小二道徳授業ルポ「だれにたくさんあげようかな」公正、公平に接しようとする道徳的判断力を育てる

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道徳の研究に力を入れている港区立お台場学園港陽小学校の授業実践を、文部科学省の浅見哲也教科調査官の解説入りでご紹介します。

授業者 主任教諭 藤本未来
授業者 主任教諭 藤本未来

教材

教材名:「だれにたくさんあげようかな」 (廣済堂あかつき )
主題: 〈 C公正、 公平、 社会正義 〉

導入

本時のねらい
みんながすっきりするために 自分の好き嫌いにとらわれずに公正、 公平に接しようとする道徳的判断力を育てる。

1 好き嫌いで判断していることについての具体例を挙げ、自分との関わりで考える。

教師が自身の子供のときのもやもや例を紹介し、子供たちにも考えさせます。

本時のねらいを伝える
「もやもや」や「スッキリ」することについて考えよう。

展開

2 教材文を読んで考える。

教材は紙芝居にして読む。
教材は紙芝居にして読む。

中心発問
うさぎくんは、ケーキをどのように分けると思いますか。それは、どうしてですか。

教材文を読んで考える。
教師は、「くまくんに二つあげる」「パンダくんに 二つあげる」「ねずみくんに二つあげる」「うさぎく んが一つ食べる」など、子供たちのさまざまな発 言を聞いて、板書に意図的にまとめていく。
教師は、「くまくんに二つあげる」「パンダくんに二つあげる」「ねずみくんに二つあげる」「うさぎくんが一つ食べる」など、子供たちのさまざまな発言を聞いて、板書に意図的にまとめていく。

授業の工夫
導入で考えさせたい内容について意識させたり、ネームプレートで立場を明確にさせてから発言させたりすることで、 自分事として考えられるようにしました。

浅見先生の花まるポイント
「子供たちの一人ひとりの考えを引き出し、その後ネームプレートで自分の考えをもたせ、その根拠を聞くところが道徳の学習としてしっかり押さえられています。 」

3 今までに「もやもや」した経験について話し合う。

もやもや黒板

4 今日の授業で思い出したこと、 考えたことをノートに書く。

自分の考えと同じところに自分のネームプレートを貼る。その後、なぜそのように考えたか理由を発表する。
自分の考えと同じところに自分のネームプレートを貼る。その後、なぜそのように考えたか理由を発表する。

終末

5 ノートに書いた考えを交流する。

自分の考えをもって交流したり、前に出て発表したりする。
自分の考えをもって交流したり、前に出て発表したりする。

子供たちのふり返り

みんなとなかよしになったからスッキリになった。じゃんけんとか別の日につくってあげるとかがすごく考えていると思いました。

うさぎくんが自分で食べたほうがいいと思う。なぜかと言うと、みんなで食べると気持ちが温かくなるし、笑顔で食べることができるし、楽しいとみんなやってよかったと思うからだと思いました。

もしぼくが給食当番のときに多めにしようと言われたら、ぼくは多めにしないでみんなと同じ量にします。 どうしてかと言うと、一人だけ多くするともやもやするからです。

文部科学省教科調査官 浅見哲也先生からのアドバイス

浅見先生

一人ひとりの子供たちの考えを尊重し、考えをしっかり聞き取ってみんなで共有する

本時のねらいの語尾に示されているように、藤本先生は道徳性の様相の一つである道徳的判断力を育てる授業を考えました。そこで導入では、自らの体験を紹介しながら子供たちにどのように考えれば心がもやもやからスッキリになるのかという手がかりを与え、問題意識をもてるようにしています。一人ひとりの子供たちの考えを尊重し、ケーキを分ける方法からその根拠となる考えをしっかり聞き取ってみんなで共有するなど、「公平」という道徳的価値について広く深く考える授業を展開していました。

取材・文・構成/浅原孝子 撮影/北村瑞斗

『教育技術 小一小二』 2021年6/7月号より

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