自己有用感が高まる縦割り班活動(異学年交流活動)

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高学年になると、各委員会の委員長やクラブ活動のクラブ長など、リーダーとして活躍する児童が多く現れます。それとともに、縦割り班活動や1年生との交流活動では、学級のほとんどの児童がリーダーとして下学年とかかわることになります。そうした活動にあたっては、高学年としての自覚や自信を持って活動させたいものです。ここでは、さまざまな異学年交流活動によって人間関係を広めたり深めたりする中で、どの子もよさを生かし、自己有用感を高めていける方法を考えていきます。

執筆/広島県公立小学校校長・寺戸典子

縦割り班活動とは?

縦割り班活動Q&A

Q1 どうやってメンバーを決めるのですか

例えば、名簿表に、まず6年生と1年生のペアを決めて入れていき、その後に2〜5年生を入れます。男女関係や兄弟関係のほか、人間関係や配慮を要する児童などについて記号やマーカーで印をつけておくとよいです。最後に全体を見て確認し、担当教員を決めます。

Q2 担任同士の連携が難しいのでは?

高学年(特に班長のいる学級)の担任は、子供たちと担当の先生との話合いの時間を確保することが大切です。どんな活動も、計画や準備の時間をとらないまま子供任せにすると、失敗して、やらないほうがよかったという結果になってしまいます。

Q3 トラブルが増えそうな気がして心配です

縦割り班活動のよいところは、全員の児童を全教職員でみることができるというところです。トラブルが起きると、つい高学年の担任が介入することが多いですが、その班の担当教員にも声をかけ、一緒に話を聞くようにしましょう。

やってよかった! 楽しい縦割り班活動(児童会の集会活動の例)

春から夏にかけて、さまざまな縦割り班活動を行い、班のメンバーの人間関係も少しずつできてきたところで、子供たち主体の楽しい活動を計画するようにします。

STEP1 事前の指導 (高学年の学級で話し合う)

1 どんな活動にしたいか(ねらい、目的)

  • 自分たちが下学年にやってあげたいことや自分たちでできることは何か。
  • 活動が終わったときにどうなっていたいか。

2 話合いで内容を決定し、計画を立てる

  • どんな役割が必要か。
  • 時間配分はどうか。
  • 準備することは何か。

3 準備や練習をする

教師は、準備のための作業時間の設定を行い、一部の児童だけの負担にならないようにし、児童が困っていたらアドバイスを行います。

  • 班長だけでなく、一人一人に役割はあるか。

STEP2 実際の活動例「なかよしスタンプラリー」

1 はじめの言葉(児童会役員児童)

2 スタンプラリーの説明

高学年が説明をするが、教師は下学年の児童が理解しているかを確認します。

3 高学年が中心となり、スタンプラリーを行う

教師は子供と一緒に活動しながら、様子を観察し、後から各自へよかったことを伝えられるようにします。

4 感想を伝え合う

低学年の担任は、高学年のおかげで下学年が楽しく活動できたことを伝えます。

  • 低学年からはお礼の言葉が言えるようにする。

5 終わりの言葉

6 片付け

高学年の担任が今日のめあてを振り返り、楽しくできたことを賞賛し、価値づけます。

STEP3 事後の指導

低学年から高学年へ、お礼のお手紙を書きます。高学年は、自分の励みや自信とし、次への意欲につなげるようにします。

縦割り班活動 振り返り チェックシート

このチェックシートの項目は、そのほかの異学年交流活動を行うときにも視点として活用することができます。

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小五小六』2021年10/11号より

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