幼保小連携~ 年長さんとつながろう(小1)
2~3月は今年度のまとめに向けて準備をしていく時期です。次年度の一年生が安心して入学できる準備が、現一年生担任の役割になっている学校も多いでしょう。子供たちも、次年度の一年生に思いをもつことを通して、自分たちの成長に気付くことができるような取り組みをしたいものです。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・阿部美弥
目次
会えなくてもできる、年長さんとの交流
次の一年生への思いをもつことは自分たちが学校生活で培った力を発揮できる場面でもあります。子供たちの思いや学んできたことを生かして、交流をしたいものです。
生活科との関連
「育てたアサガオのタネを、次の一年生にあげたい」「チューリップの球根を、幼稚園に植えに行きたい」など、生活科の活動を基にさまざまな思いが出ることでしょう。
みんなで行くことは難しくても、種や球根にメッセージを添えてプレゼントとして、代表の子供や担任が園に届けることもできます。
子供たちの自然な思いを生かしてつながりをもつようにしましょう。
年長さんへのメッセージ交流
「次の一年生に、学校のことを教えたい」「友達がいっぱいできるよって教えたい」と、さまざまな思いを子供たちがもっていたら、園へのメッセージを送ることも考えられます。
その際、タブレット端末を用いて動画にしたり、模造紙や画用紙を用いて絵や写真で伝えたりとさまざまな工夫が考えられるでしょう。
年長さんへのメッセージ例
- こんな勉強をするよ(学習内容紹介)
- こんな場所があるよ(学校探検紹介)
- こんな行事があるよ(学校行事紹介)
- 給食、おいしいよ(給食の様子紹介)
- 掃除名人になれるよ(掃除のしかた紹介)
新一年生の入学後を見通した活動アイデア
生活科や音楽科など、学習を生かして入学後の新一年生のために準備する工夫もできます。
活動アイデア例
- 校内図…学校探検で知ったことを基に
- 校歌の歌詞…音楽科の学習を基に
- 入学飾り…飾り係のアイデアから など
新二年生に向けた意欲付け
「一年生おたすけカード」
入学直後、自分たちが校内を探検したときに優しく案内してくれたり、校内で迷うと助けてくれたり、上級生に助けてもらった経験は多々あることと思います。「次の一年生は自分たち助けてあげよう」という気持ちをもつために、「おたすけカード」を作っておく工夫もできます。この活動から、「今度は自分たちがやろう」という気持ちをふくらませることでしょう。
年長さんにとっては小学校の入学が楽しみになるような、また、園の先生にとっては小学校との連携での指導に生かせるような内容になるとよいです。
一年生にとっては、「自分たちはこんなに多くのことができるようになった」と、成長を実感できるように価値付けを行いましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2021年2月号より