小1国語「くちばし」指導アイデア

教材名:「くちばし」(光村図書 一年上)

指導事項:〔知識及び技能〕(1)カ 〔思考力、判断力、表現力等〕C(1)ア、ウ
言語活動:ア

執筆/東京学芸大学附属小金井小学校教諭・大村幸子
編集委員/文部科学省教科調査官・大塚健太郎、東京学芸大学附属小金井小学校教諭・成家雅史

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

「問い」と「答え」の関係を見付けながら、内容の大体を捉える力を身に付けさせます。そのなかで、文のなかにおける主語と述語との関係に気付くこと、文章のなかの重要な語や文を考えて選び出すことなども併せて指導します。

② 言語活動とその特徴

本教材「くちばし」は、子供が初めて出合う説明的な文章です。この教材は、鳥のくちばしについて、問答形式で分かりやすく説明してあるので、子供たちは、クイズに答えるような楽しい気持ちで学習することができます。

「問い」と「答え」の関係を捉えながら、くちばしの形態がえさを搾取することと関連しているという一年生なりの論理的思考を養うようにしましょう。「問い」と「答え」の関係を正確に読み取るためには、それぞれのくちばしについて、文章のなかで重要になる語や文を考えて選び出しながら内容理解を進める必要があります。

一つ一つの絵と文章を結び付けて読ませたり、文型や文末を意識させたり、具体物を活用して実演したりするなどの手立てをとり、イメージと結び付けながら内容を正確に読み取らせるようにしましょう。

単元末には、「いちばんおどろいたくちばしはどれか」を考えて、友達に伝える活動を行います。くちばしの形態とえさの搾取のしかたの関係についての読みを深めさせるとともに、説明文を読んだ驚きや面白さを学級全体で共有し、「もっと知りたい」「もっと読みたい」という思いにつなげていきましょう。

単元の展開(8時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①学習の見通しをもつ。
・鳥やくちばしについて、知っていることを出し合い、興味をもつ。
・教師の範読を聞き、内容の大体を知る。気付きを発表する。

第二次(2~6時)

②全文を読み、内容の大体を捉える。
・本文と写真とを対応させながら、三種類の鳥のくちばしが取り上げられていることを確かめる。
→アイデア1 主体的な学び

③「きつつき」の事例を読む。
・「問い」と「答え」を確認し、「答え」の後に、詳しく説明している部分があることを確かめる。
→アイデア2 対話的な学び

④「おうむ」の事例を読む。

⑤「はちどり」の事例を読む。

⑥「問い」と「答え」という文章形式を確かめながら、二人組で音読する。

第三次(7・8時)

⑦一番興味をもったくちばしについて、わけとともに伝え合う。

⑧学習をふり返る。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 子供の気付きや問いを大切にする

主体的な学び

低学年の子供たちは、気付いたことを教師に伝えたいという思いをもっています。子供たちの言葉をつないで学習を進めるようにしましょう。

例えば、単元の導入では、教師の範読を聞いて気付いたことを発表させ、子供の言葉をつなぎながら、身に付けさせたい資質能力に注目させるようにします。

教師の範読を聞いて気付いたことを発表させます

僕は、おうむのくちばしだって、すぐに分かったよ。先が丸くなっていたから

問いの文は、形の説明として、「~でしょう」と聞いているよ

答えには、鳥の名前と餌のとり方が書いてあるよ。クイズみたいで面白いね

私は、はちどりのくちばしが面白いと思ったよ。ストローみたい

また、事例を読む学習においては、「問い」と「答え」の関係を捉えようとする姿を捉え、全体で共有するようにします。

「これは」って、つながっていると読みやすい
「そして」と説明を加えているよ
僕も、かわせみのくちばしについて説明したい

このように、大事な言葉に注目しながら粘り強く読む姿を取り上げ、広げていくようにしましょう。

アイデア2 具体物を活用して考えさせる

対話的な学び

事例を読むときには、イメージと結び付けて捉えさせることが大切です。それぞれのイメージを出し合うときに、対話的な学びが生まれます。

例えば、はちどりのくちばしについて読むときには、くちばしに見立てたストローと、花に見立てたコップを用意し、ストローをさして、花の蜜を吸うという動作を実際にやらせてみます。その際に、長いストローと短いストローなど、何種類かのストローを用意しておくと、いろいろな気付きが出され、話合いが活発になります。

具体物や挿絵を活用すると、対話が活発になり、読みが豊かなものになります。

こうした話合いによって、花の奥にある蜜を吸うために、はちどりのくちばしは長いのだという理解を深めることができるのです。具体物や挿絵を活用して考えさせると、それぞれの気付きによる対話が活発になり、読みが豊かなものになります。

アイデア3 身に付いた資質・能力を自覚できるようにする

深い学び

「一番驚いたくちばしはどれか」と、感想をもたせることで、その子の読みを表象化することができます。感想を書かせる際には、なぜそのくちばしに興味をもったのか、わけを考えて書かせるようにしましょう。

わけのなかに、本文を読み取った内容やこれまでの体験と結び付けて書いている子供がいたら、教師は、その姿を価値付けて、全体に広げるようにしましょう。

▼〇〇さんの感想

子供の感想①

〇〇さんは、おうむのくちばしについて、「かたいからをわるために」工夫されていることが読み取れていて、いいですね

▼△△くんの感想

子供の感想②

△△くんは、はちどりのくちばしについて、ストローの実験と結び付けて考えていて、いいですね

このように教師が価値付けすると、読むときや感想をもつときにどのように考えればよいかということについて、子供がイメージしやすくなるでしょう。また、感想を共有する体験は、「友達の感想を聞いてみたい」「読んだことを友達に伝えたい」という思いにつながり、より深い学びへと誘うことができるでしょう。

イラスト/川野郁代 横井智美

『教育技術 小一小二』2021年6/7月号より

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!

授業改善の記事一覧

雑誌最新号