小4社会「豊かな自然環境を生かす長瀞町」指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校主幹教諭・小髙正治
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
目次
目標
自然環境を保護・活用している長瀞町の様子について、位置や自然環境、人々の活動や産業の歴史的背景、人々の協力関係などに着目して、地図帳や各種の資料で調べ、白地図などにまとめることを通して、長瀞町の特色を考え、人々が協力し、特色あるまちづくりや観光などの産業の発展に努めていることを理解できるようにする。
学習の流れ(10時間扱い)
問題をつくる(1時間)
○ 写真や資料から気付いたことや疑問に思ったことを話し合い、学習問題をつくる。
<学習問題>
長瀞町では、豊かな自然を生かして、どのようなまちづくりをしているのだろうか。
追究する(7時間)
○ 長瀞町の位置、地形などを越谷市と比較しながら調べる。
○ たくさんの人が訪れる長瀞町の魅力について調べる。
○ 豊かな自然を守るための取組について調べる。
○ 観光業に力を入れている長瀞町のこれからについて考える。
まとめる(2時間)
○ 豊かな自然を生かす長瀞町について、調べたことを基に表にまとめる。
○ 豊かな自然を生かしたまちづくりについて話し合い、学習問題に対する自分の考えをまとめる。
問題をつくる(1/10時間)
写真や資料から、気付いたことや疑問に思ったことを話し合い、学習問題をつくります。
導入の工夫
豊かな自然環境や観光客数の変化に関する写真や資料を活用した話合いを通して問いを見いだし、子供が主体的に学習問題を追究できるようにします。


長瀞町の人口:7,279人(2018年)
気付いたことを話し合いましょう。
- 荒川沿いは、崖になっています。
- 宝登山の山頂付近からは、花も見え、景色がきれいです。
- 長瀞町の人口は7,000 人くらいですが、毎年、たくさんの観光客が来ています。
疑問に思ったことはありませんか。
たくさんの人に来てもらうために、何かしているのかな?
長瀞町はほかに、どんな楽しいことができるのかな?
きれいな景色を守るために何をしているのかな?
学習問題
長瀞町では、豊かな自然を生かして、どのようなまちづくりをしているのだろうか。
追究する(3・4/10時)
たくさんの人が訪れる長瀞町の魅力について調べます。
資料活用の工夫
長瀞町の魅力について、インターネットやパンフレットなどの資料から調べ、白地図を活用してまとめます。
たくさんの人が訪れる長瀞町の観光地を調べ、付箋に記入しましょう。

班ごとに付箋を白地図に貼り付け、まとめましょう。

調べたことを班ごとに発表し、クラスでまとめましょう。
長瀞町は、どんなところですか。
- 山や川があり、景色がきれいなところです。荒川両岸は国指定の名勝及び天然記念物に指定されていて、岩畳があります。
- 山登りや川遊びができるところです。
- 歴史に触れられるところです。
- キャンプ場など、泊まることができるところです。
- ハイキングやサイクリングなど、体を動かすことができるところです。
- お蕎麦やかき氷など、おいしい食べ物があるところです。

事前に調べる地域の観光協会などに問い合わせ、パンフレットを取り寄せ、学習に活用できるものを精選することが重要です。そして、パンフレットを「児童数分送ってもらえるか」「コピーしてもよいか」などを確認するとよいでしょう。また、インターネットを活用する場合は、調べるホームページを限定したり、ホームページ一覧を作ったりして、効果的に学習できる環境を整えるとよいですね。
単元づくりのポイント
自然環境を保護・活用している地域を取り上げる際、その地域の位置、自然環境、人々の協力関係などに着目することがポイントです。自分たちの住んでいる市町村と比較しながら、調べる地域の特色や、その地域の企業、鉄道事業者、役所、観光協会、地域住民などがそれぞれの立場で協力し合い、支え合っていることを捉えられるようにします。
調べ方としては、地図帳、パンフレット、インターネットなどを活用し、白地図にまとめるとよいでしょう。また、社会科見学を組み、実際に現地に行くことも考えられます。
イラスト/横井智美、佐藤雅枝
『教育技術 小三小四』2021年2月号より