小3算数「暗算」指導アイデア《2位数どうしの加減法の暗算による計算のしかた》
執筆/神奈川県横浜市立山下みどり台小学校教諭・三上顕
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥
目次
単元の展開
第1時 被減数が100の暗算のしかた
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第2時(本時)2位数どうしの加減法の暗算による計算のしかた
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第3時 2位数どうしの加減法の暗算による計算のしかたの発展的考察
本時のねらい
数の構成を基に、2位数どうしの加減法の暗算による計算のしかた及び、数の見方を説明することができる。
評価規準
数の構成に着目して、暗算による2位数どうしの減法の計算のしかたを工夫して考え、説明している。
本時の展開
44+29の暗算のしかたを考え、せつ明しよう。
前の時間には、引かれる数が100の場合の暗算を学習しましたね。 例えば、100-79を考える際に、どんなアイデアがありましたか。
79を70と9と見て、分けて計算しました。
79をだいたい80と見て、計算しました。
みんなが言ってくれたように、引く数を分けて見たり、だいたいの数で見たりして、いろいろな見方をすることによって筆算を使わなくても答えが求められましたね。それを使えば、ほかにできそうなことはありますか。
引かれる数が100じゃなくてもできそう。
たし算でもできそうです。
数を変えてもできそうなんですね。
足される数が100の場合は簡単だから、そうじゃないたし算からやってみたいな。
昨日の学習のように、ただ答えを求めるだけではなくて、どのように数を見たのかを大事にしながら説明しましょう。
数の構成を基に、2位数どうしの加減法の暗算による計算のしかたを考え、どのように数を見たのかを説明する。
見通し
足される数も足す数も、分けたらできそうだな。(方法の見通し)
だいたいの数で見て、考えればできそうね。(方法の見通し)
答えは、73になりそう。(結果の見通し)
自力解決の様子
A つまずいている子
筆算を使えないことで、どのように答えを求めたらよいか分からず困っている。
B 素朴に解いている子
筆算を頭の中で描いて計算している。
C ねらい通り解いている子
分ける考えやだいたいなん十と見る考えを試し、どんなところが便利なのか考えている。
学び合いの計画
正しい答えを求められるかどうかだけではなく、暗算をする際に、加数や被加数をどのように見たかについて話し合い、数を豊かに見る視点を養っていきましょう。そのために、44+29の44と29について、なぜそのような数として見ようと思ったのか、なぜ筆算を使わずに計算できるのかなどを問い返し、それぞれの計算処理の裏側にある数の見方を大切にしていきましょう。
イラスト/横井智美