小1算数「なんばんめ」指導アイデア《順序や位置の表し方》
執筆/新潟市教育委員会学校支援課指導主事・清野佳子
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、新潟市立新津第一小学校・第一幼稚園校園長・間嶋哲
目次
単元の展開
第1時 数を用いて順序や位置を表すこと。前後にかかわる順序や位置の表し方
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第2時(本時)上下、左右にかかわる順序や位置の表し方。上下左右どちらからも見ることができる順序や位置の表し方
本時のねらい
上下や左右という方向に関する言葉や真ん中や何番目などの位置を表す言葉を用いて、ものの位置を判断したり表現したりできる。
評価規準
- あるものを基準として、「上下」や「左右」という方向に関する言葉を用いて位置を表すことができることを理解し、ものの位置を表すことができている。(知識・技能)
- 基準とするものによって、ものの位置の表現が異なることに気付いている。(思考・判断・表現)
- 基準を決めて、進んで身の回りのものの位置を表そうとしている。(主体的に学習に取り組む態度)
本時の展開
学習参観で絵画や工作の作品を展覧する機会など、身の回りの事象から、子供にとってものの位置を表す必然性が高い題材を選びましょう。
みんなが作ったこいのぼりを、次の参観日でおうちの人に見てもらえるように、教室の後ろに掲示しました。
全員のこいのぼりが並ぶと、どれが自分のこいのぼりか分からないな。
では、今日は、そのことを算数の問題にしましょう。
じぶんの こいのぼりが どこに あるかを おうちの ひとに つたえよう。
例えば、 赤い丸で囲んだこいのぼりの場所は、 どう言えばいいでしょうか。
真ん中のこいのぼりと言えばいいと思います。
ロッカーのほうから3番目とも言えます。
上から3番目とも言えます。
「真ん中」とは、どのように考えたのですか。
下から数えても上から数えても、どちらも3番目だから真ん中です。
今は、こいのぼりが全部で5つあるから、上と下両方から1、2、3と数えていくと、3のときにちょうどぶつかるということです。
※実際に子供に数えさせる。
「ロッカーのほうから3番目」とは、どのように考えたのですか。
※実際に子供に数えさせる。
ロッカーのほうから上へ数えて、3番目ということか。下から3番目とも言えるね。
「上から3番目」は、天井に近いほうから下へ数えて3番目ということだね。
いろいろな言い方で伝えられそう。
こいのぼりは横にも並んでいるから、横の言い方が分かれば、おうちの人に自分のこいのぼりを見付けてもらえるよ。
横に並んでいるものの場所は、どのような言い方ができるかな。
見通し
赤い丸で囲んだこいのぼりの場所を言いましょう。今までの言い方や考え方で使えそうなことはありますか。
何番目という言い方は使えそう。
前や後ろ、上や下みたいに、どこから数えたかが分かる言葉がいるよね。
「ロッカーのほう」とか、目印のものを見付けるといいよ。
自力解決の様子
A つまずいている子
「3番目」や「4番目」と位置を表す言葉は用いているが、自分や身の回りのものを基準にすることができないために、「左右」などの方向を表す言葉を用いていない。
B 素朴に解いている子
「左から3番目」や「時間割表のほうから右へ3番目」など、自分や身の回りのものを基準にして、ものの位置を表現している。
C ねらい通り解いている子
「左から3番目だし、時間割表のほうから右へ3番目とも言える」など、複数の基準をもってものの位置を表現している。
学び合いの計画
子供たちは、園や入学後の生活で整列する経験が多いため、 第1時で学習した「前後」を用いてものの位置を表す場面は、方向を想起しやすいと考えられます。一方、「上下」や「左右」にかかわる経験には個人差があることが予想されます。
イラスト/横井智美、やひろきよみ