【総合的な学習の時間】パラアスリートの生き方から「壁」を乗り越える姿勢を学ぶ 連載第2回【PR】
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株式会社リクルートが行っている活動「パラリング」の教材セットをご紹介する「パラアスリートやパラスポーツから障害者理解(心のバリアフリー)をすすめよう」から続く、連載第2回目の記事です。今回は、総合的な学習の時間に、「パラアスリートの生き方編」の教材を使って授業を実践した神奈川県横浜市立鶴見小学校の木村元昭先生に、授業を行った思いや子どもたちの様子、感想などをうかがいました。
「あきらめずに壁を乗り越えて行く」姿に学ぶ
――パラスポーツ、パラアスリートの授業はどのようなきっかけで実践されましたか。また実践された意図を聞かせてください。
木村 総合的な学習の時間では、今年度4月当初からパラスポーツをテーマに、ボッチャなどの体験を通して障がいについて学習しています。今夏は東京2020パラリンピックが開催されたこともあり、パラスポーツの魅力を広めたいという私の思いもありました。そのようななか、「パラアスリートの生き方」という授業用コンテンツがあることを知り、ぜひ授業に取り入れたいと思い、総合的な学習の時間の1コマとして実践しました。
――木村先生がこの授業で子どもたちに一番考えてほしかったことや指導のポイントを教えてください。
木村 障がいのある人が、障がいという大きな壁を乗り越えて挑戦する姿に触れることで、子どもたちにも、壁を乗り越えて前向きに生きるという姿勢を学んでほしいと思いました。また、障がいのある人との接し方を考えることもテーマの一つです。障がいのある人の生き方を知ることを通し、障がいの有無にかかわらず、相手の立場に立って物事を考え、行動することの大切さを意識させることを指導のポイントにしました。
――子どもたちの授業中の反応はいかがでしょうか。
木村 子どもたちは、以前の授業でボッチャを扱っていたため、パラスポーツの知識を少し持っていましたが、実際にパラアスリートの方がどのような生活をしているのかは知りませんでした。パラアスリートの生活や生き方の動画を食い入るように見ていました。村上選手が前向きに生きる様子に勇気づけられている子どももいました。また、障がいのある人と一緒に働く人の話もあったので、自分事として考えることができ、子どもたち自身もどのように障がいのある方と向き合うのがいいかを考えているようでした。
――子どもたちのふり返りでの意見はどのような内容がありましたか。
木村 「あきらめずに、壁を乗り越えていくことが大切だ」という意見が多く見られました。また、「配慮はいるけれど、遠慮はいらない」という言葉が印象的だったようで、障がいのある人に対し、できないと決めつけないで接することが相手にとってもよいということがわかったようでした。
子どもたちの感想(抜粋)
〇心に残った言葉が2つありました。1つ目は「配慮はいるけど、遠慮はいらない」。これは周りの人が障がい者でも自分が障がい者でも大事だと思いました。2つ目は「障がいがあっても、自分の人生は自分で決める」。できないことはたくさんあっても、自分の道は自分で切り拓いていく。どんなに大きな壁があっても乗り越えていく。そういう言葉が大切だと思いました。
〇この動画の村上さんは挑戦という言葉をもって障がいという壁を乗り越えていました。不安よりも、希望がたくさんあるのだなと思いました。
〇車いすで生活をするなどの大きな壁を乗り越えるために勇気を出していることが心に残りました。車いすで生活をしなければならないことにショックを受けてしまったが、立ち直ろうとしている村上さんがすごいなと思いました。たくさん挑戦して大きな壁を乗り越えている村上さんを見て、自分も壁にぶつかったときには、失敗してもいいからがんばろうと思いました。
――今回の授業を実施された感想と、今後の子どもたちの学校生活にどのような影響があると思われるか、お聞かせください。
木村 障がいのある人と一緒に働く人の両方のお話を聞くことができ、子どもたちが障がいについて身近に感じることができる素敵な教材だと感じました。今回のパラアスリートの生き方の授業から、子どもたちは、障がいの有無にかかわらず、友達や家族など相手の立場に立って考え、自分にできることはないか普段の生活でもより意識すると思います。また、バリアフリーなど、自分たちの地域にもいろいろな課題があることを子どもたちなりに考えていってほしいと思います。今後、子どもたちが学んだ「壁を乗り越える姿勢」を生かして、みんなで壁を乗り越えられる学級にしていきたいです。
木村元昭(きむらもとあき)
神奈川県横浜市公立小学校で教師歴10年。令和3年度、横浜市立鶴見小学校に赴任。大学時代から福祉関係に興味をもち、福祉施設にボランティアに行ったり、パラスポーツに挑戦したりした。パラスポーツの魅力を子どもたちに広めたいと、総合的な学習の時間でボッチャを取り上げる。今年度の校務分掌は視聴覚部で、iPadの授業での使い方などを研究中。
教材の活用にあたって~教材開発者メッセージ~
教育現場では、社会に出てから活きる多様な学びが求められています。障がい者に対する理解を深める学びや、共生社会を推進する学びなどもその一つですが、指導に当たる先生方においても難しいテーマです。そのような先生方の声を受け、株式会社リクルートは、障がいの有無に関わらずそれぞれが活躍できる社会の実現を目指し、障がい者理解を広めていく「パラリング」という活動の一環で今回の教材を開発しました。より多くの子どもたちに、障がいについて考える機会を提供できればという思いから、パラスポーツやアスリートといった子どもたちにも親しみやすい題材を通じて、子どもたちが障がいについて考えやすい内容にするとともに、先生方の負担ができるだけ少ない形で授業を実施いただけるように配慮しました。障がいや多様性、共生社会だけでなく人権教育としても活用できる教材となっているので、ぜひご活用ください。
教材活用を希望する場合は、下記までご連絡をください。教材のデータをご提供します。
株式会社リクルート パラリング 事務局
recruit_pararing@waku-2.com
株式会社リクルートが提供するオンライン学習サービス『スタディサプリ』学校向けサービスでも本教材を提供しており、『スタディサプリ』を利用している学校は、『スタディサプリ for TEACHERS』で本教材を利用できます。
協力/株式会社リクルート
前回記事はこちらからご覧ください。
「パラアスリートやパラスポーツから障害者理解(心のバリアフリー)をすすめよう ~総合的な学習の時間や道徳に最適な教材の紹介~ 」
取材・文・構成/浅原孝子