小5算数「角柱と円柱」指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校教諭・川上健太
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫
目次
本時のねらいと評価規準
(本時の位置 1/7時)
ねらい
角柱について、底面の位置関係や底面、側面の形、底面、側面、辺の数など構成要素に着目してなかま分けをする活動を通して、その意味や性質を理解する。
評価規準
立体図形の構成要素に着目して、角柱の性質を見いだし、説明することができる。(数学的な考え方)
問題
㋐~㋖の立体図形の分け方を考え、いくつかのグループになかま分けをしましょう。

【立体図形㋐~㋖が入っているはてなボックスを提示】
この箱の中には、たくさんの立体図形が入っています。その立体図形をなかま分けしようと思います。まずは手を入れて1つ選び、その立体図形がみんなにわかるように特徴を教えてください。
周りは四角形に囲まれていて、さいころのような形です。
三角形の面があり、細長い形です。
つつのような形をしています。
これでなかま分けができそうですね。
まだ他にも知りたいものがあります。
どのようなことを知りたいですか。
それぞれの立体の面の数が知りたいです。
(7つの立体図形を箱から出して提示した後、特徴を板書し、全員で情報を共有する)
本時の学習のねらい
立体図形のなかま分けのしかたを考えよう。
見通し
面の形に着目して、なかま分けをしてみようかな。
面の数に着目して、なかま分けをしてみようかな。
大きさや形の特徴に着目してなかま分けをしてみようかな。
自力解決の様子
A 面の形のみに着目している子
①オ(三角柱) に着目している子
②イ、エ、キ(四角柱)
③ア、カ(円柱)
ウ(六角柱)は、どこに入るのかな?
B 面の形と特徴に着目している子
①オ(三角柱)、ウ(六角柱)
②イ、エ、キ(四角柱)
③ア、カ(円柱)
C 面の形と特徴、面の数
①オ(三角柱)、イ、エ、キ(四角柱)、ウ(六角柱)
②ア、カ(円柱)
学び合いの計画
立体図形のなかま分けをするに当たって、自力解決の際に何に着目してなかま分けをしたのかがわかるように記入し、学び合いに臨めるようにします。
自力解決後には、「面の形」「面の数」「全体の大きさや形の特徴」のどれに着目してなかま分けをしたのかがわかるように説明しながらノートを見合うように指示をし、ペア (または少人数) での活動を取り入れます。ノートには、なかま分けに使った視点(着目したところ)を記録しているので、分ける際に利用した視点を簡単に比べることができます。友達が違う視点でなかま分けをしている場合は、その視点も記録させるようにします。
ノート例

全体発表とそれぞれの考えの関連付け
A児の考えの人は、六角柱がどこに入れたらよいのか困っていました。どのなかまに入れたらよいのでしょうか。
三角柱や四角柱と同じなかまに入れたらよいと思います。
どうして、三角柱や四角柱と同じなかまに入ると思ったのかな。
面の形に着目すると、六角柱の底面の六角形の2つ以外の側面は全て四角形になっているからです。
同じように面の形に着目すると、三角柱も同じように底面の三角形の2つ以外の側面は四角形になっています。
だからB児のように、側面だけが四角形のなかま1と周りの面が全部四角形のなかま2と側面が丸くなっているなかま3で分けられると思います。
底面と側面の形でなかま分けするんですね。C児の考えはどうでしょう。
周りの面が全部四角形になっているもの(C児1)と四角形が一つもないもの(C児2)になかま分けしたのだと思います。
面の形と数でなかま分けしたんですね。では、これらの立体に共通の特徴はありますか。
どれも、柱のような形をしています。
どれも2つの底面が平行になっています。
底面と側面が垂直になっています。
面どうしの関係で見ることもできそうですね。どのようなところに着目してなかま分けをしたらよいかをまとめましょう。
面の形や面の数に着目すると、分けられると思います。
分ける際には、立体の全体的な特徴も必要だと思います。
面の平行や垂直についても着目するとよいと思います。
学習のねらいに正対した学習のまとめ
立体図形のなかま分けをするときには、底面や側面の形と形の特徴、頂点や面と面が平行か垂直かなどに着目するとよい。
評価問題
(底面が台形の四角柱)これは、どのなかまに入るでしょう。理由も考えましょう。

子供に期待する解答の具体例
底面の形に着目すると、2つとも台形です。側面の形は全部長方形で4枚あります。また、側面は底面と垂直になっています。
だから、C児1のなかまです。
感想例
- 立体図形を見分ける時のポイントが面の形や面の数、形の特徴だということが分かりました。
- 今回の見分け方を使って、身の回りの立体がどのなかまに入るのか調べてみたいです。
- 面の形や面の数以外にも、違いがあるのかそれぞれのなかまをもっと詳しく調べてみたいです。
『教育技術 小五小六』 2021年2月号より