小2算数「分けた大きさ」指導アイデア(5/5時)《折り紙くじの仕組みを考える》
執筆/東京都立川市立幸小学校教諭・小泉友
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、東京都目黒区立八雲小学校校長・長谷豊
目次
単元の展開
第1時 同じ大きさに2つに分ける(半分)という操作に着目し、分けた1つ分の大きさの表し方について、元の大きさの二分の一と言い、[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]と書くことを知る。
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第2時 同じ大きさに4つ(8つ)に分けるという操作に着目して、分けた1つ分の大きさの表し方について考える。
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第3時 これまでの表し方に着目して、同じ大きさに3つに分けた1つ分の大きさの表し方について考える。
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第4時 2つの数量の関係に着目して、倍や分数の意味について捉える。
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第5時(本時)チャレンジ問題や面白問題に取り組むなど、学習内容を習熟したり発展させたりする。
本時のねらい
半分にした大きさを二分の一と言い、[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]と書くことが分かる。
評価規準
半分に分けた1つ分を、基の大きさの二分の一と言い、[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]と書くことを理解するとともに、紙を折ってもとの大きさの[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]をつくることができている。
本時の展開
今日はラッキー占いをします。
※封筒の中に、正方形の紙でつくった上のような絵柄(図)の「くじ」を入れておく。くじは後で、黒板に掲示するので大きめがよい。くじの裏には「大吉」「吉」「中吉」と書いておく。(大吉[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]、吉[MATH]\(\frac{1}{4}\)[/MATH]、中吉その他[1])
封筒の中にくじが入っています。くじは「大吉」「吉」「中吉」の3つがあります。では、くじを引きたい人はいますか。
※子供たちとくじ引きをしていく。くじ引きをしていくときにはまず図のほうを見せ、「これは大吉・吉・中吉どれかな?」などと、図を見て、くじを予想させながら進めるとよい。
やった~。大吉だ!
僕は中吉だったよ。
僕も大吉だ!
※それぞれのくじを黒板に「大吉」「吉」「中吉」ごとに貼っていく。
■授業前半の板書イメージ
先生、もう大吉の仕組み、分かっちゃいました。
どういうことですか?
もう、見たら「大吉」かどうか分かります。
今、「大吉」が分かると言っていたけど、どういうことか、みんなは分かりますか。
大吉の仕組みはどうなっているのかな。
どういうことだろう。
半分だよ。先生、「大吉」は全部半分になっています。
今、半分と言ったけど、本当に半分になっていますか。
見通し
どうすれば、半分になっていることを確かめることができますか。
折ってみたら半分になっていることが分かると思います。
なるほど。折ってみますね。
切ってみて、重ねてみたら、ぴったり重なるかどうか調べることができます。
切ってぴったり重なったら、半分だと調べることができるんですね。では、今から大吉の紙を配るので、折ったり、切ったりして、半分になっているのかどうか調べてみましょう。調べることができた人は、どうやって調べたかをノートに書いてみましょう。
自力解決の様子
A つまずいている子
折ったり、切ったりするが、半分を確かめることができない。
B 素朴に解いている子
一つの大吉について半分になることを調べ、その方法をノートに記述している。
C ねらい通り解いている子
複数の大吉について、半分になることを調べ、その方法をノートに書いている。
自力解決の様相から、子供たちの状況を評価します。ここでは、指導に生かす評価を意識し、特にAの子供に対して、どのような指導を行うかということが大切です。
今回の授業での自力解決は、操作が中心となります。子供たちの操作の様子について、「よく折ることができたね」「面白いことを考えたね」「二つ目も挑戦しているんだ」と価値付ける声かけをすることで、次の作業に進もうとする子供を増やしていくこともできます。
また、手先の器用さの問題で、半分のイメージはあっても操作が難しい子供もいることが考えられます。そうした場合には、個別に話を聴き、どのような操作を考えているかを引き出し、一緒に操作するような指導も必要です。
学び合いの計画
イラスト/横井智美