小1算数「なんじなんぷん」指導アイデア(1/2時)《「何時」「何時半」ではない時計の読み方》

執筆/埼玉県上尾市立原市南小学校教諭・宮河俊宏
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫

目次
単元の展開
第1時(本時)時計を見て時刻を読むこと
▼
第2時 模型時計を使って、時刻を読んだり、表したりすること
本時のねらい
時計を見て、時刻を読み取ることができる。
評価規準
時刻板の目盛りに着目して時刻の読み方や表し方を考え、説明している。
本時の展開
皆さんは、いつも何時に起きていますか。
6時半です。
6時です。
7時です。
では、昨日は何時に寝ましたか。
8時です。
7時半です。
8時半です。
一日の生活のしかたは一人一人違っているのですね。ですが、時計を使うと、どんな一日を過ごしているのか、友達にも教えることができそうです。では、絵の女の子は何をしているのか、時計を使って一日の生活をお話しましょう。

朝、6時に女の子が起きています。
6時は、どのように読んだのですか。
短い針は6で、長い針は12を指しているからです。
では、次の絵はどうですか。

女の子は7時半に学校に出かけています。
短い針が7と8の間にあるから、7時半です。
半のときは、長い針が12ではなく、6を指しています。
6時に起きて、7時半に学校に出かけました。
皆さん、時計を使って上手にお話することができていますね。では、女の子の一日をまとめて見てみましょう。
いちにちの せいかつを おはなししましょう。
次は学校で勉強している。でも何時って言えばいいのかな。
10時は過ぎてるけど……、何時とか何時半だけでは、上手く伝えられない。
今日は、「何時」「何時半」ではない時計の読み方を考えていきましょう。
「何時」「何時半」ではない時計の読み方を考えよう。
見通し
「何時」かは、短い針を見れば分かるから、長い針が「何分」かが分かればいいと思う。
長い針を読むために、周りの目盛りを見ていけば分かるかな。
長い針が1周すると短い針の数字が1つ進むから、短い針と長い針の動き方には、どんなきまりがあるのかな。
自力解決の様子
A つまずいている子
- 短い針が8を指しているので「8時」と読んでいる。
- 「分」を読む際に、時計の文字盤の数字「11」をそのまま読んで8時11分と表す。
B 素朴に解いている子
- 模型時計を動かしながら、短針が7と8の間にあるので「7時」、長針が55目盛り分なので「55分」と読むことができる。
- 時計の一目盛りが1分であることを理解し、長針の指す時刻を読むことができる。
C ねらい通り解いている子
- 一目盛りが1分であることを理解し、長針を読み取る際、5分刻みや10分刻みの数え方を活用し、「55分」と読むことを説明している。
- 短針の位置からまだ8時になっていないことを、長針と短針の動きの決まりに着目して説明している。
学び合いの計画
学び合いの時間では、短針が8に近い場合など、誤答になりやすい時刻を取り上げ、誤答の理由を説明させる際に、短針が数字と数字の間にあるときは、時計の針は右回りに進むことから小さいほうの数字を読むことを確認することで、「何時」の読み方の理解を深め定着させていくことが重要です。
また、「短針の読みのつまずき」を改善するためには、模型時計を操作することにより、短針と長針の関係に着目させ、長針が一回りする間に、短針が数字1つ分進むことを確認できるようにします。

さらに、目盛りが60あることに気付かせ、短針の数字1つ進む間に長針が60目盛り進むこと、1目盛りが1分を表すことをしっかりと押さえることが大切です。
「長針の読みのつまずき」を改善するためには、時計の文字盤の小さい目盛りに「何分」を表す数字を書き込んだり、短針を読み取る文字盤の数字と長針を読み取る目盛りの数字を色分けして区別させたりするなどして、短針は「何時」を表し、長針は「何分」を表すという機能が違うことを確認できるようにします。
また、模型時計の操作を伴った学習で理解と定着を図り、「何分」を1目盛りずつ目盛りを数えて読んでいる子供には、既習の5とびの数え方を想起させ、長針の読み方を工夫して考えたり、表現したりすることができることに気付かせていくことで理解が深められるようにします。
ノート例

全体発表とそれぞれの考えの関連付け
では、この時計は何時何分でしょうか。

8時55分です。
8時11分だと思います。
7時55分です。
あれ? 同じ時計なのに、「何時」や「何分」の読み方に違いがあるようですね。初めに、なぜその「何時」の読み方になったのか話し合ってみましょう。
短い針が8を指しているから、「8時」だと思いました。
まだ8時ぴったりになっていないから、「7時」だと思います。
そうか。8時になる一周の間はずっと同じだから、まだ「7時」なのね。
一周回りきるまでは、短い針は数字と数字の間にあるってことだから、小さい数字のほうを読むんだったね。
短い針だけ見ると間違えてしまいますね。「8時」ぴったりになる直前は、長い針と短い針の進むきまりについても考えていかないといけないんですね。では「何分」は、どのように求めたのですか。
長い針が「11」を指しているので、「11分」だと思います。
でも、小さな目盛りが1周60あるので、「11分」だと変だよね。
そうなんです。長い針の1目盛りは「1分」を表します。では、長い針は何目盛りのところを指していますか。
時計の周りにある目盛りを1つずつ数えると、55目盛りになったので「55分」だと思います。
私は、目盛りを1つずつ数えていくのは大変だと思ったので、5ずつ数えていきました。「11」が指すところまで、5、10、15、20……と数えて「55分」と読みました。
「何分」を読むときには、目盛りを5ずつ数えたほうが簡単だね。
その通りですね。「何分」を読むためには、長い針が時計の目盛りのどこを指しているのか考えないといけないんですね。時計板に書かれている数字をそのまま読んでしまわないように気を付けましょぅ。
時計は、7時55分です。
・短い針で「何時」が分かる。
・長い針で「何分」が分かる。
評価問題
よみかたの まちがいを みつけ、ただしく とけいを よみましょう。

子供に期待する解答の具体例
・「何時」を読むときは、短い針を見て、数字の小さいほうの数を読む。
・「何分」を読むときは、長い針を見て、目盛の数を読む。
〇9じ 5ふん ⇒9じ 25ふん
〇10じ 57ふん ⇒9じ 57ふん
感想例
- 「何時」を読むときは、短い針が何時と何時の間にあるかを確かめて、時計を読みたい。
- 「何分」を読むときは、長い針が何目盛りのところにあるかを確かめて、時計を読みたい。
- 長い針の目盛りは5とびで数えると簡単でした。
- もっとたくさん時計を読んで、自分の生活について友達に教えられるようになりたい。
イラスト/横井智美、やひろきよみ
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