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」
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文部科学省教科調査官の監修のもと、小1国語科「あいうえおで あそぼう」(光村図書)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

 小一 国語科 教材名:あいうえおであそぼう(光村図書・こくご 一上)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/相模女子大学学芸学部 子ども教育学科専任講師・成家雅史
執筆/東京学芸大学附属竹早小学校・曽根朋之

1. 単元で身に付けたい資質・能力

「あいうえおであそぼう」という教材を使って言葉遊びを楽しむ単元です。
本単元の前までに五十音の読み書きは一通り終えているため、ひらがなへの関心をより高めるために、言葉の豊かさを知ったり、音読を楽しんだりすることを目的とします。
具体的には、「長く親しまれている言葉遊びを通して、言葉の豊かさに気づくこと」「口形、発声や発音に注意して話すこと」を資質・能力として身に付けられるようにします。

「長く親しまれている言葉遊び」とは、「いろはうたやかぞえうた、しりとりやなぞなぞ、回文や折句、早口言葉、かるたなど、昔から親しまれてきたもの」と学習指導要領の解説編には示されています。本単元では、「長く親しまれている言葉遊び」にもつながる教科書書き下ろしの「あいうえおであそぼう」が扱われています。

また、「言葉の豊かさに気づくこと」とは「言葉のリズムを楽しんだり、言葉を用いて発想を広げたりすることで、言葉のもつよさを十分に実感すること」とされています。
「あいうえおであそぼう」を何度も声に出しながらリズムのよさを感じたり、規則性を見つけたりすると言葉の豊かさに気付いていく児童が増えていきます。

さらに、見つけた規則性に合わせて自分なりにあいうえおうたを創作する活動を行うことで、言葉の豊かさを体感できるようにします。
教科書書き下ろしのものや、自分で作ったものを声に出して読む際に、五十音表を確認しながら段ごとに同じ口形になっていることに気付くことで、「口形、発声や発音に注意して話すこと」も身に付けられるようにしていきます。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

この単元では、「あいうえおうたを作る」という言語活動を設定します。
まずは、教科書に示されている「あいうえおうた」を読んで楽しみながら、規則性を見つけていきます。次に、その規則性を意識して自分なりの発想を広げて、あいうえおうたを作り声に出して読むことで、言葉遊びを楽しみます。
児童は楽しみながら活動しますが、教師側は具体的な評価規準を意識しながら指導することで、児童の姿を具体的に価値付けられるとよいでしょう。

4. 指導のアイデア

〈主体的な学び〉 自分であいうえおうたを作る

教科書の「あいうえおうた」をたくさん声に出して読むことで、だんだんと規則性に気付けるようにしていきます。
また、規則性から外れたものを教師が意図的に提示することで、規則性への理解を深めます。
「自分にもできそう」という見通しをもてると、主体的な学びへとつながっていきます。言葉が思い浮かばない児童が多い場合には、実態に応じて言葉集めを行ってもよいでしょう。

〈対話的な学び〉 他者の作ったあいうえおうたを楽しむ

見通しをもてた児童が「あいうえおうたを作ろう」と思っても、児童全員がすべての行の「あいうえおうた」を作るのは難しいものです。
そこで、まずはリズムが合うように作ることに重点を置き、自分で選んだ行のあいうえおうたを一つでもいいので作ります。多くの児童が一つは作り上げた段階で、友達のものと見比べる時間をとります。
友達のものと見比べて、自分の発想に生かしたり、何人かで協力してすべての行を網羅した「あいうえおうた」を作ったりする姿が想定されます。
児童にとって、必要感があり効果的だと感じられる対話的な学びを意識できるとよいでしょう。

〈深い学び〉 よりよいものを作れる環境設定

教科書の「あいうえおうた」の規則性に捉われる必要はありませんが、その規則性に沿って、よりよいものを考えようとする姿勢は大切にしたいところです。
そのために、主体的な学びに示した言葉集めや、対話的な学びで示した他者の知恵を借りるという手段を使って取り組むといった活動を計画しておきます。
また、できたものを実際に読み、それを1人1台端末で録画することで、自分のつくった「あいうえおうた」のリズムや口形を振り返る機会をつくり、よりよいものを作れるような環境設定をするとよいでしょう。

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

・音読を録画し、見返す

実際に作り始めると、作る時間に個人差が出たり、できたことに満足してやることがなくなってしまう児童が出てきたりすることが考えられます。
そこで、1人1台端末で録画し、それを見て振り返る活動を入れるとよいです。
それによって、リズムや口形を振り返る機会となり、児童自身がよりよくしようとするきっかけづくりにもなるため、活動としてより質が高まっていきます。

6. 単元の展開(3時間扱い)

 単元名: あいうえおであそぼう

【主な学習活動】
1時2時3時
① 口形を意識しながら「あいうえおうた」を読み、仕組みに気付く。
② 自分で選んだ行の「あいうえおうた」を作ったり、友達と読み合ったりする。
③ オリジナル「あいうえおうた」を作り、少人数で読み合う。

全時間の板書例と指導アイデア

【1時間目の板書例 】

イラスト/横井智美

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