小1算数「10より大きい数」指導アイデア(5/9時)《かずカードをじゅんにならべよう》

執筆/お茶の水女子大学附属小学校教諭・久下谷明
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、東京都公立小学校校長・長谷豊

本時のねらいと評価規準(本時5/9時)

ねらい

数直線について知り、数直線で数が表せることや、20 までの数についての大小や系列を理解する。

評価規準

数直線の特徴や性質(0が基点、等間隔の目盛り、左から右に順に1ずつ大きくなるなど)を理解し、数直線を用いて数の大小や系列について考えている。

もんだい
かずカードを じゅんに ならべよう。

1、2、3 と順に数が並んでいます。この続きを考えて、数カードを並べていきます。次はどんな数が並びますか。

4になります。

どうしてそう考えましたか。

だって、1、2、3 と 1ずつ増えているから。

そうですね。では、その次は?

※やり取りを通して、1 ~ 10までの数カードを並べていきます。途中、間隔や位置をバラバラにして貼ることで、「きれいに並べて!」といった言葉を引き出しながら、等間隔に数カードを並べます。その後、数カードの下に直線を引き、「かずのせん」をつくります。

1の左にくるのは、どんな数ですか。

0。

そうですね。そして、このように数を並べた線のことを「かずのせん」といいます。数の線と仲よくなるために、数の線を使っていろいろ考えたいと思います。

学習のねらい

かずの せんの  □ は いくつかな? ともだちに せつめいしよう!

見通し

右に進んでいくと、数の大きさはどうなっていきますか。
(右に進むということが伝わるように、数の線の下に矢印を入れます)

大きくなっていきます。

1つずつ大きくなっていきます。

そうですね。では、今言ってくれたことを基に、□ はいくつになるのか考えてみましょう。分かったら、どうしてその数になるのか、お友達に説明できるようにしましょう。

自力解決の様子

自力解決の際には、上のようなワークシートを配付して、ワークシートに考えを書きこんだり、指で示したりして、自分の考えを友達に伝えられるようにしたいです。

A つまずいている子

数の線に戸惑い、どのように数の線を捉えたらよいのか分からない。


B 素朴に解いている子

15 という数は分かっているが、その理由を説明することができない。


C ねらい通りに解いている子

15 になるよ。1ずつ増えているから、10 から数えて、11、12、13、14、15 だから 15。

学び合いの計画

見通しをもって自力解決に入ったとしても、初めて出合う「かずのせん」に戸惑う子もいます。考えている最中であればその姿勢を価値付けて励まし、悩んでいるようであれば「10 の右はいくつかな? 11 の右はいくつかな?」と問いかけ、解決の糸口をつかめるようにします。

また、友達と説明し合う時間は、自分の考えを相手に伝える力を育むことや、さまざまな考え方を知るといった意味でも大切であるため、そのような時間を取り入れていきます。

そのとき、「自分の説明と同じかな? 違うかな?」と考えながら聞くことができるように声かけをしたいものです。

全体発表とそれぞれの考えの関連付け

□ に入る数はいくつになりますか。

15 です。

どうして15 だと分かるのですか。

10、11、12、13、14 と考えると、15 になります。

10 から1ずつ増えていくので、□ は15 です。

15 でよさそうですね。ところで、15 ってどんな数かと言われたら、みなさんはなんと説明しますか。

15 は、10 と5を合わせた数です。

10 より5大きい数です。

本当にそうなっているのか、数の線で確かめてみましょう。

15 になる理由を説明するなかで、改めて数の線は右のほうが数が大きくなることや、1ずつ数が大きくなっていくことを確認していきます。

あわせて、15 という数が「10 と5を合わせた数」や「10 より5大きい数」であることを、子供の説明と数の線を関連付けながら確認していきましょう。

加えて、「 11、12、13、14、15 」という考えを基に、右の目盛りにも16、17、18、19、20 と数を入れていき、さらには「右に数の線を伸ばしていったら、20 の次はいくつになるかな?」、「21」、「次は?」、「22」、「次は?」、「23」……といったやり取りを通して、数の線は右にどんどん続いていくという見方もつかませていきます。

学習のまとめ

上記のやりとりを通して子供から出された数の線の特徴や性質が学習のまとめになります。

まとめる際には、子供から出された特徴や性質を、なるべく子供の言葉でまとめていくようにしたいです。そうすることで、自分たちで算数の学びをつくっているという意識をもたせることにつながると考えます。

なお、まとめの2つ目「数の線は、1ずつ多くなっている」は、本時で扱った数の線には言えますが、例えば、0、2、4、6…、のような2飛びの数の線の場合には言えません。次時で2飛びの数の線も示し、1ずつ増える数の線と比べることで、数の線に対する理解を深めていきたいです。

まとめ
● かずのせんでは、右にあるほうが、かずは大きくなる。
● かずのせんは、1ずつ大きくなっている。

評価問題として活用するゲーム

『かずあてゲーム かずのせんをもとにかんがえよう!』

次のように順にヒントを出します。

① 10より大きい数です。(数の線のどこにある数かな? 10より左にある数かな? 右にある数かな?)

② 15より小さい数です。(数の線のどこにある数かな? 15より左にある数かな? 右にある数かな?)

③ 10より2大きい数です。(15より3小さい数です)

教科書の問題などを基に確認するだけでなく、上のようなゲーム形式での評価問題も取り入れ、数当てゲームを楽しみながら、数の線に親しむ活動を取り入れていきたいです。

また、子供自身で問題をつくり、同じグループの友達に出し、答えを説明するという活動も取り入れることで、友達と学び合う姿勢や、学びに向かう姿勢を育んでいければよいですね。


イラスト/松島りつこ、横井智美

『教育技術 小一小二』2021年8/9月号より

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